奮戦記
【04.04.17】2人の人質もバクダッドで解放――無事でよかった!
イラクで行方不明となっていたフリーライターの安田純平さんと、NGOメンバーの渡辺修孝さんの2人が、今日夕方(日本時間)、バグダッドで解放され、日本大使館に無事保護されました。
これで、15日に解放された日本人人質事件の3人とあわせ、イラクでの邦人人質・拉致事件は解決しました。
ほんとうに、ほっとしました。
事件の解決にあたって、イスラム教スンニ派の宗教指導者で組織する「イラク・イスラム聖職者協会」が再び大きな役割を果たしました。
人質事件を起こした武装勢力に対し、穏健な立場から「イスラムの教えに反する」と粘り強く説得を続けたことは注目に値します。心から感謝するものです。
いまこそ、勇断をもって自衛隊の撤退を!
4月に入って、すでに90人近い米兵が死亡しています。そのため、米英中心の占領軍に参加している複数の国が撤退を表明しています。
イラク全土は、まさに戦闘状態です。
日本国際ボランティアセンター(JVC)も、バグダッドの日本人スタッフをヨルダンに一時退避させる方針を決めました。
いまでは、民間団体による人道援助さえできない状態になっています。報道機関も相次いで退避しています。
国連は「大規模な国連チームを派遣することはできない」とのべました。国際赤十字も昨年10月に活動停止に陥ったまま、いまだ再開できていません。
米軍によるファルージャでの無差別殺りく行為がイラク国民の怒りをひろげ「全土が戦闘状態」になるほどの危険な事態をつくったことが根本的な原因です。
それでも政府は、自衛隊は「イラク人のために活動している」から「撤退する理由がない」(福田康夫官房長官)と言い張っています。
いかし、民間人に「撤退勧告」を出したように、政府自身がイラクは「危険」と認定しているのです。
その危険なイラクで、自衛隊がこのまま米占領軍への協力者として駐留しつづけたらどうなるか。いまこそ、よく考えなければなりません。
イラク特措法では、自衛隊の活動は「非戦闘地域」に限定され、かつ安全に配慮するとしています。
イラクの劇的な情勢悪化で、イラク特措法に照らしても、派兵をつづける根拠は崩れています。
自衛隊がイラク国民に銃口を向けたり、命の危険にさらされるような事態をまねいてはなりません。――そうなる前に、自衛隊を撤退させるべきです。