奮戦記
【05.02.24】予算委で公述人が「外国軍はイラクから出よ」と主張
今日も、予算委員会で識者の意見を聴く公聴会が前日に引き続いて開かれ、4人の公述人が発言しました。
私が注目したのは、日本貿易振興機構・アジア経済研究所参事の酒井啓子さんの発言です。
酒井さんは、イラクの現状について発言し、軍や企業を問わず、外国の機関はイラクから出るべきだと主張しました。
酒井さんは、1月末のイラク暫定議会選挙の結果は、シーア派の勝利と言われているが、「正確にはイスラム教・宗教政党が議席で過半数を獲得したこと」が特徴であると指摘しました。
そして、これら第一勢力となったイスラム勢力が、第2勢力となったクルド住民系の政党とともに、憲法制定を含めた政治的プロセスの遂行や治安分野で調整するのは「難しい」との考えを示しました。
聴いていて、なかなか鮮やかな政治的構造の分析が披露され大変参考になりました。
酒井さんは「軍、企業を問わず外国の機関はイラク国内で活動するのでなく、国内の組織を活用し復興すること」が「いまのイラクにおいて最も有力な貢献になる」とのべ、米軍主導の多国籍軍による占領だけでなく自衛隊のイラク派遣についても否定的な見解を示しました。
私は、「昨年の米軍によるファルージャ総攻撃が今後のイラクに与える影響はどうか」とききました。
これにたいしては「武装テログループが根絶されるというより、北部のモスルなどに活動拠点を移している。各地に不安定要因を拡散させている」と述べました。