奮戦記
【08.05.10】政府与党が狙う道路特定財源の再議決には一片の道理もない
来週は、道路財源をめぐって、この国会最大のヤマ場を迎えます。
まず、12日(月)午後の参院本会議で、道路財源特例法案(10年間道路だけに財源を囲い込む法案)を野党多数で否決する予定です。
問題は、衆議院の側がそれを受けてどう対応するかです。
政府与党は、次の日13日(火)の衆院本会議で、それを3分の2の多数で「再議決」する方針だというのです。
これは、国民世論に真っ向から挑戦する強引なやり方です。
第1、「道路特定財源は、一般財源化して、道路にも環境にも福祉にも使えるようにすべきだ」――どの世論調査を見ても、この声が国民の多数派を形成しているからです。
第2、福田内閣が「来年度からの一般財源化」打ち出しているのに、10年間も特定財源の維持を盛り込んでいるのは、根本的に矛盾しているからです。
第3、道路特定財源による高速道路の新設を中心とした道路政策が、地方自治体に巨額の借金を押しつけ、さまざまな困難をもたらしてきたからです。
地方自治体は、この間、地方交付税を削減され、過去の道路などの公共投資による借金をかかえ、切実な生活道路の維持補修予算さえ削減せざるを得ないなど、深刻な事態がひろがっています。
政府・与党は、道路特定財源がなくなれば、通学路の整備や踏切の改善ができなくなると言いますが、実際には、生活道路の整備費の大半が地方自治体の一般財源でまかなわれているのです。
地方自治体にとっては、道路特定財源を一般財源化してこそ、自治体自らの判断で、住民のために、切実な生活道路の整備にも使うことができるのです。
ともかく、世論に真っ向から逆らう政府与党の強権的なやり方は、絶対に認めるわけにはいきません。
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