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金融(銀行・保険・証券) (中小企業融資, 政府系金融機関)

2006年04月13日 第164回 通常国会 行政改革特別委員会≪政策金融集中質疑≫ 【348】 - 質問

政府系金融機関「統廃合は中小業者の期待に逆行する」 佐々木議員批判

 2006年4月13日、行政改革特別委員会で、佐々木憲昭議員は政府系金融機関の統廃合について質問しました。
 提案されている「行革推進」法案は、中小企業向け金融のうち商工組合中央金庫を民営化し、国民生活金融公庫と中小企業金融公庫は、他の金融機関と統合するものです。
 中小企業の数は、この4年間で12%も減少しています。
 佐々木議員は、中小企業支援はいっそう重要になっており、融資を受ける中小企業の要望に耳を傾けることが大事だと強調しました。
 これに対して、小泉首相は、「事業をしている人の意見を聞き、その環境を整えることが必要だ」と答弁しました。
 この10年間、民間銀行が中小企業への貸し出しを90兆円も減らす一方、中小企業向けの3つの政府系金融機関が下支えをしてきました。
 しかし、法案は統合した政府系金融機関が、融資を「縮小」することを盛り込んでいます。
 佐々木議員は、民間銀行が融資しない中小企業にたいして「3つの政府系金融機関がそれぞれ特色ある融資をしてきたが、その機能が発揮されるのか」とききました。
 中馬行革担当大臣は、「おっしゃるとおり、発揮される」と答弁しました。
 そして、中小企業向け融資額についても、中馬大臣は「政府に頼らざるをえない方々の融資はしっかりやっていく」「場合によっては増やすこともある」と述べました。
 佐々木議員は、政府系金融機関の統廃合の背景には、「民業圧迫だ」などとのべている大手銀行の意向があることを指摘しました。
 大手銀行は、自分たちがもうけをあげるために、政府系金融機関などいらないと勝手なことを言っています。
 佐々木議員は、中小企業が減っているいまこそ、国をあげて中小企業への支援策が必要だと強調しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、中小企業関連の政策金融についてお聞きをしたいと思います。
 その前提として、二階大臣にお伺いしますが、3月に中小企業実態基本調査の速報が発表されたと聞いておりますが、この4年間で中小企業の企業の数はどう変化したか、また、製造業と小売業の個人企業の場合はそれぞれどうなっているか、確認をしたいと思います。
○二階経済産業大臣 お答えをいたします。
 中小企業の数は、2001年当時は約470万社でありますが、2004年の時点では、これが約430万社となっております。その中で、製造業の個人企業は2001年から2004年の間に25.8万社から22.2万社に、小売業の個人企業は75.4万社から64.1万社というふうになっております。
 この原因を考えてみますと、開業率もふえてまいりましたが、それを上回る比率で廃業が進んでおるということが挙げられると思います。この最も大きな原因は、個人事業主が高齢化し、引退の時期を迎えているということが最も多いと考えております。
○佐々木(憲)委員 今挙げていただきましたが、これは比率にいたしますとかなり大きな低下なんです。中小企業全体では11.7%、これは4年間であります。製造業の個人企業ですと19.5、小売業の個人企業ですと20.0%。
 ですから、総理にお伺いしますが、中小企業というのは雇用全体で7割、4200万人が雇用されております。一割減ると、それだけでもう四百万人の雇用機会が奪われるということでありまして、4年で12%減ったというふうになりますと大変な減少率です。
 この数字について、これは大変ゆゆしき事態だと私は思いますが、総理はどのようにお感じでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 全体で見ますと、失業率も改善しております。そして、今二階大臣が答弁されたように、廃業もありますが同時に新しい会社を立ち上げようという方もふえておりまして、特に、今まで1000万円以上ないと株式会社が設立できない、あるいは300万円以上ないと有限会社が立ち上げられないという人に対して、1円以上あれば会社をつくって結構です、会社ができますよという新しい制度を導入したところ、既に3万件以上の会社が設立されて、やる気のある人はやはりいるんだなと。そういうことがやはり失業率の改善、有効求人倍率の改善につながっているんじゃないでしょうか。
