奮戦記
【11.11.22】財金委で質問――復興増税は庶民に増税、大企業には減税
財務金融委員会が開かれ、復興増税などについて質問しました。議題となったのは、復興増税法案と修正案、国税法案とその修正案です。
はじめに、2人の参考人をお招きして意見聴取と質疑をおこないました。参考人は、BNPパリバ証券クレジット調査部長の中空麻奈さんと、横浜国立大学教授の三井逸友さんです。
続いて、野田総理の出席のもとで法案質疑をおこないました。その質疑内容については、引き続き「奮戦記」でお知らせするとして、以下、討論(全文)をご覧下さい。
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日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案およびその修正案、東日本大震災復興財源確保のための特別措置法案およびその修正案に対して、反対する立場から討論をおこないます。
最初に、所得税法等の改正案および修正案についてです。
反対する第一の理由は、国際競争力の強化をたてに、法人税実効税率5%引き下げを柱とする法人税減税が盛り込まれていることです。
政府の歳入見込みによれば、実質、平年度ベースで約8,000億円の大減税が大企業に与えられます。リーマンショック後の景気後退時期にも内部留保を積み上げる大企業に、なぜこのような大規模な恒久減税を行うのでしょうか。
しかも、減税の財源はなく、実質的に赤字国債で穴埋めをしているのです。このような大企業優遇措置は断じて許されません。
第二の理由は、国税通則法の改悪により、税務署の権限を強化させ、税務調査や徴税事務における納税者の権利を、実質的に後退させているからです。とりわけ修正案では、原案に盛り込まれていた納税者権利憲章の制定が、目的規定などとともに削除されました。許しがたい後退です。
さらに、文書による調査の事前通知を削除するなど、内容でも大幅に後退しました。国税当局に対し、著しく立場の弱い納税者の権利を保護することが、納税者憲章の制定を公約とする民主党の主張ではなかったのでしょうか。納税者の権利を後退させる本改悪に、断固反対であります。
以上、原案に盛り込まれた大企業優遇減税などが、修正案でも継続されていることから、原案および修正案に反対します。
次に、復興財源確保特別措置法案ならび修正案についてです。
反対する理由は、政府提案の復興財源スキームでは、大企業はいっさい負担を負わず、個人や中小業者に対し、8.8兆円もの増税を課しているからです。
3年間合計2.4兆円の復興特別法人税により、企業も負担を分かち合っているといいますが、実態は、法人税減税との差し引きで、いっさい負担を負っていません。
むしろ、法人税実効税率5%引き下げ等の実施により、年間約8000億円、25年間で約20兆円もの恒久減税が実施されます。
まさにその実体は、財界奉仕の大企業優遇、国民への一方的な負担増であります。
修正案では、たばこ増税が削除され、所得税増税に負担が積みあがりました。増税の期間が25年間に延長されたとはいえ、その復興財源確保の実体は、何も変わりません。
以上の理由から、原案および修正案に対し反対します。
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