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奮戦記

【13.05.28】議運で人事官候補の聴聞会が開かれ質問

   議運で人事官の聴聞会がおこなわれ質問しました。人事官候補は、一宮なほみ氏(仙台高等裁判所長官)です。
 人事院の最も重要な役割は、公務員の労働基本権制約の代償機能です。憲法28条が保障する労働基本権、すなわち、団結権、団体交渉権、争議権は、本来、公務員にも保障されるべきものです。ところが、現在の国家公務員法は、公務員の地位の特殊性を理由に、公務員の労働基本権を制約している。そのことから、人事院が代償機能を求められています。

   人事院は、政府から独立して、中立の立場で、国家公務員の身分、任免、服務、さらに、賃金や労働時間など労働条件を定める役割を担っています。同時に、人事院は、中央人事についての準司法的権限もあわせ持ち、公務員の中立、公正、公平を確保する役割を担っています。
 したがって、三人の人事官というのは、こうした任務の重要性を自覚して、政府から独立し、中立の立場で職務を遂行しなければならないと思います。
 これまで、公務員の定員一律削減、総人件費削減政策、あるいは公務員給与の引き下げということが、政府側の意向によって行われてきたことがたびたびありました。人事官は、中立、独立の独自の判断が必要であって、そのときどきの政府の意向によって、簡単に左右されるべきではありません。

   私は、中立公平な機関であるはずの人事院がその役割を、きちんと果たせない状況が続いているのは問題ではないかと問いました。
 これに対して、一宮なほみ人事官候補は、労働基本権制約の代償機能の重要性を強調し「政府が人事院勧告と異なる判断をする場合、政府は国民への合理的な説明をする必要がある。国民が納得するかどうかが大切だ」と答えました。
 公務員制度改革で一番大事なのは、労働基本権の回復問題です。ILOは、日本が進めている公務員制度改革にかかわって、監獄職員の団結権、一般の公務員についての争議権、労働協約締結権を保障するなど、国際労働基準に従った改革を進めることを求める勧告を、これまで繰り返し行っています。これをしっかり受け止めるべきです。

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