 だから、全体を見れば、やはり景気回復軌道に現在の経済状況は乗ってきましたし、やる気のある企業も、中小企業もかなり出てきているんじゃないかなと私は認識しております。
○佐々木(憲)委員 やる気のある企業はもちろんあるでしょうが、廃業の方が、今二階大臣がおっしゃいましたように、新しくつくるよりも減る数の方が多いんですよ、全体としては。中にはいろいろな企業があると思いますが、総体として中小企業の数がどんどん減っているんです。景気が回復してもこれは減っているんです。そこに大きな問題がある。
 私は、この中小企業を支援するという点で国の役割というのは非常に重要になっているというふうに思います。とりわけ、新しい事業を起こす、創業を支えるというのが大変大切だと思うんですが、その際、融資を受ける側、中小企業の要望というのをやはりきちっと聞く必要があると思うんですね。十分それを踏まえて親切に対応する、その姿勢が中小企業をふやし、日本経済を活性化する大変大事なかぎになるというふうに思うんですが、総理はどうお考えでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 事業をやっている方々の意見というものをよく聞いて、必要な資金は提供して、大いに活躍していただきたい、その環境を整えることは重要だと認識しております。
○佐々木(憲)委員 その点で、政府系金融機関の果たしてきた役割というのは大変大きなものがあると私は思うんです。
 お配りした資料を見ていただきたいんですが、この1枚目ですけれども、民間銀行の中小企業向け貸出残高というのはこの10年間でかなり減っているわけです。90兆円、激減であります。しかし、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、この政府系三機関というのが、下支えをずっとやってきている。
 きょうはそれぞれの総裁に来ていただいておりますが、民間金融機関が貸し渋り、貸しはがしというようなことがこの間ありました。そういうときも中小企業業者に対して大切な融資を行ってきたと思うんです。きょうはそれぞれ三名の方に、その役割というものが今後とも必要だと私は思うんですが、どのようにお考えか、それぞれお答えいただきたい。時間がないので一言ずつで、申しわけないんですが、お願いいたします。
○薄井政府参考人(国民生活金融公庫総裁) 国民生活金融公庫は、これまでも、民間金融機関から融資を受けることが困難な小企業等に対しまして小口資金を安定的に供給してまいりました。これからもこの機能は大切と考えております。
 なお、今回御審議中の法案におきましても、国民生活金融公庫の業務は新政策金融機関に継承されると書かれておりまして、新体制下におきましても、政策金融として必要であり、残すべきものとされたと受けとめております。
○水口政府参考人(中小企業金融公庫総裁) 数多くのことがございますけれども、一つだけ申し上げますと、平成16年7月に新しい業務を開始するということで、融資、証券化、それから信用保険と始めたわけでございますが、そのときに、新しい段階で、量から質へということで私が定めた経営理念、これだけ読み上げさせていただきます。
 中小企業金融公庫は、政策金融機関として、我が国経済の活力の源泉であり、地域経済を支える中小企業者に対し、民間金融機関、地域の諸機関と連携し、多様な手法により事業資金の円滑な供給を行うとともに、コンサルティング機能を発揮することにより、その成長発展を支援することを使命とする。
 この方針によって着々と現在行っております。
 以上でございます。
○江崎参考人(商工組合中央金庫理事長) 中小企業は総じて自己資本が少のうございまして、どうしても借り入れに頼らざるを得ないという状況でございますが、景気状況あるいは金融情勢によりまして民間の金融機関の態度というのは変わります。それから、中小企業自身の経営状況も絶えず変わるわけでございまして、そういう中で、民間金融機関だけでは十分な資金源の借り入れができないというのが中小企業の現状だと思いますが、私どもは中小企業専門の金融機関といたしまして、安定的、長期的な観点から中小企業に資金供給してまいりました。
 こうした機能というのは、これからの日本の中小企業の重要性とかあるいは地域活性化の重要性を考えますと、やはり必要な機能だというふうに思っておりまして、こうした機能はぜひ残していただきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 私が利用者から聞いたところによりましても、政府系金融機関から融資を受けているということで、これは信用を増して、民間の銀行が安心して貸すことができる、こういう状況があるというのが実態でございます。したがって、民業補完という役割、これは非常によく果たしていると思うんですね。よく政策金融というのは民業圧迫じゃないかと言われますが、実は逆ではないかというふうに思うんです。
