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奮戦記

【08.03.26】議運委で人事官の聴聞、財金委で国際開発協会の増資について質問

 今日は、2回質問しました。ひとつは、議院運営委員会で午前中におこなわれた人事官(総裁)候補の所信聴取と質疑、ふたつは、夕方からおこなわれた財務金融委員会でのIDA(国際開発協会)への第15次増資についての質問です。

議運委――人事官(総裁)候補・谷公士(たにまさひと)氏への質問

 議員運営委員会で、人事官(総裁)候補・谷公士(たにまさひと)氏から所信を聴取し、各党から質問がおこなわれました。私も、日本共産党を代表して質問しました。

 その内容は、以下の通りです。

   はじめに、人事院の位置づけについての認識をききたい。
 憲法第28条が保障する労働基本権、すなわち団結権、団体交渉権、争議権は、本来、公務員にも保障されるべきものだ。しかし、現行の公務員制度では、公務員の地位の特殊性を理由に、それが制限されている。
 その「代償措置」として、人事院を設け、身分、任免、服務、さらに賃金や労働時間など労働条件について法律や規則で定めている。したがって人事院は、中央人事行政機関として司法機関的性格を持っており、中立でなければならない。
 今後、中立・公平を自覚し、それを踏まえて任に当たるかどうか。確かめておきたい。これが第1点。

 最高裁の判例によれば、「公務員の争議行為の制限は憲法に違反していない」と言えるのは、「人事院の機能が十分に発揮されていることを前提に」している。現実はどうか。
 具体的な事例できく。公務員の給与勧告ではじめてマイナス勧告をおこなったのが、2002年だ。その背景に何があったか。2002年5月に、経済財政担当大臣が「勧告制度は右肩上がりの時代の産物」と批判し、6月には「骨太方針」で決めた「総人件費抑制」を閣議決定し、さらに厚労大臣が「賃下げ勧告」を前提に、年金給付の引き下げの検討を表明する、という一連の政府圧力があった。人事院として、この動きにひと言の批判もなかっただけでなく、政府の意向に従って、初めての「マイナス勧告」をおこなった。
 これは、中立・公平な機関であるはずの人事院が、政府の圧力に屈したものと言わざるを得ない。どう受け止めているか。

 谷さんが人事院総裁になってからだが、2006年の勧告では、給与の官民比較の事業規模を「100人以上」から「50人以上」に拡大するということをおこない、賃金の抑制をおこなった。これも、05年9月の閣議決定および12月の閣議決定があり、06年7月の閣議決定で「100人以上を50人以上にすべきだ」とした意向に忠実に沿ったものであった。これも、政府の圧力に屈したものと言わざるを得ない。いま振り返って、どう考えているか。

 最後に、政官業癒着の温床となっている「天下り」について、禁止するのが望ましいという認識があるか、ききたい。

財金委――IDA(国際開発協会)への第15次増資について質問

   財務金融委員会が開かれ、質問しました。
 
 まず、IDAの基本的性格を確認しました。
 IDAは、世界銀行グループの一機関として、最貧国に対してもっとも有利な条件で資金を提供する役割を果たしています。

 無利子で返済期間が35年〜40年間という長期資金だ。加盟国は166カ国で、そのうち40カ国が拠出国となっており、最貧国82カ国にたいして貧困削減に資する方向で付けています。
 特に、2000年代に入ってから、最貧国に対する「貧困削減戦略」がつくられ、それに沿った資金提供を行うなど、最近は、特に貧困削減に力点を移した支援をするようになっています。

   過去にあった画一的な「構造調整」融資を、各国の自主的な計画に基づく融資へと大きく転換しています。

 しかも、その主軸を貧困削減へと切り替えることが、国際的な流れになっていると思います。

 焦点は、以前にあったような外から画一的な「構造調整」を押しつける政策をすすめるのか、そこから脱却するかということです。
 私は、額賀大臣に、以前の「構造調整」融資の問題点、限界をどのようにとらえているかただしました。
 大臣は、押しつけるのでなく、相手国の自主的な計画をもとに融資を実行することの重要性について、説明がありました。

   最近、ヨーロッパ諸国、特にイギリスはIDAへの増資を急増させています。

 出資額の順位をみると、2000年から2002年の12次増資で、イギリスは5位でした。

 13次になると4位、14次では2位となり、今回の15次増資では1位となっています。フランスとドイツのばあいは、ほぼ横ばいです。日本はこの間、2位から3位の水準にあります。

   日本のODA関係予算額は、98年は1兆473億円、08年は7002億円。約3割減少しています。

 そのなかでIDAへの増資をみると、1997−1999年(11次)は2304億円、2009−2011年(15次)は3627億円で、57%増えています。
 2国間の援助を減らし多国間の援助を増やす――「日本政府として意識的にこのような選択をしているのか」とききました。大臣からは、明確な答弁はありませんでした。

   今回の増資は、2015年までに国際社会が貧困な地域をなくすために採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成には重要な期間にあたること、特に達成率が悪いアフリカへの更なる援助の重要性が強調され、前回の増資以上に大幅な増額がおこなわれています。

 今年は、特に、洞爺湖サミット・TICAD(アフリカ開発会議)の開催国として、日本の姿勢が問われています。

 日本は、IDAへの増資額だけで発言力を持とうとするのではなく、貧困削減にたいして本腰を入れて取り組むべきです。

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