奮戦記
【05.04.26】大阪証券取引所の株式を村上ファンドが買い占め
今日の財務金融委員会では、証券取引所の問題について質問しました。
5年前に証券取引所の株式会社化を認める法改正が行われ、東京証券取引所も大阪証券取引所も株式会社となりました。
しかし、一般の株式会社と違って株式会社化された証券取引所は、「自主規制機関」であるがゆえに、上場企業の内部情報にふれる機会が多く、上場をめざす企業の内部情報を上場前につかむことができます。
証券取引所というのは、そういう特殊な株式会社ですから、インサイダー取引の危険性が、常につきまとうことになります。
また、大阪証券取引所は社外取締役として証券会社出身者が社外取締役に就任しています。そうなると、さまざまな問題が発生します。
たとえば、大阪証券取引所の「ヘラクレス市場」のホームページで公表しているレポートのなかに、このような指摘があります。
――「取締役総数は17名で、うち14名が社外取締役。取引所運営の意見を求めるため、市場参加者(証券会社)から8名を選任しているが、収益の大きな部分が参加者からの負担金であり、参加者は当所の株主でもあることから、料率の設定、配当金の承認などの点で利益相反が起こる可能性がある」。
証券会社出身者が社外取締役に就任するというのは、簡単に言えば、参加手数料を決める側に、払う側がいるということです。
つまり、払う側が手数料を決めるということになるのです。
株式会社になるだけではありません。
株式市場に上場するということになれば、いっそう複雑な問題が発生します。だいたい、証券取引所が自分自身を自らの取引所に上場するというのも奇妙な話です。
まず懸念されるのは、株式の買占め。じっさい、大阪証券取引所が上場した結果、村上ファンドが10%もの株式を買い占めるにいたっています。
筆頭株主になった可能性も高いと言われています。
1月では6%だったのに、3月下旬に時間外取引で一気に10%取得したと言われています。
しかも、それをもとに6月の株主総会で村上氏を社外取締役に迎える案を大証自身が提案するよう求めています。
大証側は、これを拒否したといわれますが、これにたいして村上ファンド側が、対抗策を打ち出すのではないかという報道さえあります。村上ファンドは、大証の内部留保金の額についても問題にし株主還元を主張しています。
これは、証券取引所の自主規制機関としての存立そのものを揺るがす事態です。
ABCという3つの会社が、それぞれ12%12%10%を保有すると34%となり、仮に連合して同一行動をとれば、証券取引所の重要方針を拒否できることになります。
こいうことを想定したうえで、株式会社化や上場を可能とする仕組みをつくったのでしょうか。
じっさい、村上ファンド以外にも、外資が株を買い占めているという話もあります。
不測の事態をまねかないよう、どのようなルールをつくるかが問われているのではないでしょうか。
自主規制機関としての性格をきちんと確保し、公平・公正な市場のルールを確立することが必要です。