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財政(予算・公共事業) (大型公共事業・再開発, 国有財産)

2007年06月05日 第166回 通常国会 財務金融委員会 【400】 - 質問

東京・大手町再開発事業で財務省は地価上昇を知りながら売却

 2007年6月5日午前、財務金融委員会で一般質疑が開かれました。
 佐々木憲昭議員は、国有地を利用した大企業母体の東京・大手町再開発事業で、財務省が地価上昇となるのを知りながら売却している実態を明らかにしました。
 これは、国有地を公平・公正に活用すべき財務省が、財界・大企業の要望を受け入れ、利益があがる仕組みとつくっていたものです。
 この事業では、国有地が都市再生機構に売却された直後、三菱地所などが出資する「大手町開発」に転売されています。
 その過程で、容積率は700%→1200%→1590%と引き上げられ、地価は上昇しました。
 しかしその売却額は、容積率700%のままで計算され「大手町開発」に莫大な利益が転がり込んでいるのです。
 財務省が「不動産鑑定士の評価を参考に時価で売却している」(丹呉泰健・理財局長)と説明したのに対し、佐々木議員は「とんでもない。財務省は初めから土地が上がることを知っていた」としてその背後関係を列挙しました。
 たとえば、売却前の2004年6月の国有財産関東地方審議会の場で、財務省側は「地権者が設立する事業会社の資金調達に配慮したもの」と述べ、容積率も上がると説明していました。
 2004年5月の日本経団連総会では、この地に予定の新経団連会館建設について「新たな資金拠出なし」「リスクを負わない」などの条件が出されています。
 佐々木議員は「政府が国有地を低価格で売却した背後には、日本経団連、その地域の大企業の要望があることは明確だ」と、厳しく批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、財務大臣に確認をしたいと思いますが、国有地を初めとする国有財産、これは国民のために公正かつ有効に活用されなければならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○尾身財務大臣 国有財産については有効に活用しなければならないとおっしゃるのは、そのとおりであると考えております。
○佐々木(憲)委員 公正かつというふうに私は申し上げたわけでありますが。
 財務大臣は、内閣の都市再生本部のメンバーですね。
○尾身財務大臣 そのとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 私は、5月22日の財務金融委員会で、国有地を利用した大手町開発について質問をいたしました。このプロジェクトは、内閣の第五次都市再生プロジェクトとして位置づけられております。問題の焦点は、国民の財産ともいうべき国有地を公正公平に活用するのか、それとも一部の特定の企業に供するのか、こういうことにあると思っております。
 前回の質疑で、国土交通省が作成をいたしました資料の提出を求めました。それは、大手町合同庁舎跡地を活用した国際ビジネス拠点形成推進方策調査報告書というものであります。
 これがそれですけれども、国土交通省にお聞きしますが、この報告書は、いつどこに発注をされたのか、その発注は随意契約か、金額は幾らか、これをお答えいただきたい。
○加藤政府参考人(国土交通省大臣官房審議官) お答えいたします。
 御指摘の調査は、平成16年12月15日、独立行政法人都市再生機構に対し委託をいたしました。随意契約でございます。契約金額は、5969万円ということでございます。
○佐々木(憲)委員 6000万円も税金を使って作成をしたものということであります。
 ところが、この資料を理事会で協議をして提出をお願いしたわけですけれども、出てきたものが、最初は中抜きのものでありましたが、全部出してもらいたいということで、出していただきました。
 その内容を見ますと、真っ黒に塗りつぶされておりまして、お配りした資料の4、後ろの方ですけれども、それがあります。例えば、皆さんのお手元にありますように、資料の4の下を見ますと、33ページというところがありますね。これは、施行後・ケース一と書いてありますが、工区、街区、画地、間口云々、上にずっとその項目がありますが、中のデータが全部真っ黒なのであります。それから、その次を見ましたら、34ページ、施行後・ケース2・第1ステップと書いています。これも同じように、第1ステップ、第2ステップ、全部真っ黒であります。こういうものが出されてきても、何が何だかさっぱりわからないわけであります。
 これは、何でこのように真っ黒にしたんでしょうか。
○加藤政府参考人 本調査では、土地区画整理事業の導入の可能性を検討するという観点から、非常にざっくりした、一定の仮定を置きまして、それぞれの土地所有者の土地の評価額等についても試算を試みているということでございます。
 ただ、これについては、そういうものでございますけれども、現在都市機構においては、区画整理の施行者として適切に評価した土地評価を提示しながら土地所有者の皆さん等と交渉をしているところでございます。
