奮戦記
【02.01.02】2002年の経済と暮らしを展望して
今年の暮らしは、どうなるでしょうか……。
<街角にはサラ金の看板が氾濫している>
1月1日のある新聞に、50代男性の次のような投書が載りました。
「あまりにも不景気で、ある中小企業の社長はめったに着ない紺色のスーツで身を包み、真っ青な顔で資金繰りに走った。真っ赤な血尿が出るほど働けど黒字にならず、最終的には一昨年、社員をリストラするはめになった。それどころか、わずかな仕事にもグレーの作業服を油まみれにして働いたが、昨年春には倒産に追いやられ、彼は頭の中が真っ白になり、赤、白、黄色の美しい花が咲く花壇つきの家まで競売された。暗闇に紛れて夜逃げしてしまった。
実際に20年余り付き合っていた友人の最終的な姿である。その後、まったく連絡がないため、現在どこで何をしているのか、心配だ。彼が笑いながら、せめて青空の下で引っ越したかったよと、最後に電話をくれた日が忘れられない」……。
昨年末には、倒産も失業率も最悪となりました。多重債務や自己破産も激増し、自殺者も増えています。ほんとうに、殺伐とした世の中になっています。
ところが小泉総理はどうでしょう。
失業者が増えても「構造改革が進んでいるあらわれだ」、大型倒産があっても「構造改革が順調に進んでいる」というばかり。
竹中経済財政相にいたっては、「失業で自殺する人はいない」と言い出す始末です。自殺者のなかで「経済的理由」がどんなに増えているか、明らかではありませんか。
あまりにもひどい姿勢に、森善朗前首相でさえ「冷酷な政治」(12月17日)といわざるをえないのです。いまの政治は、完全に逆立ちしていると言わなければなりません。
「新聞」には、こんな中小企業家の談話も載っていました。
「『痛み』を被るのは零細企業ばかり。清水次郎長や国定忠治がなぜ侠客(きょうかく)と呼ばれるのか。強きをくじき弱きを助けるからだ。政府は銀行や大手ゼネコンにばかり大盤振る舞い。これじゃやくざ以下だよ。もっと平等にしてもらわないと。
バブル時代、『金を借りて』と頭を下げた銀行がいまは貸し渋る。景気が悪いのは金が流通しないから。
今ある零細企業をいかにつぶさないかが大事。2002年は失業も倒産ももっと増えるだろう。そうなれば強盗とか凶悪犯罪が増える。それを防ぐには懐(ふところ)を暖かくしてやるしかない」。
───まったくそのとおりです。
<小泉人気はいつまでもつづかない。「政治満足度」は急降下(「しんぶん赤旗」1月1日付)>

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