 そこで、具体的に聞きますけれども、国民生活金融公庫の薄井総裁、例えば新しい会社を起こすときには民間銀行から借りるというのはなかなか難しい、そういう比率は低いと思うんです。しかし、その後は民間銀行からの借入比率は上昇していくと思うんですが、この辺は統計的な実態も含めて紹介をしていただきたいと思います。
○薄井政府参考人(国民生活金融公庫総裁) おっしゃるように、一般的に小企業自体が担保力が低いとか、あるいは小口で採算に合わないといったようなことから、民間金融機関から借り入れを受けにくいわけですけれども、新規開業ですと、それに加えて経営実績がないということで、なかなか借りられないというのが実態だと思います。
 ただ、私どもの経験からしますと、新規開業企業に私どもが融資をいたしますと、それによって企業はスタートします。そして、1年たち、2年たち、財務諸表も整ってきますと、信用も高まり、次第に民間金融機関からの借り入れができるようになっているということが言えます。
 今データというお話ですが、私どもいわゆるパネル調査というのをやっております。これは、新規開業した企業について追跡調査をするわけですけれども、これによりますと、例えば、開業時に民間金融機関からの融資の比率が14.7%しかなかったものが、3年後には、民間からも借りられるようになって、4割以上、42、3%の企業が民間からも借り入れられるようになっているというデータがあります。
 ただ、これは国民生活金融公庫から融資を受けている方のデータでありますので、その限定のもとにそういうことが言えるということです。
○佐々木(憲)委員 これは数字的にも大変興味深い数字でございまして、最初に企業を立ち上げるときは、民間の融資は14%程度なんですね。それが、国民生活金融公庫から借りているということで、安心して民間金融機関が貸すことができる、それで4割以上になる、民間の比率が。これが実態を大変よくあらわしていると思うんです。
 そこで、経済財政諮問会議が、昨年10月、関係者からヒアリングを行っていると思うんですね。配付した資料を見ていただきたいんですが、2枚目。これは、政府系金融機関の見直しに対する要望という、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会、連名で出している要望書です。
 そこで、その右下の方にこういうことが書かれているんですね。「政府系中小三金融機関はそれぞれ組織形態やユーザーの違いにより、その機能も異なっており、これらの機能を統合してしまえば、各機関の有する特性が打ち消されることになりかねない。例えば、各機関がそれぞれの分野で培ってきた「目利き」のようなノウハウが薄れ、審査判断の拠り所が専ら定量的・数値的データとなってしまったり、中小企業に対する非価格サービスや育成・指導力などの機能が低下する可能性がある。」「政府系金融機関の見直しによってこのような事態になることは、厳にあってはならない」、利用されている方々がこういう要望を出しているわけです。
 それから、資料3を見ていただければ、これは商工会議所が実施したアンケートの結果が出ているわけです。民間金融機関と比較した三つの政府系金融機関の機能についてこう書いているんですね。取引姿勢が安定している、必要なときに資金が借りられる、担保、保証人の要求が柔軟である、固定金利となっている、対応が迅速だ、こういうことで、それぞれの三つの金融機関を残してもらいたいという要望を出しているわけです。統合すると特色が失われる、薄まってしまう、こういう声が67%で約7割。それは、資料4、資料5でも、商工会連合会、中小企業団体中央会のアンケートでも結果は同じです。利用者側の圧倒的多数の意見はこうなっているんですね。
 中馬大臣、現在の中小企業向け金融政策を残してほしいというのがこれらを利用されている方々の圧倒的多数の意見です。そういうふうになっていますよね。
○中馬行政改革担当大臣 アンケートは、それなりの、これまでの経緯を含めて、御回答になった方々の集計だと思います。
