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奮戦記

【13.10.09】消費税増税は「社会保障のために使われる」というウソ!(facebookより)

 自民党などは、消費税増税分は「社会保障のために全額使う」と宣伝していますが、まったくデタラメです。私は、2012年5月22日の社会保障・税特別委員会でそのウソを追及しました。

 まず、こう聞きました。「消費税の増税がない場合、国、地方合わせて、2015年の社会保障四経費(年金、医療、介護、子育て)の公的負担、これはいくらになると想定していますか」と。これに対して、小宮山厚生労働大臣(当時)は、消費税増税がないばあい「2015年度の国、地方を合わせた社会保障四経費の規模は34.8兆円程度となる」と答えました。

 消費税が仮に5%増税されて10%になると、政府の計算では2015年に新たに13.5兆円の税収が入ります。全額社会保障のために使うなら、増税前の社会保障四経費34.8兆円に、消費税増税分13.5兆円が全額上乗せされます。「足し算をすると、社会保障四経費の総額は合計48.3兆円なると思いますが、そういう理解でよろしいですか」と聞いたのです。
 そのときの厚生労働大臣の答弁はこうでした。「消費税率を5%引き上げたときの国、地方を合わせた社会保障四経費は41.3兆円程度と見込まれます」と。社会保障に全額使えば、社会保障四経費は48.3兆円なるはずなのに、41.3兆円にしかならないというのです。  

 私は、「これはおかしい」「差額7兆円は、一体どこに消えるんですか」と追及しました。
 岡田克也社会保障・税一体改革担当大臣(当時)は、こう答えました。「赤字国債で社会保障費を賄うということは続けられませんので、その部分の置きかわりというものもある」と。この「置き換わる」というのが“くせ者”なのです。

 みずほ総合研究所の「みずほ政策インサイト」(2011年7月19日号)は、こう率直に書いています。
 「お金には色がないため、消費税収が社会保障財源に充てられることで、これまで社会保障費に充てられてきた他の税収を社会保障以外の使途に振り向けることができ」る。「消費税の目的税化は消費税率引き上げを容易にするレトリックに過ぎない」と。
 要するに、社会保障に全額使うと言えば、国民が消費税の増税を受け入れるだろうというわけです。国民騙しのテクニックですね。

 7兆円は、他の財源と置きかわり別の予算に回されるということになるわけです。
 お金に色がついていませんから、財政赤字の穴埋めや大企業への法人税減税の一部にもなります。さらに無駄な公共事業の復活の財源や米軍への思いやり予算の一部になる、ということになるのです。

 社会保障・税一体改革担当大臣は、こう答えました。「公共事業予算をどう組むか、あるいは思いやり予算をどう組むかというのは、それはそれでそのときの政府の判断です」と。――“語るに落ちた”とは、このことです。

 13.5兆円のうち、社会保障に回るのは6.5兆円にすぎないのですが、これも眉唾なのです。その内訳を見ると、「消費税引き上げに伴う社会保障支出の増」が0.8兆円。これは消費税増税にともなって負担が増える分です。さらに、年金の「国庫負担2分の1」、これは2.9兆円があります。これは、まさに置きかえです。

 しかも、これで済まないのです。これとは別枠で社会保障の改悪があるからです。
 これから2015年までに、国民負担はどうなるか。
 消費税増税で13.5兆円、さらに、既に決められた年金の削減、年金、医療、介護などの保険料引き上げによる負担増、復興増税、子ども手当の削減があります。
 家計から見ますと、負担増も給付減もマイナスに作用します。全部合わせると、じつに20兆円になります。

 社会保障・税一体改革担当大臣の答弁は、「将来世代のことも考えてやる」というものでした。家計への20兆円の負担増は、否定できなかったのです。

 「社会保障に全額使う」という与党の宣伝が、いかにデタラメなものであるか。これまでの議論を通じて、すでに明らかなのです。


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