奮戦記
【03.08.09】最近の「マニフェスト」論議について考える
いつまでガマンしたら経済と暮らしは良くなるのか。政治とカネをめぐる不祥事は、なぜあとをたたないのか。なぜ憲法を踏みにじりイラクに自衛隊を派兵するのか、などなど、――政治にたいする不信感が大きくひろがっています。
そのため、政党にたいして、国民の切実な要望に応えた公約をしめし誠実に実行してもらいたい。――こういう声が強まるのは当然です。最近、「マニフェスト」という言葉がはやっているのも、このような背景があるように思います。
たしかに公約は抽象的なものでなく、できるだけ具体的なものでなければなりません。私たちは、そのための努力を積み重ねてきました。
福祉の分野でも、農業の分野でも、可能な限り具体的な数値目標をしめし財源も明らかにしてきました。「財政再建10カ年計画」や「日本経済への提言」「新日本経済への提言」を発表し、5年〜10年を展望した総合的で具体的な対策も示してきました。
しかし大事なことは、自民党政治のどこをどう変えるのかを明確にすることです。これまで野党の一部にあったように、自民党政治の延長線上でスピードを競うようなやりかたではダメ。自民党政治に替わる別の選択肢を鮮明に示さなければなりません。
特に重大なのは、選挙での公約とまったく違うことを平気でやっている政治家や政党がしばしば見られることです。これでは「マニフェスト」どころではありません。約束を破るようでは「マニフェスト」をつくっても、また裏切ることになるからです。
たとえば、消費税の増税に反対だと言ってきたのに、当選したら賛成にまわる。医療費は上げないといってきたのに、引き上げに賛成するというのがこれまでの実例です。今度のいっせい地方選挙では、生命保険の予定利率引き下げを隠しておいて、選挙が終わったら突然出してくるというひどいやり方もありました。
たしかに国民に約束した政策を、力関係で実現できないことはしばしばあります。しかし、約束したことと、まったく違うことをやるのは問題外です。こんなことをやった政党が、いくら「マニフェスト」などと言っても、信じられるものではありません。
いまやるべき緊急課題は、たとえばイラクへの自衛隊派兵をやめて国連中心の人道支援をおこなうこと、医療費負担を2割に戻すなど4兆円負担増を中止すること、中小企業を支援する政策に転換すること、大型公共事業のムダにメスを入れること、大企業に雇用責任を果たさせること。……このような政策ではないでしょうか。
台風とともに函館へ
今日から夏休みです。台風とともに函館にやってきました。
飛行機は、飛ぶには飛びましたが1時間以上も遅れ、揺れました。
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