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奮戦記

【11.05.02】小佐古内閣参与の辞任で明らかとなった政府の「法と正義」

   放射線防護の専門家として内閣官房参与に任命されていた小佐古敏荘東大大学院教授が4月29日、放射線量基準をめぐる政府の対応を批判して辞表を提出しました。

 小佐古氏は29日の辞任会見で、原子力災害関連の法令順守を基本とする立場から、政府の対応を「その場限りで『臨機応変』な対応を行い、事故収束を遅らせている」と批判しています。
 とりわけ「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」と強調しています。

   しかし、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い「事態収束を遅らせているように見えます」と訴えています。

 たとえば、原子力安全委員会は、原子力災害対策において技術的な指導・助言の中核をなすべき組織なのに、小佐古氏は「法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるように見受けました」と指摘しています。
 とくに、「住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されて」いなかったと指摘しています。

   日本共産党の吉井英勝衆議院議員は、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)やERSS(緊急時対策支援システム)が1カ月半にわたって機能していなかったことをあげ、「政府が『全力で収束させる』といっても東電いいなり、国家の機能を果たしていない」と指摘していました。

 小佐古氏の辞任会見は、吉井氏の指摘が正しかったことを裏付けています。

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