奮戦記
【09.06.19】参院否決の3法案を衆院で再議決する動議に反対しました
与党は、衆院議院運営委員会で、本日の参院本会議で否決された「海賊対処」派兵新法案など3法案を衆議院で再議決すべきだとの動議を提出し、自民・公明の賛成多数で強行しました。
この採決に先立ち、私は、日本共産党を代表して与党の動議に反対する意見表明を行いました。――発言の全文は、以下の通りです。
参議院で否決された海賊対処法案、租税特別措置法案、国民年金法案の3案を衆議院で再議決する動議を議題とすることに反対する意見表明
参議院で否決された海賊対処法案等3法案を衆議院で再議決することに反対する意見を表明します。
憲法59条1項は、法律は衆参両院で可決したときに成立することを原則としております。それは、衆参両院で慎重に議論することによって審議を深め、その問題点を国民の前に明らかにすることを保障し、同時に、選挙の方法や時期が異なる両院で審議することにより国民の意思を多元的に反映させようとする精神に立っているからであります。
したがって、衆議院で可決したものについて参議院がそれと異なる議決をしたとき、あるいは60日過ぎても審議が継続されている法案については、衆議院は参議院の意思をできるだけ尊重し、あくまでも慎重に対応すべきであります。
ところが、政府・与党は、参議院の意思を一顧だにせず、衆議院で直ちに再議決をして法案成立を図るという極めて乱暴なやり方を繰り返してきました。
参議院で与野党が逆転して以降、福田内閣で3回、麻生内閣で3回、計6回の再議決が与党によって強行されました。さらに今回は、たった1日で3つの法案を再議決しようとしているのであります。このような前代未聞の暴挙は、到底容認できるものではありません。
与党が再議決を強行しようとしている3つの法案は、それぞれ、きわめて重大な内容を含んでおります。
海賊対処法案は、自衛隊の海外派兵を拡大するものです。
租税特別措置法案は、緊急に求められている中小企業対策よりも大企業優遇を優先するものとなっています。
国民年金法改正案について言えば、基礎年金の国庫負担割合を、いまの3分の1から2分の1に引き上げるのは当然ですが、財源確保と称して3年後の消費税増税を狙うという重大な問題があります。
以上、やり方からみても、内容からいっても、3法案の再議決を議題とする動議に反対だということを述べ、意見表明とします。
再議決した3つの法案の問題点
与党が再議決を強行しようとしている3つの法案は、それぞれ、きわめて重大な内容を含んでおります。
海賊対処法案は、自衛隊の海外派兵を拡大するものです。
これによって、戦後はじめて人を殺傷するような事態をまねきかねません。ソマリア沖で海賊が多発している背景には、長期間の紛争と外国の介入による荒廃と貧困があります。
ソマリア再建への支援、ソマリアとその周辺の海上警備能力の向上への財政的・技術的支援を強めることこそ、憲法9条を持つ日本の役割です。
租税特別措置法案は、緊急に求められている中小企業対策よりも大企業優遇を優先するものとなっています。
研究開発減税の93%を大企業が独占し、中小企業の交際費課税の軽減も、赤字経営に苦しむ中小企業には無縁のものとなっています。
国民年金法改正案について言えば、基礎年金の国庫負担割合を、いまの3分の1から2分の1に引き上げるのは当然ですが、財源確保と称して3年後の消費税増税を狙うという重大な問題があります。
これまで、自民・公明両党は、その財源に充てると言って、定率減税の廃止、老年者控除の廃止、公的年金等控除削減などの庶民増税を強行してきました。
ところが、基礎年金にはその増税分の17%しか充てなかったのです。
そのうえ消費税増税ですから、「1枚の証文で2度取り立てる」ようなものであり、到底容認できるものではありません。
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