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奮戦記

【07.08.12】あらためて、財界の目指す「道州制」のねらいを考える

   日本経団連の第6回東富士夏季フォーラムは、参議院選挙の投票日直前の7月27日、「東富士アピール2007」を公表しています。
 私たちは、選挙最終盤の追い込みでしたから、ほとんど気がつきませんでしたが、いま、あらためて読み返してみると、そこには重大な問題が含まれていることが分かりました。
 何よりも「道州制」の位置づけの大きさです。「東富士アピール」には、3つの柱があります。それは、「教育」「経済連携協定(EPA)」「道州制」の3つです。
 「道州制」というのは、この3つの1つですから、たいへん大きな位置づけを与えられていることが分かります。

   しかも、そこには「道州制の導入は、国のありかたから国民の意識や生活までを根本から変革する『究極の構造改革』である」と書かれています。
 そのうえ「それぞれの地域に自立した経済圏を確立し、わが国全体の国際競争力を強化すること」と述べています。
 これは、何を意味するのでしょうか。日本経団連の御手洗会長が、6月19日におこなった講演の内容にその考え方が示されています。この講演は、日本経済研究センター会員会社・社長朝食会でおこなわれました。

   それによると、大企業のアジアへの展開を強調し「アジアのダイナミズムを取り込」むこと、そのために「政府の役割の再定義」をおこない、政府は外交・防衛、司法、通貨政策など「必要最小限のものに限定」するとしてます。
 こうなると、福祉・社会保障などは、国の仕事ではないということになります。

   道州と基礎自治体は、地域経済・福祉・社会保障など国民の生活に関連するすべての仕事を押しつけられます。
 これらは「自己責任」でおこない、お上(国)に頼らず「自立」せよというのです。いったいどのようにして「自立」するというのでしょうか。

 これでは、国の責任放棄であり、貧富の差と地域格差がいっそう広がることになるでしょう。またそれは、戦争できる国づくりと一体のものであることがわかります。  





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