奮戦記
【11.11.14】震災特で二重ローン法案について質問
二重ローン救済のための債権買い取りなどを行う東日本大震災事業者再生支援機構法案が、衆院復興特別委員会で賛成多数で可決されました。
同案は、参議院で日本共産党を含む野党の多数で可決したものを民自公3党で修正したものです。私は、以下の討論をおこないました。
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東日本大震災事業者再生支援機構法案は、もともと参議院で自民党などの野党によって提出されたものです。その後、参議院で、みんなの党の提案による修正もおこなわれ、わが党も積極的に意見を述べ原案及び修正案に賛成をいたしました。それが可決され、衆院に送付されました。
政府の二重ローン対策は、生業(なりわい)の再建を望む多くの被災事業者とりわけ中小零細業者を救済するには不十分であり、この支援機構法案による抜本的な改善が期待されたのであります。
ところが、衆議院では民主党、自民党、公明党の三党だけで修正協議に入り、参議院で改善した修正部分を元に戻してしまったのであります。三党だけで決めて、国会に押しつけるやり方は、断じて許されません。
以下、本修正案によって後退した部分の問題点について述べておきます。
第一に、買取り価格の問題です。参院送付案では、時価との比較で発生する差額の損失部分を債務免除する「義務」規定であったのが、「できる」規程に修正され、債務者の負担が残る内容に後退しています。修正案では、その代わり関係金融機関による二次ロスのシェアリングが盛り込まれています。再生開始の段階で、債務をできる限り減額もしくは免除するほうが、事業再生に資することは明白です。
第二に、機構の債権買取りから一定期間が経った時の事業再評価で、「返済猶予」や「債務免除」の規定があります。これは「義務規定」から「努力義務」に、明らかに後退しているといわざるをえません。
その他、新規融資の問題や、産業復興機構と支援機構との棲み分けの問題など、事業の継続と再建にとって不十分な点が少なくありません。
このような後退はまことに残念であり、今後の運用段階等でさらに改善すべきであります。
本制度が、政府の対策では救済できない事業者を救済する仕組みとして、前向きに活用されることを強く求め、本修正案には賛成することといたします。
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