奮戦記
【04.03.10】ビラをまいただけで逮捕・起訴されたら暗黒社会だ!
日曜日に、ビラをまいただけで逮捕される。……こんなことがまかり通ったら、大変な社会になってしまいます。しかし、現実にそんなことが起こっているのです。
社会保険庁に勤めているある男性が、昨年の総選挙のときに、居住地で日曜・休日に一市民としてビラ(「しんぶん赤旗」号外)を配りました。
ところが、それを理由に、国家公務員法違反の容疑で、4ヶ月もたった最近になって警察に逮捕され起訴されたのです。これは、ほんとうに異常です。
もともと国家公務員法は、公務員の政治活動の自由を、人事院規則で制限する仕組みになっています。
この法律は、戦後、占領軍が全権を握っていた時代に、公務員の政治的権利を不当にはく奪するなかで強引につくられた違憲性の強いものです。
今度の事件は、その国家公務員法をもってしても、弾圧の理由にできないものです。
警察側は、国家公務員法の102条と人事院規則違反をあげていますが、この条文は憲法との関係があるので、政府のこれまでの運用指針でも、状況に応じて具体的に判断して対応すべきだということになっていました。
そのため、これまでは、ビラの配布を「違反」という扱いにしてこなかったのです。
それなのに、突然逮捕し自宅や日本共産党の千代田地区委員会の大規模な捜索をやって、重大な犯罪人のように扱うなんて、絶対に許されるのもではありません。
市民がビラをまいただけで逮捕されて、捜索されることがまかりとおったら、日本は暗黒社会に逆戻りしてしまいます。
だいたい、自民党こそ、省庁ぐるみ選挙を平気でやっているのです。
昨日の予算委員会で、日本共産党の小池参議院議員は、6月の参院比例代表選挙で自民党から立候補を予定している官僚OBが、6省庁13人にのぼると指摘しました。
しかも、昨年12月に麻生太郎総務相が、立候補を予定している総務省OBの資金集めパーティーで「総務省あげて当選させるべく全力をあげてがんばります」とあいさつまでしているのです。
それを野放しにしておいて、一市民としての自由な政治活動を弾圧するというのは、どう考えても、政治的な意図をもったやり方です。
「朝日新聞」の早野透さんは、CS放送「朝日ニュースター」で「私たちは市民的な自由という観点から、政治活動の自由や思想信条の自由が脅かされるというのは何より大変なことだと思います」と語っています。