奮戦記
【08.03.22】「新銀行東京」──知事は本当に経営実態を知らなかったのか
「新銀行東京」の経営悪化の原因と責任はどこにあるのでしょうか。
東京都が出資した1000億円の税金を食いつぶしたうえ、さらに石原知事は「400億円出せ」と都議会に提案しました。
都民のあいだに、追加出資に「納得できない」と強い怒りが広がっています。
石原知事と都側は「(経営悪化の)実態は分からなかった」と言っていました。
しかし、「毎日新聞」(ネット配信)によれば、開業初期から経営悪化の情報が都の担当幹部に伝えられていたにもかかわらず、事実上放置されていたようです。
証言した新銀行東京の元執行役は、05年4月の開業前から06年まで就任していたそうです。
開業当初から、非公式に都の当時の担当幹部に経営状況を逐一伝え、「危機」を訴え続けたといいます。そのうえで「おかしくなっていると気付いて修正する局面はいっぱいあったのに見過ごされてきた。都の責任は重い」と批判しています。
そもそも、この銀行が都知事の一声でつくられた「石原銀行」とも言われています。
「毎日新聞」は、原型となる銀行設立構想を石原知事に提案した経営コンサルタントの大前研一氏が「やってはいけないことに手を付けた石原氏の責任は重い」と指摘したと報道しました。
当初、都の膨大な運用資金をメーンバンクの破綻から守る目的で準備を始めたが、知事の一声で「生業(なりわい)として成り立たない」(大前氏)中小・ベンチャー企業支援に舵(かじ)を切ったといいます。
都知事の責任がきわめて大きいと言わなければなりません。
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