奮戦記
【11.04.22】財金委で質問し議運委で発言しました――被災者支援税制、震災決議、日独決議
東日本大震災の被災者向けの税制上の支援策を盛り込んだ税制特例法案の質疑が行われ、法案は全会一致で可決されました。
採決に先立つ質疑で、私は被災した中小企業・業者の営業再建のためには、借金の返済猶予や債務免除が必要だと強調しました。
たとえば、工場が全壊し総額8100万円の被害を受けた石巻市の船舶修理業者が、過去の借金2600万円を抱えている事例などを紹介し「被災地ではせめてゼロからのスタートを切れるようにしてほしい」という声が上がっていると強調しました。
そのため、過去に抱えた借金の返済猶予や債務免除に金融機関が積極的に応じるよう指導すべきだと主張しました。
また、事業再生資金を無利子、無担保、長期で貸し出すよう政府系金融機関が役割を果たすよう求めました。
和田隆志内閣府政務官は、債務免除について「条件変更や返済猶予などいっぱいいっぱいの努力をし、ぎりぎりのところで判断せざるをえない」と答えました。
中小企業庁の豊永篤志次長は、「個別企業の実情に応じて無担保での資金供給に努めるよう指示した、公庫や商工中金の貸し付けで大幅な金利引き下げなどをする新たな融資制度の創設に努める」と答えました。
また、私はガソリン価格高騰に伴ってガソリン税の税率を引き下げる「トリガー条項」の廃止が、被災者支援税制に盛り込まれたことについて「被災地の住民や中小企業・零細業者の負担が重くなる」と批判しました。
五十嵐文彦財務副大臣は、「急激にガソリン価格が上下すると受給が逼迫する可能性がある。そのリスクを排除するための措置だ」などと、制度を否定する発言をしました。
議運委で、震災決議案について意見表明――「復興は被災地の住民合意」「原発見直し」を明記せよ
衆議院本会議で、東日本大震災に関する議決が全会一致でおこなわれました。
本会議に先立つ議院運営委員会で、私は決議案について賛成だが、内容に弱点があるので共同提案はできないと指摘しました。その発言内容は、以下の通りです。
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「東日本大震災に関する決議案」について、意見を述べます。
大震災にかかる決議案について与党側から提起された案文に対して、わが党が特に指摘し修正を求めたのは、次の2点であります。
ひとつは、復興計画についてであります。
復興のあり方の土台の問題として、「被災者の生活再建と地域社会の再建を基本」とすることをきちんと明記すべきであります。また、そのすすめ方は、上から復興計画を押し付けるのではなく、「被災地域の住民の意見を尊重し合意を得て」すすめる点についてもはっきりさせるべきだと考えます。この点が、本決議案では明確でなく不十分であります。
ふたつ目は、原子力行政についてであります。
わが党は、少なくとも「原子力行政については、今回の事故の反省に立って、国内全ての原子力発電所の総点検を行い、安全最優先で根本的に見直すこと。」との文言を追加すべきだと提案しましたが、とりいれられませんでした。今回の地震・津波によって、かつてない深刻な原発事故を引き起こし、未だに事態収束の見通しがたたないもとで、決議にあたって原子力行政のあり方に言及するのは当然のことだと考えます。
以上の2点について、わが党の提案がとりいれられなかったため、本決議案は、いまやるべき震災決議として不十分であり弱点があると考えます。したがって、本決議案を共同提案することはできません。態度としては賛成であります。
議運委で、日独決議に反対の意見表明――「侵略戦争」の歴史認識を大きく後退させるもの!
衆議院本会議で、日独交流150周年決議が、民主、自民、公明などの賛成多数で議決されました。日本共産党、社民党、立ちあがれ日本が反対しました。
本会議に先立つ議院運営委員会で、私は決議案について反対の意見表明をおこないました。発言内容は、以下の通りです。
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日独交流150周年にあたり、日独の友好について決議するのは当然です。
しかし問題は、その内容であります。特に、日独伊三国同盟や先の戦争についての歴史認識についてです。
当初、議運理事会に提示された決議案は、「両国はその侵略行為により、近隣諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えることとなった」と「侵略行為」に言及していました。
ところが、いま提出されている決議案は、「侵略行為」が完全に削除され、「各国と戦争状態に入り多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」と書き換えられたのであります。これは、到底容認できるものではありません。
先の戦争は、「侵略戦争」であるということを抜きに語ることはできません。国会がこの歴史認識にかかわって立場を表明する場合、少なくとも村山談話が明らかにした歴史的到達点を踏まえるのが当然であります。
村山談話は「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」と表明しているのであります。
今回の決議に当たって、その核心部分である「侵略」という認識を大きく後退させる決議をあげることは許されるものではありません。
加えて、ドイツ連邦議会の議決は、「ドイツと日本は侵略・征服戦争を行い、被害を受けた近隣国の人々に破滅的な結果をもたらした」と痛切な反省の文言を盛り込んでいます。
わが国の決議が、過去の戦争に真摯に向き合うことなく、「侵略行為」にも言及しないとすれば、国際的批判をまぬがれません。以上の点を指摘し反対の意見表明とします。
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