奮戦記
【08.08.07】条件が整っていない裁判員制度は延期すべきだ
日本共産党の市田忠義書記局長は今日、国会内の記者会見で、刑事裁判に一般の人が参加する裁判員制度について、延期を求める方針を表明しました。
2009年5月21日に始まる予定の裁判員制度は、殺人、強盗致傷、現住建造物等放火などの重大事件が対象です。
最高裁は8月4日に、07年1年間に全国の地裁に起訴された裁判員制度対象事件が計2643件だったと発表しました。
これにもとづいて試算すると、1年間の裁判員数(1事件につき補充裁判員2人を含む8人)は全国で2万1144人になり、有権者4911人に1人が選ばれる計算になります。
裁判員は有権者から無作為で選ばれ、原則として辞退はできず、裁判に参加するため最短でも3日間は仕事を休むことになります。
この裁判員法は、2004年に全会一致で成立しましたが、現状では実施の条件が整っているとはいえません。
ひとつは、国民の合意がえられていないことです。
日本世論調査会の3月の調査でも、裁判員を「つとめたくない」と言う人が72%、「つとめても良い」26%となっています。
今年初めに最高裁が行った意識調査でも、「参加したくない」38%、「参加しても良い」11%となっています。
ふたつ目は、裁判員の守秘義務について重い罰則があるなど負担が重すぎることです。さらに、裁判期間が短縮されるため被告に不利な裁判になりうることです。──条件が整っていない以上、実施を延期することは当然です。
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