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「ムネオ・ハウス」予定価格に事前流出の疑惑=鈴木事務所の会合を木島日出夫議員が暴露

2002年2月21日・衆院予算委員会

 「ムネオ・ハウス」(国後島の緊急避難所兼宿泊施設)の入札予定価格を知り得る立場の大手コンサルタント会社と、受注企業の社長が、入札公告前に自民党の鈴木宗男衆院議員の地元事務所(北海道釧路市)で鈴木氏秘書立ち合いのもとに会っていた----。日本共産党の木島日出夫議員は21日の衆院予算委員会で、外務省の関連団体の内部資料を示し、こうした重大な事実を明らかにしました。

 日本共産党の佐々木憲昭議員が20日の同委員会で、「ムネオ・ハウス」の入札(1999年7月)に鈴木氏が介入し、地元・根室管内の企業が受注できるようにした事実を明らかにしています。木島氏の追及でさらに、同企業が確実に落札できるようにしていた疑惑が浮かび上がりました。

 木島氏が示したのは、外務省の関連団体で、「北方四島支援事業」を担当する「支援委員会」事務局の文書。同委員会と「ムネオ・ハウス」の設計などを請け負ったコンサルタント会社、日本工営との「面談メモ」(1999年11月2日付)で、「秘 無期限」とあります。

 同メモによると、入札の公告が地元紙に掲載される10日前の1999年6月3日、コンサルタント会社の建築士が釧路にある鈴木氏の事務所を訪問。そこで鈴木氏の秘書から、後に建設を受注することになる渡辺建設工業と犬飼工務店の両社長を紹介されました。

 さらに、木島氏は、「面談メモ」作成の約2カ月後、コンサルタント会社社長が支援委員会事務局長にあてて「工事入札以前に関連情報を外部に漏らしたことに関し深くおわび申し上げます」と謝罪している“わび状”(1999年12月28日付)を提示。「明らかに入札前から、見積もり単価が受注企業に流されていたということではないか」と指摘しました。川口順子外相は「事実なら言語道断なこと」とのべました。

 木島氏はまた、渡辺建設工業が鈴木氏に対し、工事を受注した1999年に250万円、前年(1998年)に150万円の政治献金をしており、1997年の50万円とくらべて3倍〜5倍に増えていると指摘。政治資金規正法で届け出された献金であっても、対価関係があれば、賄賂(わいろ)として汚職事件になるのではないかとただしました。

 法務省の古田佑紀刑事局長は、具体的な事例については答弁をひかえるとしつつ、賄賂にあたるかどうかについては「一般論として、職務との関連があるかという事実による。政治資金規制法上の届け出の有無とはかかわらない」とのべ、政治資金収支報告を届けてあるからといって「賄賂」でないとはならない、との認識を示しました。

 また、木島氏が「文書に書かれていることが事実とすれば、公正入札妨害罪にあたるのではないか」とただしたのに対し、森山真弓法相は「犯罪にあたるかどうかは、さらに調査していくことが必要だ」とのべました。

 木島氏は、鈴木氏や同秘書らの証人喚問と、外務省や関連団体の文書の同委員会への提出を求めました。

(「しんぶん赤旗」2002年2月22日付より)

参考リンク木島日出夫議員が予算委員会で示した2つの外務省内部文書

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