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奮戦記

【06.12.15】本会議で会期延長に反対、内閣不信任案に賛成しました

写真 本日、午前8時50分に4野党が衆議院に内閣不信任決議案を提出しました。
 参議院では、内閣不信任案に代わるものとして「問責決議案」がありますが、参議院の民主党が提出に難色を示し、文部科学大臣のみの問責決議案の提出となりました。
 これにたいして、与党側は「不測に事態に備えるため」などという理屈で、会期を4日間延長する「会期延長決議案」を提出しました。
 衆議院での採決は、会期延長決議案からおこなわれました。私たち野党は、会期延長決議案に反対、内閣不信任案に賛成の態度をとりました。
 採決の結果は、会期延長決議案は可決され、内閣不信任案は否決されました。まことに、残念です。

写真 内閣不信任決議案にたいする賛成討論は、日本共産党副委員長の石井郁子衆議院議員がおこないました。以下、石井郁子議員の賛成討論をご紹介します。

 ………………

 私は、日本共産党を代表して、安倍内閣不信任決議案に賛成の討論をおこないます。
 安倍内閣が発足して三ヶ月、あらゆる面で不信任に値する内閣であることが明らかになりました。
 第一に、国民世論をふみにじり、衆参両院での強行採決によって教育基本法改悪案を強行成立させようとしていることです。
 日本の教育のあり方、子どもたちの未来を決める法案を、議会制民主主義をふみにじる暴挙によって押し通して、どうして子どもたちに顔むけできますか。私はこの壇上から満身の怒りをこめて抗議するものです。
 そもそも現行教育基本法は、日本国民を侵略戦争にかりたてた戦前の軍国主義的国家統制の教育への反省の上にたち、平和・民主主義・人権尊重という憲法の理想を教育の力によって実現しようとしたものです。この現行教育基本法こそ、いまの日本に活かすべきであり、変えなければならない理由はどこにもありません。
 政府・与党は、現行教育基本法を全部書きかえるといいながら、現行教育基本法の「どこが悪いから変えるのか」という問いに対して、いまに至るもまともな説明ができないのであります。

写真 それゆえ、政府与党は、「やらせ」「さくら」のタウンミーティングで政府に都合のいいように世論を偽装するしかなかったのであります。教育の名でこれほど国民と子どもたちを欺いたことが、かつてあったでしょうか。後世の子どもたちに「やらせでできた教育基本法」と後のちまで語り継がれることになるでしょう。
 私が、質問でとりあげた、青森県八戸における教育改革タウンミーティングの「やらせ」問題を発端に、全国的に「やらせ」が行なわれていたことが次々と明らかになりました。驚くべきことに、「やらせ質問」にたいする「やらせ回答」まで準備していました。官僚のおごり、その道徳的退廃振りに唖然とせざるをえませんでした。まさに、法案の提出者の資格そのものが問われたのであります。
 「やらせ」にたいする国民の怒りの前に、政府は、調査を約束したにもかかわらず、その報告書の提出を参院での強行採決の前日までひきのばし、国会審議を避けたのであります。言語道断であります。
 しかも重大なことは、この報告書で「世論誘導」を自ら認めながら、責任問題にはいっさい目をつぶり、安倍総理の給与をわずか百万円返上することでお茶を濁そうとしています。これほど国民を愚弄するやり方はありません。
 政治家・安倍総理がとるべき道は、やらせでつくった教育基本法改悪案をただちに撤回したうえ、みずから総理の職を辞することではありませんか。

写真 やりかただけではありません。教育基本法案の内容そのものが、憲法に違反するきわめて重大なものであります。
 法案は「教育の目標」に二十に近い徳目をならべたて「態度を養う」として、その「目標の達成」を子どもたちと教師、国民に義務付けようとしています。これは、憲法十九条が保障する思想・良心・内心の自由を踏みにじるものです。
 現行の教育基本法は国家権力の教育介入を「不当な支配」として厳しく禁止しています。ところが、教育基本法案は「教育は国民全体に直接責任を負って行われるべきもの」という文言を削除し、「この法律及び他の法律の定めるところによって行われる」という規定にかえています。これは、「教育内容にたいする国家的介入はできるだけ抑制的でなければならない」という日本国憲法の要請からくる大原則をふみにじり、政府が教育全体を権力的な統制と支配のもとにおくものです。

写真 この間、「いじめ」による自殺、未履修問題など、教育をめぐる深刻な事態がつぎつぎとおきています。ところが、政府はこれらの問題に根本的解決策をしめすことができず、子どもたちの命をかけた訴えをうらぎりつづけているのです。
 あまつさえ教育基本法改定と安倍総理のかかげる「教育再生プラン」のもとで、「全国一斉学力テスト」など過度の競争教育に子どもたちをいっそう追い込もうとしているのです。これでは、深刻な「いじめ」問題に拍車をかけ、その克服を困難にし、選別と差別の殺伐とした教育とならざるをえません。
 だからこそ、現場の教師をはじめ多くの国民が法案の慎重な審議を求めてきたのであります。衆参の特別委員会の審議に参考人・公述人として出席した二十名の方々が連名でアピールをだし、次のように訴えています。
 「私たちが指摘した法案の内容そのものについての議論はきわめて不十分だといわざるをえません」。
 この間の世論調査も「今国会での成立が必要」はごく少数で、「今国会成立にこだわるべきではない」が圧倒的多数でした。
 こうした国民の声を無視してはばからない安倍内閣は不信任に値するものです。

写真 また、防衛庁自衛隊発足以来はじめて、海外活動を自衛隊の本来任務とし、防衛庁を「省」に昇格させる法案の強行も重大です。
 歴代政府は、「自衛隊は、自衛のための必要最小限の実力組織だから憲法に違反しない」という解釈のもと、自衛隊の任務を「日本防衛」に限定し、専守防衛を建前としてきました。こうした建前を根底から覆し、海外での「米軍戦争支援活動」を自衛隊の任務に位置づけることは、憲法9条を真っ向から踏みにじるものです。
 安倍内閣は、憲法改正を公然とかかげ、自民党憲法草案には「自衛軍」を書き込み、その任務に「国際活動」を規定していますが、今回の法案は、この改憲案をまさに先取りするものであります。政府与党幹部から「核武装発言」がくりかえされ、安倍総理自身が集団的自衛権行使の見直しに言及するなど、まさに「改憲推進内閣」といわねばなりません。

写真 さらに、経済政策でも不信任は明白です。
 安倍内閣は、「再チャレンジ」といいながら、国民を「勝ち組」と「負け組」にふるいわける「格差社会」をただすどころか、いっそう深刻にする政策をすすめているからであります。
 史上空前の大もうけをあげている大企業にたいして、応分の負担を求めるどころか、逆に、来年度税制でも各種減税の大盤振る舞いを続ける一方、高齢者を始め庶民に無慈悲な大増税・大負担をおしつけています。しかも、参議院選挙が終わったら消費税の大増税までねらっているのです。これでは、「格差」をますます拡大することにならざるをえません。

 以上、安倍内閣は、子どもたちの未来を危うくし、「海外で戦争する国」づくりを押しすすめ、国民にはさらなる痛みと負担をおしつけるものであり、即刻退陣すべきであります。これで、私の内閣不信任に賛成の討論を終わります。

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