奮戦記
【01.09.09】大企業の大量人減らし計画
大企業の人減らしリストラを許さない
失業率5%という空前の雇用不安が広がっているため、愛知県と三重県の電機産業に実態調査に入りました。話を聞いたのは、東芝、日立など大企業の従業員、それにハローワーク(公共職業安定所)の職員です。
派遣やパートで倍になる
日立製作所では、派遣労働者がどんどん増えているそうです。───ある職場では、「2500人の労働者のうち正規従業員は1000人程度しかいない」そうです。それほど削減されているというのです。あとは、別会社と派遣会社の労働者です。「リストラで1万4000人減らす計画というが、派遣・パートなども入れると削減の対象は倍ぐらいあるのではないか」。
1000人のうち70人しか正規従業員のいない職場もある
東芝でも同じやり方をしています。ある工場では、1000人の労働者がいる職場で、東芝席のあるのは、わずか70人だというのです。これには驚きました。どんどん別会社にして東芝以外の会社から派遣された労働者として働いているのです。それも、まったく同じ職場で同じ仕事をしているのです。
別会社化によって労働条件は、大幅にダウンします。年齢によっても違いますが、賃金は2割カット、3割カットだというのです。
ものづくりの基盤が崩壊する
人減らしのやり方も巧妙です。「定年退職などの自然減で減らす。生首は飛ばさない」というのだけれども、職場の平均年齢はどんどん高齢化しているそうです。「こうなると、技術の継承もできない。これでは、日本社会のものづくりの基盤が崩壊する」と、話していました。
「職種のミスマッチ」ではない。「年齢のミスマッチ」こそ問題だ
職安の職員はこう言いました。───「政府は、求人と求職のミスマッチが失業増加の原因というが、職種のミスマッチが問題なのではない。それよりも年齢差別の方が問題だ。採用するときに“35歳まで”とか“40歳まで”という制限があるので、中高年の失業者は、極端に就職先がない」。
中高年の労働者の職場を保障するためには、この年齢制限こそ是正すべきではないでしょうか。