奮戦記
【09.06.22】労働者・家計を犠牲にした「景気回復」は本物と言えるか
今日、財務省と内閣府が発表した09年4−6月期の「法人企業景気予測調査」によると、大企業・全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス22.4で、過去最悪の1-3月期より大幅改善したそうです。
しかし、企業規模別では、中堅企業・全産業は、マイナス37.0、中小企業がマイナス49.6と、その格差は拡大しています。
先日発表された6月の「月例経済報告」では、中国向けなどの輸出や、企業の生産に改善の動きが続いていることを受け「悪化」の文言を7カ月ぶりに削除し、「厳しい状況にあるものの、一部に持ち直しの動きがみられる」と2カ月連続で上方修正しています。
これは、はたして本物の景気回復につながる兆しと言えるでしょうか。
一方で、派遣切りなどによって完全失業率が上昇し有効求人倍率が低下するなど、雇用環境の一段の悪化が見られます。
また、国内総生産(GDP)統計でも雇用者報酬の減少があります。
そのため、いまの「景気底打ち」は、大企業が労働者・家計を犠牲にしたものであり、決して本物の回復軌道に乗ったものとは言えません。
雇用の安定、社会保障の充実、負担の軽減――この道に踏み出してこそ、家計消費中心の内需拡大につながります。――政治は、その方向に大きく踏み出すべきです。
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