2014年06月13日 第186回 通常国会 本会議 【793】 - 討論
国会を政府の秘密保全体制に組み込む秘密会設置法案を可決、日本共産党は反対
通常国会の会期末(6月22日)が迫るなか、2014年6月13日、政府・与党は本会議で、戦後はじめて国会に常設の「秘密会」を設置する秘密会設置法案を可決。“翼賛化”を強める野党各党は、一部の悪法成立を積極的に後押しし、安倍政権の暴走に加担する役割を果たしています。
昨年末、国民の反対の声を押し切って成立が強行された秘密保護法施行にむけ、国会を政府の秘密保全体制に組み込む秘密会設置法案も、わずか2日間の審議で衆院を通過させました。
佐々木憲昭議員は、12日に引き続き、本会議で反対討論に立ちました。
議事録
○佐々木憲昭君 日本共産党を代表して、自民、公明提出の国会法改定案、三党提出法案に、反対の立場から討論を行います。(拍手)
戦後初めて国会に秘密会を常設するという極めて重大な法案を、自民、公明両党が会期末になって提出し、わずか七時間で質疑を打ち切り、強引に採決をしました。議会制民主主義を踏みにじるやり方に、厳しく抗議をするものであります。
本法案は、昨年末、広範な国民の反対を押し切り、安倍政権が成立を強行した秘密保護法を前提にしたものであります。
秘密保護法は、国民の知る権利を侵害し、日本国憲法の基本原則を根底から覆す、希代の悪法であります。廃止を求める世論と運動は、成立後も広がり続けております。今やるべきは、秘密保護法の廃止であります。
本法案は、秘密保護法の規定に従って、国会の委員会や国会議員が秘密を漏らさない厳格な仕組みをつくり、国会を政府の秘密保全体制に組み込むものであり、断固反対であります。
提案者は、政府の特定秘密を監視すると言いますが、もともと、何を特定秘密にするかは秘密であり、国会に提出するかどうかも全て政府の判断次第というのが、秘密保護法であります。
情報監視審査会の審査は秘密会であり、委員はメモさえとれず、会議録も許可なく閲覧できません。会議録は永久に国民に公表されないのであります。
秘密の開示を受けた議員は、その内容を国会の外で漏らせば刑罰に処され、国会質問で取り上げたら懲罰の対象となり、除名処分まで受けかねないのであります。
まさに、国会に口封じをさせる仕組みであり、憲法が保障する議員の発言、質問の自由を奪うことは明らかであります。
国会は、特定秘密体制にお墨つきを与えるだけでなく、政府の秘密体制にみずから取り込まれ、政府の秘密を国民の目から隠す、秘密の共犯者になってしまうのであります。到底容認することはできません。
国会は、主権者国民を代表する唯一の立法機関であり、国権の最高機関であります。
憲法は、国会に国政調査権を保障し、公開原則、議員の発言権保障を明記しております。
国会の第一の任務は、政府を監視することです。国政調査権を行使し、日米安保の秘密を初め、政治、行政の実態を国民に明らかにすることが求められているのであります。
秘密保護法を前提にし、政府、行政の行為を国会の上に置いたのでは、国会は、その憲法上の役割を果たすことはできません。議会が議会でなくなるのであります。
秘密保護法の廃止こそ、今なすべきなのであり、国会を政府の秘密保全体制に組み込む法案を強行することは、断じて許されません。
以上で反対討論を終わります。(拍手)