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その他 (選挙制度)

2014年06月19日 第186回 通常国会 議院運営委員会 【794】 - 発言

「衆院選挙制度調査会」設置を委員会議決、日本共産党は反対

 2014年6月19日、衆院議院運営委員会は、「第三者機関」として、「衆議院選挙制度に関する調査会」を議長の諮問機関として設置することを、日本共産党以外の各党の賛成で議決しました。

 佐々木憲昭議員は、一部の党が「第三者機関」設置を一方的に提起し、反対があるなか、全党の協議を打ち切り、議決することに、強く抗議。全党が参加した約3年間の協議で唯一合意した「現行並立制の功罪を広く評価・検証」(昨年6月)にもとづく作業を一度も行わず、「第三者機関」に“丸投げ”するのは、「政党・国会の責任放棄だ」と厳しく批判しました。
 諮問事項のベースとなった野党5党案は、現行の小選挙区制を維持したうえで定数削減を行うとしていました。佐々木議員は、現行の制度は「民意と歪みが出る」と、自民も民主も認めたうえで、その「功罪」を「検証」すると全党が合意したと指摘。「諮問事項は、この全党合意とはまったく異なる」と主張しました。
 また、定数削減が、消費税増税で国民に痛みを押し付けたうえ、“議員も身を切る”として持ちだされた「無茶な話だ」と批判しました。

 調査会設置の議決後、伊吹文明衆院議長は、各党幹事長・書記局長に調査会委員の人選基準を示し、「議長に一任してもらうが、各会派とも相談して進めたい」と述べました。日本共産党の山下芳生書記局長は、あらためて設置に反対を表明しました。

議事録

○逢沢委員長 これより会議を開きます。
 まず、調査会設置の件についてお諮りいたします。
 衆議院の議員定数及び選挙制度問題について、これまで各会派間で協議され、去る四月八日に各会派代表者から伊吹議長に協議結果の報告が行われました。
 その後、五月十五日に自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党、結いの党、生活の党及び参議院の新党改革・無所属の会の各会派代表者から、伊吹議長に対し、議員定数及び選挙制度問題についての第三者機関設置の申し入れがあり、また、五月二十日に同八会派の国会対策委員長から、同様の申し入れが議院運営委員長にありました。
 これを受け、議長から、本件について議院運営委員会に諮問があり、理事会におきまして協議を重ねました結果、お手元に配付の要綱案について各会派の理事の合意を得たところであります。
    ―――――――――――――
    「衆議院選挙制度に関する調査会」について(案)
 一、調査会の設置
   衆議院に、衆議院選挙制度に関する調査・検討等を行うため、有識者による議長の諮問機関を置く。
 二、構成
  1 調査会は、委員十五名程度をもって組織する。
  2 委員は、議員以外の学識経験のある者のうちから、議長がこれを委嘱する。
 三、諮問事項
  1 現行制度を含めた選挙制度の評価(長短所、理想論と実現性)
  2 各党の総選挙公約にある衆議院議員定数削減の処理
  3 一票の較差を是正する方途
  4 現行憲法の下での衆参議院選挙制度の在り方の問題点
 四、運営
   議院運営委員長はオブザーバーとして陪席し、各会派の代表は求めに応じて出席し、参考意見を述べることができる。
 五、答申
  1 調査会は、諮問事項について調査、検討し、その意見を集約し議長に答申する。
  2 各会派は、調査会の答申を尊重するものとする。
  3 答申の時期については、現議員の任期を念頭に、立法作業や周知期間を考え答申願う(従って、答申が累次のものとなることも予想される)。
    ―――――――――――――
○逢沢委員長 この際、佐々木憲昭君から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 選挙制度に関する第三者機関設置について発言をいたします。
 言うまでもなく、選挙制度は、民主主義の根幹であり、国民、有権者の参政権にかかわる問題です。当然、全党が参加して議論すべきであり、実際、これまでの実務者協議は、全党参加のもとで、二〇一一年十月から二十九回にわたって行われてきました。
 ところが、ことしに入り、一部の党が第三者機関の設置を突然提起し、日本共産党や社民党が反対しているにもかかわらず、全党の協議を打ち切り、今、この議運委員会で議決しようとしているのであります。このことに強く抗議するものです。
 実務者協議で全党が唯一合意したのは、昨年六月の確認事項であります。そこでは、よりよい選挙制度を構築する観点から、現行並立制の功罪を広く評価・検証し、抜本的な見直しについて、各党間の協議を再開し、結論を得るとしていたのであります。
 その検証作業をなぜ行わないのでしょうか。それを一度もせず、第三者機関に丸投げするのは、政党と国会の責任放棄ではないでしょうか。
 諮問内容のベースとなった野党五党案は、現行の選挙制度を維持した上で定数削減を行うというものでした。これは、全党合意の内容と違います。
 現行の小選挙区制が民意を反映しない制度であることは、過去六回の選挙で明らかであり、実務者協議の中で、自民も民主も含め全党が、現行制度では民意とゆがみが出るとの認識で一致していたのです。したがって、現行並立制の功罪を評価・検証なしに、議論は進まないではありませんか。
 定数削減について言えば、民主党などが、消費税増税で国民に痛みを押しつけ、国会議員も身を切るといって持ち出してきたものであります。消費税と定数削減を結びつけること自体、むちゃな話であります。
 議員は、国民の意見を議会に反映させるパイプです。その議員を削減することは、民意を切り捨て、国会の政府監視機能を低下させることにつながります。
 実務者協議でも、議員定数はどうあるべきかは、まともに議論されたことがありません。他党からも、議論が不十分だと指摘がありました。
 そもそも、日本の議員定数は、人口比で見ると、歴史的に見れば最も少なく、国際的に見ても、ヨーロッパ諸国の二分の一から三分の一にすぎません。
 今必要なのは、定数削減ではありません。小選挙区制を廃止し、多様な意見を正確に議席に反映する選挙制度に改革することであります。この原点に立ち戻ることを強く求めて、発言といたします。
○逢沢委員長 その他、御発言はございますか。
 それでは、お手元に配付いたしてあります要綱案のとおり衆議院選挙制度に関する調査会を設置するに賛成の諸君の挙手を求めます。
    〔賛成者挙手〕
○逢沢委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

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