奮戦記
【07.04.29】安倍首相が米大統領に約束した“戦後レジーム脱却”
訪米した安倍晋三首相が、ブッシュ米大統領に約束したのはなんでしょうか。
今回は、「従軍慰安婦」問題で「狭義の強制はなかった」という首相発言が大きな反発を買い、議会やメディアが安倍首相にたいして批判を強めるなかで行われたのが特徴でした。
日米首脳会談終了後の共同記者会見で、安倍首相は「かけがえのない日米同盟を確認し、揺るぎない同盟として強化していく」といい、「安倍内閣の使命として、戦後レジーム(体制)からの脱却を目指すと説明した」と述べました。
安倍氏は、集団的自衛権行使の容認に向けた「有識者会議」の設置をブッシュ大統領に伝えたことを明らかにし、ブッシュ米大統領は「日米同盟はかつてなく強力」であり、「地球的規模の同盟だ」と述べました。
安倍首相は、米軍の早期撤退を各方面からもとめられているイラク問題で、米国の「イラク安定化と再建の努力」に理解と支持を表明し、「日本は米国とともにある」として、イラク特措法の延長など日本側の「努力」を伝えたことを強調したのです。
日米首脳会談を通じてあきらかになったのは、日米軍事同盟強化の危険な方向と安倍首相の異常なアメリカ追随姿勢です。
安倍首相は、「従軍慰安婦」問題で、あいまいな「謝罪」で批判をかわしながら、他方で「ゆるぎない同盟強化」を強調し、戦争をしない「戦後レジーム」から脱却するというのです。危険な道に踏み込んだと言わなければなりません。