今日は、２日目の衆議院予算委員会です。私は、日歯連事件について、小泉総理に質問しました。

　橋本元首相が、日本歯科医師連盟から１億円ものヤミ献金を受け取っていた事件について、小泉総理は「党の問題ではない」と言いました。

　しかし、自民党の総裁をつとめたり幹事長をやったことのある人物が、直接かかわっていたのであり、党のなかで発生した事件です。

　自民党総裁としてこの事件を調査し、事実関係を国民の明らかにするのは当然です。

　また、起訴された村岡兼造元幹事長は、「証人喚問や参考人招致が決まれば、そこに出て、言い分を聞いていただき、解明をしていただきたい」と述べ、国会から要請があれば証言に応じる意向を明らかにしています。喚問は当然のことです。

　同時に、小切手を受け取った現場にいた橋本龍太郎、青木幹雄、野中広務の３名、送った側の日歯連の臼田貞夫、内田裕丈、さらに逮捕された平成研究会会計責任者の滝川容疑者、１億円の処理の仕方について相談を受けた自民党の元宿仁事務局長も、証人として喚問すべきです。

　私は、１億円ヤミ献金事件を糾明するため、当面、これら８名の証人喚問を検討すべきであると提案しました。
　予算委員長は、「理事会で協議する」と述べました。

　「迂回献金」疑惑について、小泉総理は、本会議でわが党の志位委員長の質問に対し「迂回献金はあってはならないもの」と答えました。
　しかし、昨日「党としてはその事実はなかったと報告を受けている」と答えています。ほんとうに「ない」と言えるのでしょうか。

　私は、具体的な事実を指摘しました。
　たとえば、石原伸晃前国土交通大臣のばあい、以下のような資金の流れがあります。
　◇　平成１２年の７月１１日に、日歯連から国民政治協会に１０００万円、それが自民党本部を経由して７月３１日に石原前大臣の支部に１０００万円が入っている。
　◇　平成１３年の６月２１日に、日歯連から国民政治協会に１０００万円、それが自民党本部を経由して６月２９日に石原前大臣の支部に１０００万円が入っている。
　◇　同年の１１月１４日に、日歯連から国民政治協会に１０００万円、それが自民党本部を経由して１１月２９日に石原前大臣の支部に１０００万円が入っている。　
　◇平成１４年の５月１４日に、日歯連から国民政治協会に１０００万円、それが自民党本部を経由して５月３１日に石原前大臣の支部に１０００万円が入っている。

　これらあわせて４０００万円。これは、迂回献金の疑いがきわめて濃厚な資金の流れです。

　しかも、この一番最初の平成１２年の７月１１日の１０００万円の領収書には、薄っすらと「石原伸晃」と読める手書きの文字が書かれているのです。
＜右写真＝麻生総務大臣＞

　また、書き込まれている文字は、それだけではありません。平成１３年６月２９日の５００万円の領収書の欄外には、はっきりと「古賀」と書かれています。

　私は、さらに、国民政治協会が日歯連に出した領収書の右上に番号がついている領収書２枚を配布しました。

　ひとつは、領収書（No.11737）の欄外に４つの番号（759,760,761,762）がついている平成１３年１１月２０日付けのもの。
＜右写真＝南野法務大臣＞

　もうひとつは、領収書（No.11887）の欄外に３つの番号（811,815,816）がついている１３年１２月２５日付けのもの。

　この番号は、日歯連側がつけたものと想定されます。
　――ひとつは４人の議員、もうひとつは３人の議員に渡ったことを示しています。
　番号のついている領収書は、確認できるものだけでも平成１３年４月１６日から１４年１２月２６日までのあいだに全部で２８枚で、３３個の番号がついています。

　日歯連側は、これらを別の帳簿（ウラ帳簿）で一括管理していたのです。
　私たちが調べただけでも、「指定献金」「迂回献金」の疑いのあるものは、これだけあります。
　小泉総理は「党にきちんと処理するよう指示している。調査の段階を見て発表する」と言いました。私は、これらの疑惑を含めて調査するかと聞きました。
　これにたいして、総理は「予算委員会の質疑の内容を受けて、幹事長に調査するよう指示している」と答えました。

　そもそも、企業・団体からの献金そのものが、何らかの見返りを求めておこなわれるものであり、それ自体ワイロ性を帯びています。

　このさい、政党助成金も企業団体献金も、全面的に禁止し、献金は個人の浄財に限る原則を確立すべきです。