奮戦記
【07.01.08】所得再分配―日本は欧州と比べ低所得層に冷たい
第3回中央委員会総会への幹部会報告で、志位委員長はこうのべました。
「まじめに働いても生活保護水準以下の生活しかできない貧困層が激増し、10世帯に1世帯、400万世帯を超えて広がっています。もはや貧困は、一部の国民の問題ではありません」と。
その理由は、税・社会保障などによる「所得再分配」が、きちんと機能していないからでもあります。
その点で、内閣府経済社会総合研究所の太田清特別研究員(日本総研主席研究員)が、「日本では税や社会保障による所得再分配の恩恵が欧米と比べ低所得層に薄い」と指摘するリポートをまとめたことが注目されます。
このリポートは、「日本の所得再分配―国際比較でみたその特徴」と題するもので、昨年12月に出されました。
それによると、日本の税・社会保障の負担率は、低所得層では欧州並みだが、平均世帯の年収が500万円以上の層では、欧州より低いと指摘しています。
たとえばドイツでは、再分配により低所得層の所得と平均所得の格差は20.5%も縮小したが、日本では、米国の5.4%より小幅の2.0%の改善にとどまるといいます。
「毎日新聞」(1月5日)よると、太田氏は「現在の日本の所得再分配の制度は、低所得層に恩恵が薄く相対的貧困率を高めている」と指摘していると伝えています。
第3回中央委員会総会への幹部会報告では、「貧困は、若者、女性、高齢者、自営業者・農漁民など、国民のすべての階層をとらえて進行し、日本社会をむしばんでいます」と指摘しています。
こうした現状をふまえ、日本共産党は、憲法25条に保障された生存権をまもる国民的大運動――全国の草の根から、社会的連帯で貧困を打開し、生活を防衛する国民的大運動をおこすことをよびかけています。
この運動を担うことができる党は、日本共産党しかありません。