奮戦記
【01.09.26】ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏
フィンランドから帰ったばかりのI秘書の紹介で、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏(指揮・レイフ・セゲルスタム)を聴く機会を得ました。<写真は公演のチラシから>
さすが「シベリウスが活躍した北欧最古の正統派オーケストラ」と言われるだけあって、厳しい環境のなかで培われた内面の高まりが、しっかり伝わってくる演奏でした。「フィンランディア」の迫力は、胸にせまるものがありました。なかでも、「バイオリン・コンチェルト」のミリヤム・コンツェンのバイオリンは、最高でした。絹糸のように繊細でありながら大胆かつ重厚とでも表現したらいいのでしょうか。
私は、シベリウスのバイオリン・コンチェルトを聴くたびに、厳寒の地で地響きをともないながらゴーゴーと荒れ狂う“猛吹雪”の「景色」が胸のなかに広がってきます。この曲には、吹雪に抗して毅然と前に進む“激しい気性”があらわれていると思います。──これは、多喜二の「東倶知安行」の開拓精神と同じではないか、猛吹雪のなかを馬そりで道なき道をつきすすんでいくあの遊説隊の姿と同じではないか、……などと私は思うのです。