奮戦記
【08.07.04】政府の「教育振興基本計画」は日本の教育を上から統制するものだ
このほど、政府は「教育振興基本計画」を閣議決定しました。
政府は「今後十年間を通じて目指すべき教育の姿」を示し、2008年度から2012年度までに政府がとりくむ教育施策を定めたと言っています。
その大もとにあるのは、一昨年に制定された「改悪教育基本法」です。
ほんらい教育内容に、このような「国定計画」が必要なのでしょうか。
国が「計画」を一方的に策定し実行することは、「政府による教育内容への無制限な介入・支配に道をひらくもの」(党石井郁子副委員長談話)です。
今回の「計画」を見ると、改悪教育基本法にそった「人づくり」のために新学習指導要領など国の施策の忠実な実施を求めています。
これは、国の物差しで実施状況をチェックし改善を命じるという手法であり、教育の自主性を侵し鋳型に押し込めるようなものです。
それだけではありません。
教育予算水準の引き上げや教職員の増員については、数値目標の盛り込みを「コスト縮減」の名で見送ったことも重大です。
日本の教育予算は対GDP比で3・5%と、先進国の中で最低水準です。
これまで文科省は、今後十年でOECD諸国平均の5%まで引き上げる数値目標を、計画に盛り込むことを主張し、教職員を2万5000人増やすことも掲げていましたが、それを取り下げたのです。
いま、国がやるべきことは、教育条件の整備を中心にすえた対策です。教育の内容や方法を押し付けることではありません。
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