奮戦記
【06.07.19】日本の政治家にCIAが機密資金―米国務省の公文書
アメリカ国務省は、ジョンソン政権下の対日外交史料を刊行しました。
それによると、複数の自民党幹部と野党内の「穏健派」を対象とした米政府の「秘密支援作戦」が、1958年から数年間おこなわれていたことを裏付けています。
今日は、この問題について、マスコミからコメントを求められました。
この点については、これまで94年に「ニューヨーク・タイムズ」が報道したことがありますが、公文書で確認されたのは、これが初めてです。
外交史料は「アイゼンハワー政権は58年5月の衆院選挙前、CIAが少数の主要な親米・保守派政治家(複数)に一定の秘密資金支援や選挙アドバイスを与えることを許可した」と記述しています。
支援を受けた政治家は「米国の企業家からの支援と聞かされていた」といいます。
それだけでなく、CIAは59年から60年代初めまで、日本で左派勢力の分裂を狙った秘密資金工作も行ったとされています。
当時の日本の政治勢力分布は、自民党と社会党の2大政党が議席の大半を占めていました。
米外交史料の「親米・保守派政治家」は自民党政治家であり、「左派勢力の分裂」は社会党の分裂を画策したことを指すものとされています。
60年前後といえば、安保改訂をめぐって日本が大きな政治的激動の時代でした。
そこに、外国政府=米政権から直接の資金的介入があり、日本の親米派が育成されていたということは、きわめて重大です。
歴史的事実というにとどまらず、今日につながる親米政治をつくりだした要因のひとつとして、徹底した真相の究明がもとめられます。