奮戦記
【13.08.14】証券優遇税制をどう改革するか(facebookより)
証券優遇税制は、今年12月までで「期限切れ」を迎えます。その後は、税率が20%(所得税15%、住民税5%)となることが想定されています。それでも、欧米に比べてまだ低い水準です。
欧米の富裕層の株式配当への最高税率は、アメリカ(ニューヨークの場合)27.7%、イギリス42.5%、ドイツ26.375%、フランス36.5%(2012年7月現在)であり、日本のばあい、元に戻して20%にしても依然として低い状況が続きます。
そのため、日本共産党の「2013年参議院選挙各分野政策」では、「大資産家優遇の証券税制を改めます」として、こう書いています。
――「世界に例を見ない大資産家優遇の配当や株式譲渡所得の税率軽減措置を改めます。証券優遇税制の廃止で税率を20%に引き上げたうえ、将来的には、配当や譲渡所得などは、勤労所得とあわせた総合課税を原則とし、富裕層に応分の負担を求めますが、それまでの間も、欧米諸国の水準にあわせて高額所得には30%以上の税率を適用します」。
これに対して、ツイッターなどで「一般国民が将来の資産構築又は生活の足しに、なけなしの金を株式投資に回して配当を得ている場合」も対象にするのか、という疑問が寄せられています。
私たちは、この政策を一律に適用することはせず「大資産家とは区別して、庶民の少額投資には税負担の軽減を図る」ことを主張しています。政策ではこう述べています。
――「証券優遇税制の廃止にともない、500万円までの株式投資から得られる配当や譲渡所得を非課税とする「日本版ISA(個人貯蓄口座)」制度が創設されます。小規模な投資を行う「庶民投資家」への課税を富裕層より軽減するのは必要なことですが、モデルとされたイギリスのISA制度が預金利子も非課税の対象となっているのと違って、日本の制度は株式投資だけに限定された歪んだものです。対象を狭めない小口投資の非課税枠をつくり、投資先は投資家の判断にゆだねるようにすべきです」。
そのうえで、大株主の「課税逃れ」に対して、次のような政策を提起しています。
──「大株主の中には、保有する株式を自分が出資してつくった資産管理会社の名義にしている人がいます。証券優遇税制の期限切れを前にして、自己名義の株式を資産管理会社に移す動きが増えています。企業の発行株式総数の3%以上を保有する大口株主の配当には総合課税がされることになっていますが、資産管理会社名義の株は対象外となってしまいます。こうした『合法的な課税逃れ』を防ぐ方策を検討します」。
このように、日本共産党の政策は、「大株主に対しては欧米並みの適正な課税を、庶民の小口投資には減税を」と主張しているのです。