 しかし、私たちがこうしてねらっておりますのは、やはり、それを統合することによって政府の関与もなくなってまいりますし、また逆に、一つの統合した中での相互ノウハウといいましょうか、こうした1足す1が2にも3にも機能としても膨れてくるわけでございまして、そうしたことがそれぞれの借り手の方々に対しましての大きなメリットになってくる、私はこのように考えております。
○佐々木(憲)委員 統合して大きくなればそれでいいというものではないと思うんです。それぞれの機能というものがあって特徴があるんです。その特徴を残してほしいというのがこれらの利用者の方々の共通の、7割の要望なんですよ。ですから、その点をよく理解してもらわなきゃいけないと思うんです。
 今回統合するということですからね。商工中金は民営化、それ以外の二つの公庫はほかの金融機関と統合する。三つそれぞれ残してもらいたいということからいうと、これは要望にこたえたということにはならないんじゃないんですか。
○中馬行政改革担当大臣 先ほど申し上げましたように、それぞれの役所の関与という形ではなくて、統一の形でかなり民間に近い運営といいましょうか、これも可能になってまいります。まだその組織形態そのものは十分には詰められておりませんが、今後の制度設計の中で、そうしたものも統合した形で、より大きな、柔軟な運営が図られていく、それは利用者の方々にも大変利便性の高いものだ、このようになるものと私たちは思っているところでございます。
○佐々木(憲)委員 では確認しますが、現在、それぞれ三つの金融機関が果たしているそれぞれの特徴がありますよね。その特徴はより一層生かされるということなら、そういうふうに答えていただきたい。
○中馬行政改革担当大臣 このごろは、大企業ならずとも中小企業でも、食料なら食料だけに特化しているとか、あるいは製造業なら製造業、あるいはまた卸業とか、そういうことではなくて、かなり幅広く、総合したような業態になっている方も多いかと思います。どこというたらい回しをされるんじゃなくて、そこに行けば、今までの複合的な能力でそれに応じた融資もしていただけましょうし、そしてまた、そうしたことの中から新たな利用する方々もふえてくる、そうした大きなメリットが出てくると私は認識いたしております。
○佐々木(憲)委員 いや、私は、それぞれの機能がより発揮されるということなのかと聞いているんですよ。ちゃんと、それならそれで答えてください。
○中馬行政改革担当大臣 まさにおっしゃるとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 では、その量的な面を次に聞きましょう。
 法案では、政策金融の貸付金残高については、第5条の6で、「貸付金の残高の継続的な縮小を行うことを可能とするものとする。」縮小と書いてあるんですよ。中小企業向け融資というのは今後縮小するということなんですか。
○中馬行政改革担当大臣 これは、統合されました新政策金融機関が、従来の農林漁業金融公庫にしましても、かなり大きなところの食料メーカーに融資している場合もあります。そうしたものは、もうこれからはそれぞれ民有機関の方に切り出していくといいましょうか、そういう形になっていく。そして、ここで、政府が関与しなければいけない、本当に政府に頼らざるを得ないことも含めたそうした方々に対する融資はしっかりとやっていくことになりますから、全体としては、そのようなもう民間の方に移していいものにつきましては、それは減らしていくことになりましょうけれども、逆にコンクリートに固まってきたものにつきましては、政府が本当に責任を持ってやっていく、その体制になるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 ということは、量的には中小企業向けをより一層ふやすということもあるということですね。
○中馬行政改革担当大臣 場合によっては危機対応等でふやすことも含めて、そして質的な面も私は向上していく、そのようにさせていただきます。
○佐々木(憲)委員 この法案はどうもその点が法律上明確じゃないんですが、今そのようにおっしゃいましたから、きちっと我々も監視をさせていただきたいと思うんです。
 大体、政府系金融機関が民業圧迫だと言っているのは大手の銀行だけなんですよ、アンケートの一番最後にそれをつけておきましたけれども。何でそういうことを言っているかというと、政府系金融機関が中小企業に対して低金利で貸している、低金利で貸しているから自分たちは高金利で貸せないから邪魔だ、大体そういう発想なんですよ。ですから、私は、中小企業向けに政府系金融機関はしっかりと役割を果たさなきゃいかぬというふうに思っているわけです。
 さてそこで、最後に労働争議の問題についてお聞きしますが、国民生活金融公庫では長い間労使紛争を抱えております。
