奮戦記
【11.11.24】衆院本会議で復興財源法案に反対する討論
衆議院本会議でおこなった、復興財源確保法案などに対する反対討論は、以下の通りです。
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私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等一部改正案、復興財源確保法案、および、それぞれの修正案に、反対する立場から討論をおこないます。
政府は、復興財源を確保するため、「連帯して負担を分かち合う」と述べましたが、本会議および財務金融委員会の質疑のなかで、それがまったく成り立たないことが明らかとなりました。
民主・自民・公明の三党合意に基づく修正案によれば、見送られた「たばこ増税」の分が所得税の増税に上乗せされ、25年間で庶民に8.1兆円もの増税を押し付けるものになっています。
その一方、法人税については5%の恒久減税を実行することとしています。そのため、25年の累計は20兆円の減税となり、3年間だけ2.4兆円の付加税を課すとしても、大企業には17.6兆円もの大減税となるのであります。
庶民には約8兆円の増税、大企業には約18兆円の減税であります。これでどうして「負担を分かち合う」ことになるのでしょうか。
リーマンショック後の景気後退の時期に、次々と内部留保を積み上げる大企業に、これほど大規模な恒久減税を行う必要はありません。
野田内閣のやり方では、復興財源を確保するどころか、法人税減税のために、さらに大規模な赤字国債の発行を行わざるを得なくなり、財政破綻をいっそう深刻なものにするのであります。
なぜ、こんなことをするのでしょうか。財界の言い分を丸飲みしたからではありませんか。
日本経団連が、9月に発表した「平成24年度税制改正に関する提言」によると、「負担増を行うのであれば、法人実効税率5%引下げに伴うネット減税分を限度として、付加税を時限的に課すか、施行を一定期間遅らせる方式をとるべき(いずれも3年以内)」と書いております。
庶民に増税を押しつけながら、自分には減税しろというのは、あまりにもムシのいい話であります。野田内閣は、それを忠実に実行しているだけではありませんか。
国民の立場にたった政治であれば、財界の身勝手をおさえ応分の負担を求めるのがスジであります。
次に重大なのは、国税通則法の改悪が盛り込まれたことであります。国税法案とその修正案では、税務署の権限を強化し、税務調査や徴税事務における納税者の権利を実質的に後退させています。
とりわけ修正案では、原案に盛り込まれていた「納税者権利憲章の制定」が、目的規定とともに削除されてしまいました。さらに、任意調査を行う場合、文書によって事前通知をおこなうという規程も削除されました。許しがたい後退であります。法案では、帳簿・資料の任意提出に罰則規定を盛り込むなど、重大な内容が明らかとなりました。
民主党は、国税当局に対し、著しく立場の弱い納税者の権利を保護するため、納税者権利憲章の制定を公約していたのではありませんか。にもかかわらず、3党協議で自民党の主張を受け入れ、提案していた法案をいっそう改悪し、税務署の権限強化へと舵を切ったのであります。
到底、認めるわけにはいきません。
消費税増税についても、重大な問題点が浮かび上がりました。
もともと民主党は、政権を担当する4年間は消費税は上げない、仮に引き上げる場合には「消費税増税」をマニフェストに書いて、総選挙で国民の信を問うと約束していたのであります。
ところが総理は、信を問うのは増税法案提出するときではない、法案を通したうえで消費税増税を実施する前だと言い変えたのであります。そんな言い方は、民主党のマニフェストにも、総選挙の時の党幹部の発言のどこにもありません。完全に、すり替えであります。
国民に信を問うことなしに消費税増税法案を国会で通すというのは、明白な公約違反であり、消費税増税はただちに撤回すべきであります。
日本共産党は、消費税増税には絶対に反対だ、ということを強調して、討論を終わります。
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