奮戦記
【05.07.13】「障害者自立支援法案」―衆院厚労委で採決強行
今日、衆議院厚生労働委員会で、多くの障害者・関係者が抗議の声をあげるなか障害者自立支援法の可決が強行されました。これに抗議して議員会館前で集会がもたれました。
<写真は、鴨下厚労委員長>
日本共産党の山口富男議員は、厚生労働委員会で質問するとともに、反対討論を行いました。
以下、その内容をご紹介しましょう。
日本共産党を代表して「障害者自立支援法案」にたいする反対討論を行います。
本法案には、いわゆる三障害のサービスを一元化し、義務的経費部分を設けるなどの、当然の方向もあります。
<写真は山口富男議員>
しかし、本法案には、これらを打ち消してあまりある、障害者の生活と権利を脅かす重大な内容が盛り込まれています。
反対する第一の理由は、障害福祉サービスに利用者一割負担という、応益負担、定率負担を導入することです。
これによって、ホームヘルプで四倍、通所施設で19倍、全体では年間700億円を上回る負担増となります。
所得保障が全く不十分なもとでは、この負担増に耐えられない多くの障害者を生み出します。「負担の上限」や減免措置を設けても決して解消されない問題です。
障害者への福祉サービスの利用を「益」とみなし、負担増を求めること自体、障害者の人権保障に真っ向から反しています。
<写真は尾辻厚労大臣>
応益負担の導入は、サービスを多く必要とする重度障害者ほど、重い負担増を強いるもので、まさに障害者の社会参加と自立の支援に「逆行」するものです。
通所サービスの食費や入所施設の食費・居住費・光熱費への負担増、また作業所など「働く場」での利用料の負担増も、障害者に痛みを押し付けるものにほかなりません。
第二に、公費負担医療制度にも大きな負担増を求めていることです。現行では、更生医療・育成医療は応能負担、精神通院公費医療は医療費の5%負担です。
法案では、これを原則一割負担とし、一定以上の所得者は医療保険と同様に三割負担とします。さらに更生医療・育成医療の入院給食費に自己負担を導入します。
こうした負担増は、障害者を医療機関から遠ざけ、必要な医療を受けられず、健康状態の悪化すら招きます。自立支援医療などとは、決して呼ぶことのできないものです。
第三に、障害程度区分をはじめとして、法案の審議にかかわる重要事項がいずれも、政省令事項に委ねられていることです。その数は、告示事項を加えると213項目に達します。
法案の重要な内容にかかわる事項が明らかにされないで、どうして十分な審議ができるのか。
政省令の基準如何では、障害者へのいっそうの負担増と給付減をもたらすのであって、立法府として、このまま認めるわけにはゆきません。
与党提案の修正案は、これらの重大な問題点を引き継いだうえに、この間の参考人質疑をはじめ、障害者団体や関係者から寄せられた多くの要望、意見、そして提案を無視するもので、「修正」の名に値しないものです。
本法案を撤回し、障害者福祉施策の抜本的な再検討をはかることこそ、私たちに求められた切実な課題ではありませんか。
以上、主な反対理由を述べ、討論とします。