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奮戦記

【09.06.06】臓器移植法案──これで審議を終わらせるべきではない

   昨日開かれた衆院厚生労働委員会で、臓器移植法改正案4案について各議員から意見表明が行われました。

 改正案をめぐっては、私も参加したの衆院議院運営委員会理事会では、昨日の「奮戦記」で書いたように、9日(火曜)の衆院本会議で、厚労委員長が「中間報告」を行うことを強行しました。
 私は、このようなやり方に反対し、慎重審議を求めました。
 「中間報告」というのは、審議中の法案について委員会が結論を出さないまま、審議を打ち切って、本会議で直接採決を行うというものです。

   日本共産党の高橋ちづ子議員は、厚労委員会で「今日で委員会審議をおわらせるべきではない」と反対を表明し、委員会での審議続行を求めました。

 高橋議員は、「移植を一日も早くと待ち望む子どもらの小さい命を思うと何とか道を開きたい。しかし、命の問題を需要と供給のバランスで論じることはできません」と強調しました。
 子どもの場合、限られた症例しかなく、脳死判定基準も確定しておらず、受け皿施設の整備不足などもあり、「今のままでは、道を開いても失望と現場の大混乱を招きかねない」と述べました。

   自民党議員からも、「国民に臓器移植についての正確な情報を伝え、再度、脳死臨調を開いて議論すべきだ」「人の生死にかかわることは簡単に結論は出せない。採決を延長することを提案する」などの声も上がっていました。

 このような状況のもとで、審議を打ち切って本会議で採決を強行することは、到底、認められるものではありません。

ABCDの4つの案とはどんなものか

 議論されている主な論点は、ふたつあります。──ひとつは、「脳死」を一律に「人の死」とするかどうか。ふたつは「臓器提供が可能となる年齢」をどうするかです。

 この国会には、ABCDの4案が提案されています。
 A案は、「一律に人の死」と規定しています。
 他の3案は現行法通り「臓器提供する場合に限り人の死」としています。
 「C案」の場合は、定義をより厳格化する内容となっています。

 A案については、「心停止」などを死の定義としてきた日本人の感覚に合わず抵抗が強いものがあります。
 その反面、B、C、D案では「提供臓器が増えない」という批判もあります。

 A案は年齢制限を設けないことにしていますが、B案は「12歳以上」、C案は現行法通り「15歳以上」、「D案」では14歳以下については、家族と病院の倫理委員会などの同意を必要とすることとしています。

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