奮戦記
【05.03.01】銀行の不始末のツケを郵便貯金の利用者に回すのか
昨日の財務金融委員会で、私が質問したことは以下の通りです。
金融機関が破たんした際に預金者を保護するため、銀行業界が保険料を払って共同で積み上げている積立金を、責任準備金といいます。
その責任準備金の残高は、欠損が約3兆5000億円です。つまり穴があいているのです。
現在、郵便貯金は、預金保険料を払っていません。しかし、郵政が民営化されたら、預金保険料を払うことになるのです。
いくら払うことになるのでしょうか。
全国銀行協会の試算では、2002年度2010億円、2003年度1944億円となっています。
銀行は自ら預金保険料を支払っているから、計算に間違いはないと思います。
一方、郵政民営化準備室自身が計算したものがあります。
民営化される2007年で618億円ですが、その後どんどん増えて2015年は1099億円、2016年度は1135億円の預金保険料を支払うとしています。
この民営化準備室の試算は、民営化時点で既存の定額貯金が切り離されることを想定しています。
そのため、当初の金額が低くなっているのですが、その後、新たな定額貯金の預け入れがすすむことを想定しており、回復して現在の残高になれば、計算上は2000億円程度の保険料を支払うことになります。
そこで問題なのは、預金保険の責任準備金が巨額の欠損を出したのはなぜか、ということです。
もともと、この巨額の欠損金は破綻した銀行の後始末などのために生じたものです。 欠損金の処理は、全額銀行業界が責任を負わなければならない問題なのです。
その欠損金には、郵便局の利用者にまったく責任はありません。
ところが、民営化準備室の試算によれば、10年間で9093億円、約1兆円ものお金を出して、その欠損金を穴埋するのです。
郵便貯金の保険料で、銀行の不始末の尻拭いがおこなわれるのです。
責任のない貯金者が、なぜ、銀行業界のツケを払わなければならないのでしょうか。
――こんな郵政民営化は、きっぱりとやめるべきです。