奮戦記
【06.07.16】格差の原因は非正規雇用の拡大―「労働経済白書」
厚生労働省の2006年版「労働経済の分析」(労働経済白書)の原案が報道されました。
それによると、20歳代を中心に非正規雇用が増えて収入の格差が広がったため、若者の結婚が大幅に減り、少子化の要因となっていると分析しています。
2002年の15〜34歳の男性に配偶者がいる割合は、「正規従業員」が約40%だったのに対し、「非正規従業員」や「パート・アルバイト」は10%前後にとどまっているそうです。
非正規雇用の割合を1997年と02年で比較すると、20〜59歳まですべての年齢層で増加傾向がみられました。
特に20〜24歳の年代で増加率が高く、02年は97年と比べてほぼ倍増し、30%を超えています。
また、経済協力開発機構(OECD)は6月末、対日審査会合をパリで開催し、日本社会で拡大している所得などの格差に強い懸念を示したそうです。
OECDは、7月20日に対日審査報告書を公表する予定で、全6章のうち1つを格差問題に充てる見通しです。
それによると、日本は従来、「所得の不平等度が少ない社会」と見られてきましたが、「最近は就労者の所得格差が拡大している」と警告しています。
その理由として、企業が非正規雇用への依存を強めている点を挙げているそうです。
いずれにしても、大企業・政府の雇用政策がその根本にあることは明らかです。
大企業に対して、正規雇用のいっそうの拡大を求めるとともに、政府にたいして雇用を安定させる政策を要求していかなければなりません。