奮戦記
【03.01.14】小泉首相の靖国参拝に強く抗議します
小泉首相は、今日午後2時、靖国神社に参拝しました。――性懲りもなくまたやったか、というのが実感ですね。
小泉首相の靖国参拝は就任以来、一昨年の8月13日、昨年の4月21日に続いて3度目です。小泉首相は2月に韓国、5月の連休に中国への訪問を計画しています。そのため、今年は参拝時期を前倒ししたといわれています。
しかし、それはまったくのごまかしです。
もともと靖国神社は、戦前、天皇のための戦死を国民に強要した侵略戦争推進の精神的支柱だったのです。
「天皇のための名誉の戦死」をした人々を「英霊」としてまつるという、侵略戦争と軍国主義を推進する精神的シンボルでした。これはまぎれもない歴史の事実です。
一宗教法人となったいまも、靖国神社は先の戦争を正しい戦争だったとする立場から、侵略戦争を起こした東条英機元首相らA級戦犯をまつっています。
だから、この“戦争神社”への小泉首相の参拝自体が、侵略戦争を肯定する立場を内外に表明したことになるのです。
侵略戦争で肉親を奪われ、政府の誤りをくり返させないと誓った日本国民も、また日本の侵略戦争や植民地支配で塗炭の苦しみをなめたアジア諸国民も、首相の靖国参拝計画をきびしく批判してきたのは当然のことだったのです。
じっさい、中国の楊文昌・外務次官は今日、在中国日本大使を中国外務省に呼んで、小泉首相の靖国神社参拝に抗議し「強い不満と憤り」を表明したそうです。
楊次官は、参拝を「誤った行動」だとのべ「中国およびアジアの人民の感情を著しく傷つけ、中日関係の政治的基礎を揺るがした。侵略の歴史を正視し、反省するとの日本政府の約束にも背くものだ」と述べました。
また、韓国外交通商省スポークスマンも、小泉首相の靖国神社参拝について声明を発表し、「深い遺憾」を表明しています。「日本政府の最高責任者が、過去の軍国主義の象徴である靖国神社を再び参拝したことに怒りと大きな失望を感じる」とし、韓国民の感情をこれ以上傷つけないよう、小泉首相と日本政府の「良識ある決断」を求めるとしています。
靖国神社はいまでも、旧陸軍を創設した人物の巨大な像がたち、特攻兵器だった「回天」など戦争で使われた数々の兵器が展示され、「軍人勅諭」の碑がたち、強制労働でつくった泰緬(たいめん)鉄道の機関車が展示されています。
ですから、神社そのものが侵略戦争肯定の立場にたっているということは、はっきりしています。
小泉首相の参拝は、アジア諸国と日本との友好にもはかりしれない衝撃をあたえるものであり、日本の平和と民主主義、日本とアジア諸国との関係にとって、たいへん危険なことです。
日本共産党は創立80年になりますが、私たちの先輩たちはどんな弾圧をもおそれず侵略戦争に身をもって反対を貫きました。
その伝統を受けついでいる反戦平和の党の一員として、私は「大東亜戦争」肯定論の立場に立つさまざまな危険な動きにたいして、きっぱり反対していく決意です。
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