 もとをただせば、1960年代後半から、国民公庫当局が自分の意に添わない労働組合だということで介入を行って、1970年代後半からは組合員などに賃金、昇格の差別を行ってきた。これはもう私は政府系金融機関にあるまじきことだと思っているんですが、差別を受けた19名の職員は20年前に都労委に申し立てをしたんです。都労委は、公庫の不当労働行為を認めまして、救済命令を出しました。それを公庫が受け入れていれば、これはもう11年前に問題は解決していたわけであります。ところが、国民公庫はそれを不服としまして、取り消しを求めて東京地裁に提訴したんですね。それ以来ずっとこの裁判ざたが繰り返されております。このまま放置しますと、これは、統合される新しい政府系金融機関全体がこの争議を抱え込むということになるわけであります。
 私は、今からちょうど七年ぐらい前ですが、谷垣大臣が大蔵政務次官をなさっていたころに関係者と一緒にお会いしたことがあります。当時、谷垣さんはこうおっしゃっていたんですね。争議の話は聞いている、同じ職場で長い間争っているのは私も好ましいとは思わない、あくまで労使問題であるが、できるだけ早く解決したいものだ、こういうふうにその当時はお答えになっていました。
 前任の塩川財務大臣も国会でこういうふうに答弁されているんです。「これはやっぱり当事者同士の話でございますから、私からもよく公庫の方にちゃんとするように、当事者間で、言っておきますから。」ということで、これは4年前の答弁ですが、こういうふうにおっしゃったんですが、なかなか解決しない。
 そこで改めて聞きますけれども、もちろん、これはもうそれぞれ言い分はあると思うんです。労働者の言い分もあれば当局の言い分もあると思う。しかし、20年も30年もこんなことを長引かせるのは、これはよくないと思うんですよ。やはり、当事者同士の話し合いで早急に解決するというのが望ましい方向だと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○谷垣財務大臣 確かに、佐々木委員おっしゃるように、古い話なんですよね。ですから、私、政務次官のときに申し上げたように、やはりそれは、紛争は長く続くのは好ましくないと思います、私も。ただ、そうですが、これは公庫という中の労使紛争ですから、やはり、公庫でどう解決するかということをお考えいただくべきことだと思います。
○佐々木(憲)委員 長い間そういうことは好ましくないということであります。
 そこで薄井総裁にお聞きいたしますけれども、これは公庫の中の問題ですから、長い間これやってきているわけですから、やはり、担当者任せにしないで、総裁自身が当事者に直接会って話し合いをするとか、そういうことはぜひやるべきだと思いますが、そういう意思は全くありませんか。
○伊吹委員長 国民金融公庫薄井総裁。
 簡潔に答えてください。
○薄井政府参考人(国民生活金融公庫総裁) 私ども、不当労働行為があったとは考えておりません。したがいまして提訴したわけですが、平成16年の11月17日に、東京高等裁判所におきましては公庫が全面勝訴しております。これに対しまして補助参加人の方から最高裁判所に上告されている、そういう状況が今続いております。それから1年半たっているというのが現在です。
 裁判所の問題となっている以上、私どもとしては、最高裁の最終的な司法判断を得て判断していくことが適切であると思っております。
 なお、私ども、要請行為等については誠意を持って対応していると認識しております。
○佐々木(憲)委員 不当労働行為というのは、裁判所でもこれは認定されているんですよ。
 会って話し合うと言っているけれども、総裁は会ったことないでしょう、直接は。直接会って話を聞くぐらいのことを当然やるべきじゃないんですか、同じ公庫の中の話なんですから。
○伊吹委員長 それでは、申し合わせの時間が経過しておりますので、最後に総裁、簡単に答えてください。
○薄井政府参考人 最高裁まで議論が行っている話でございますし、十分私どもの気持ちは伝えてあるという認識でおります。
○佐々木(憲)委員 これは長い話になりますが、今、話し合いという方向も示されました。ですから、きちっと早くこの問題は解決していく、それで、中小企業向けの仕事をしっかりやれるように、いつまでもこんなものを抱え込んでいくということはよろしくないということを最後に申し上げまして、終わらせていただきます。

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