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奮戦記

【12.11.08】衆院本会議で公債特例法案について質問

公債特例法案についての本会議質問

 衆院本会議で、公債特例法案について質問しました。その全文は、以下の通りです。

 ……………………………………………

   私は、日本共産党を代表し、平成24年度における公債発行の特例に関する法律案に対し質問します。

 今回提出された法案は、先の通常国会で廃案となったものとまったく同じ内容であり、そのまま出し直したものであります。
 なぜ、こうなったのか。通常国会の最終段階で、与野党合意のないまま与党・民主党が、衆議院で一方的に法案採決を強行したため、参議院で審議未了廃案となったからであります。
 政府・民主党の強引な議会運営は、重大な禍根を残しました。野田総理は、この点をどのように反省しているのでしょうか。答弁を求めます。

 臨時国会が開かれると、自民・公明両党は、公債特例法案の審議を、衆議院の解散日程を明示することとからませる挙に出ました。これに対して野田内閣は、ほんらい地方の自主財源である地方交付税を出し渋るなど、国民生活を支える財源を人質に取る作戦に出たのであります。
 公債特例法案を、このように政局の駆け引きの道具として使うということは、あってはならないことであります。
 民自公を除く野党8党は、11月1日、「公債特例法案は政局の駆け引きの道具にすることなく、手順を踏んで十分な審議を行うこと」を、与党・民主党に強く求めてきたところであります。

 もとをだだすと、8月に行われた「3党合意」で、野田総理が自民・公明両党首に「近いうちに信を問う」と約束し、それと引き換えに消費税増税法案への賛成を引き出したことが発端でした。民自公3党は、密室協議で消費税大増税法案を強行した、いわば「増税仲間」であります。
 その仲間どうしで、解散の「時期を言え」「言わない」と不毛な“内輪もめ”をしているのであります。野田総理は、この事態をまねいた責任をどのように認識しているのでしょうか。

   公債特例法案の内容について質問します。
 この法案は、今年度予算の財源を確保するためのものであり、予算と一体のものであります。
 野田内閣による今年度予算は、消費税増税を前提としており、さらに年金支給額の削減、子ども手当の削減など社会保障の連続改悪を進めるものとなっております。
 国民の多くが、生活を切り詰め、将来不安を抱えている時、野田内閣は2015年までに約20兆円もの新たな負担を庶民に押し付けようとしているのであります。国民の暮らしも、経済も、財政も破壊する道に踏み出す予算になっており、賛成できないのは、当然であります。
 さらに、中止を公約した八ッ場ダムの復活をはじめ、東京外郭環状道路などのムダな大型開発を次々と復活させ、重大な欠陥が指摘され完成もしていないF35を次期戦闘機として買い入れるために総額1.6兆円も費やすなど、税金のムダづかいを広げるものとなっています。

 また、富裕層や大企業には、減税の大盤振る舞いがおこなわれております。年間1.7兆円もの新たな減税を実施したうえ、さらに法人税の減税を目指しているのであります。
 もともと税制法案の原案にあった、ささやかな「富裕層への増税」も、3党合意で削除されました。これが、来年度税制改正で復活する方向は、いまのところ見えません。低所得者対策も「検討する」という“かけ声”だけで、具体的な内容がまったく見えません。いったいどうするつもりでしょうか。
 これらの課題を棚上げして、無慈悲に消費税の大増税だけを国民に押しつけることは、絶対に許されません。
 総理は、国民にたいしては負担増、大企業にたいしては減税というやり方を、不公平だと感じないのでしょうか。
 このような予算を支えるために、多額の赤字国債を発行することは到底、許されるものではありません。

 社会保障の財源は、消費税増税に頼るのでなく、証券優遇税の廃止などによる所得税の累進性強化、大企業を優遇する不公平税制の是正、大型開発や軍事費などの歳出の無駄にメスを入れること、などによって確保すべきであります。
 こうしてこそ、大企業が内部にため込んだ約260兆円もの内部留保を、国民に還元する道が開けるのであります。
 このさい、旧態依然とした大企業中心の成長戦略、TPP参加という危険な道を転換し、GDPの半分以上を占める家計消費の拡大を中心とする国民本位の経済発展に、軌道を切りかえるべきではありませんか。

   このさい、復興予算の「流用問題」についても、ただしておきたい。

 復興予算に被災地の復興と関係のないものが含まれるなど、言語道断であります。
 そもそも復興予算の財源は、どこから出るのか。来年1月から25年間にわたって所得税の付加税率が2.1%引き上げられ、住民税も増税となります。その一方、法人税は、今年から4.5%という大幅な引き下げを行いました。大企業には3年間の時限的付加税を課すだけで、その後は、減税が続くのです。みんなで負担すると言いながら、大企業には減税、庶民には増税を押しつける仕組みになっているのです。

 そのうえ、大企業には、減税だけでなく復興の名で財源をばらまいています。たとえば、立地補助金の8割が大企業に渡っているのであります。しかもこれらの大企業は、大規模なリストラをすすめ、被災地からも雇用を奪っているではありませんか。
 また、国民の過半数が、“原発ゼロ”を求めているもとで、こともあろうに原発輸出に向けた「調査等委託費」を盛り込んでいることは重大です。原発被災者の賠償をまともにやらず、外国に原発を輸出するためにお金を使う。こんなことは絶対に許されることではありません。
 被災地では、地盤のかさ上げや防災集団移転をはじめ事業所や住宅の再建など、被災者が切実に望む対策は、ほとんど進んでいないのです。
 復興予算は、東日本大震災・原子力災害による被災者の生活と生業の再建、被災地の復興以外には、絶対に使ってはなりません。

 最後に、公債特例法案の内閣修正について質しておきたい。
 民主、自民、公明の「3党合意」にもとづき、法案の内閣修正がおこなわれましたが、これは、本年度分の基礎年金国庫負担を2分の1に引き上げるための財源を、当初案の「交付国債」から「つなぎ国債」すなわち「年金特例国債」に変えるというものであります。
 そのような修正をしても、償還財源に消費税増税分を充てることに、何ら変わりはないではありませんか。答弁を求めます。

 そもそも、基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げるためと称して、所得税・住民税の定率減税廃止と老年者控除・公的年金等控除の見直し・廃止がおこなわれたのではなかったでしょうか。当時の与党である自民党・公明党税制改正大綱等には、このことが明記されていたのであります。
 それを実施しておきながら、さらに消費税増税を財源にあてるというのは、基礎年金の国庫負担引き上げを口実に、国民のフトコロから二回も取りあげることになるではありませんか。総理は、この二重取りが当然だというのでしょうか。明確な答弁を求めます。

 いま、野田内閣がなすべきことは、予算委員会を速やかに開き、国政の基本問題について争点を明らかにし、すみやかに解散・総選挙をおこなうことであります。このことを強く求めて質問を終わります。

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