奮戦記
【05.03.18】途上国の自主性を尊重した貧困克服戦略への転換を
今日は、財務金融委員会がひらかれ、国際開発協会(IDA)の増資に応ずる法案について質問しました。
まず、その目的についてただしました。
昨年末のスマトラ沖地震・津波で20万人以上が犠牲となり150万人が家や仕事を失ったと言われ、特に被災各国の最貧困層が大きな被害をこうむりました。
これまで、世界各国からの緊急支援活動が続けられてきました。
今後は、これを復興のための取り組みへと移行させるため、IDAは、6億6000万ドルを拠出することになっています。
世銀は、復興活動を進めるにあたって、どのような指針をもっているのでしょうか。
この問いに対して財務省の井戸清人国際局長は、(1)復興のプロセスを「被災国が自主性をもって進める」こと、(2)復旧プログラムの立案に地域社会を参画させること、(3)復旧の目標を被災前の貧困レベルの再現とはしないこと、と答えました。
私は、IDAが国連の貧困克服の方針に沿って、発展途上国の自主的計画を尊重する方向に変わってきたことは、注目に値すると指摘しました。
しかし最近、アメリカは、2005年5月に退任するウォルフェンソン世銀総裁の後任に、ウォルフォウィッツ米国防副長官を擁立しています。これにたいして、日本政府は早々と支持する立場を明らかにしています。
ウォルフォウィッツ米国防副長官は、新保守主義派(ネオコン)の代表格でイラク戦争を主導したといわれています。
この人物については、ヨーロッパや途上国から強い反発を招くおそれがあります。
私は、総裁が交代しても「画一的な政策を押しつける構造調整融資からの脱却の流れを止めてはいけない」「返済困難な貧困国へのグラント(無償資金)供与は重要だ」とのべました。
これにたいして谷垣財務大臣は、「途上国の自主性を重んじ、長期の発展を支援する」と答えました。