奮戦記
【05.06.21】障害者対応のATMについて郵政特で質問しました
今日も、郵政民営化特別委員会で質問しました。おもなテーマはATMの障害者対応についてです。
私はまず、ユニバーサルサービスについて、麻生総務大臣に確認しました。
郵政審議会が、1996年に出した最終答申「郵便局ビジョン2010」では、こう定義しています。
――「(1)全国あまねく、(2)いつでも、(3)公平に提供される、(4)生活基礎サービス、すなわち、ユニバーサルサービス」と。
私は、麻生総務大臣に「この通りだな」と聞きました。大臣は「基本的にはその通りだ」と答えました。
障害者や高齢者に「やさしく利用しやすい」ということも、金融のユニバーサルサービスの重要な内容なのです。
これが、郵政民営化でどうなるかが問題です。
そこで、郵政公社に郵便貯金業務の視覚障害者対応がどのようなものになっているか、ききました。
視覚障害のある方々への点字サービスやATMが、きめ細かくおこなわれていることがわかりました。
私は、銀行の障害者対応ATMは、どこまで進んでいるでしょうか。伊藤金融担当大臣に数字を確認しました。
銀行の視覚障害者対応のATMは、ようやく1割を超えたところなのです。
私が、昨年5月に財務金融委員会で取り上げるまで、金融庁は実態調査すらしていなかったのです。
しかも、銀行がいま取り組んでいるのは、視覚障害者対応のものだけであり、手が震えてしまうような障害を持った方はタッチパネルの利用が困難であったり、車椅子を利用している方には、操作画面の位置が高いということで使えないことが多いのです。
郵政公社では、このような障害を持った方や高齢者の方々にも使いやすいように、操作画面を大型化したり手すりをつけるなど、考慮した設計をしています。
私は、伊藤金融担当大臣に、公社は100%障害者対応となっているのに「なぜ銀行では1割程度しか進まないのか。その理由はどこにあるのか」と聞きました。
これにたいして、伊藤大臣は「コスト等の理由により」すすんでいないと、率直に答えました。
私は、「公社が100%障害者対応になっており、さらに改善を続けている。その理由はどこにあるか」と、総務大臣に聞きました。
麻生総務大臣は「“公”という意識の問題だ」と答えました。つまり、郵政公社は、公共性があるので、障害者対応をきちんとできるということです。
私は、これで明確になったと感じました。――民営化されたら障害者対応は崩れるが、公社の場合には対応がすすむのです。
現行の「郵便貯金法」では、その目的を規定した第1条で、こう書いています。
――「郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用されることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする」と。
この「郵便貯金法」を廃止し、民営化によって郵便貯金を民間銀行なみに変質させれば、せっかく進んでいる障害者対応が、銀行並みに崩れてしまうことは明らかです。
障害者や高齢者が使いにくくなるような、ユニバーサルサービスをはずす郵政民営化には、断固反対だと述べて質問を終えました。