 そういう中で、今申し上げたような性格を持つものですから、概略の計算値であります当該試算値を開示すれば、事業上の評価額とのそご等に関し、いたずらに土地所有者等に不安とか不信を抱かせるということになりかねない。ひいては、それが事業の遅滞、遅延等を生じかねないといったような土地区画整理事業に及ぼす影響を勘案してでございます。これが一点でございます。
 二つ目に、例えば、当該試算値があたかも土地評価額と同様に投資家等に受けとめられて、企業の資産価値について誤った認識を世間一般に形成させる等の風評被害を招くというようなおそれもあるといった土地の所有者に及ぼす不利益、これらを勘案いたしまして、それぞれの土地所有者の土地の評価額等については開示を控えさせていただいている、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 全く理解できない説明であります。
 土地所有者の事実上の評価額とそごを来す、そこで不安とか不信を招くとおっしゃいました。しかし、これはもともと試算としてざっくりとしたとおっしゃいましたような計算でありますから、それはもうそのことは前提でありまして、そごも何もないわけであります。
 二つ目に、風評被害を招くと言いますけれども、こんなもの、風評被害を招くはずがないわけです。例えば、51ページ、次のページをあけていただきますと、私はおかしいと思うのは、国有地ですよ、これは。政投銀は別として、財務省、登記、859平米とありますね。これは一体なぜ塗りつぶすんでしょうか。財務省が持っている土地、これは何も私有地ではございません。国民の財産であります。これは隠す必要はないんじゃありませんか。
 共有財産である国有地は国会に数字を出す。この点について、このときはこのようにざっくりと評価をしておりましたというのを出すのが当然じゃないんですか。これぐらいは少なくとも出していただきたい。
○加藤政府参考人 今お尋ねの財務省の土地ということの評価についてでございますが、これについては、先生御案内のとおり、この地区全体が連鎖型の土地区画整理事業をやっております。したがいまして、この時点での比準価格、この表がございましたが、これは確かに財務省さんの土地になっておりますが、この土地は将来、換地後、換地されてほかの所有者に渡るわけでございます。
 したがいまして、換地後の土地の評価にも影響するということで、今申し上げたように、ここの部分については、施行後の評価については控えさせていただきたい、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 何もわからないじゃないですか、国会には。国有地が一体この再開発でどのような値打ちになるのかというざっくりした計算をしたと。それを、6000万円もかけて、予算を使って都市再生機構に調査をさせた。それがなぜ出せないんですか。ほかに影響がある、ほかに影響があるといったって、国有地なんですから。
 委員長、これは当然、この国有地の部分については少なくとも提出していただきたい。理事会で協議していただきたい。
○伊藤委員長 ただいまの御要望については、後ほど理事会で協議をさせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 問題の焦点は、前回も指摘しましたが、国有財産が不当に安く一部の大企業に提供されて、利権の対象になっているんじゃないかという点であります。
 そこで、確認をもう一度しておきたいと思いますが、大手町合同庁舎1、2号館を国が2005年3月3日に都市再生機構に売り渡した。そのときの総額は1300億円、単価は1平米当たり970万円、このときの容積率は700%に若干上乗せして950%、こういうことでよろしいですね。
○丹呉政府参考人(財務省理財局長) お答えいたします。
 今御指摘の大手町合同庁舎1号館、2号館の売却につきましては、平成16年12月27日に複数の不動産鑑定士に鑑定を依頼いたしまして、17年1月14日に鑑定結果を受領し、その結果に基づきまして、ただいま先生が御指摘になられましたように、1平方メートル当たりの単価は平米970万円、総額1300億円、売却の時期は、平成17年3月3日に売却したものでございます。
○佐々木(憲)委員 そのとき、土地の容積率は、長い間700%でありましたが、その年の10月26日の東京都の都市計画審議会で1200%に変更する、これは審議、採決された日であります。そして11月25日にそれが告示されております。これはそのとおりですね。
○加藤政府参考人 ただいま先生御指摘のとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 その直後に、2005年の11月28日、都市再生機構は、国から入手した土地の3分の2を有限会社大手町開発に売りました。その総額は915億円で、単価は諸経費を上乗せして1024万円。このときも、前提となる容積率は国から買い入れたときと基本的に同じで、いわば原価で買って原価で売った、そういうことだと説明を受けておりますが、そういうことでよろしいですか。
○松野参考人(独立行政法人都市再生機構理事) 委員御指摘の件でございますが、私どもが国から取得しました大手町合同庁舎跡地、この3分の2を有限会社大手町開発に売却したときの総額と単価は、915億円、単価1平方メートル当たり1024万円でございました。これは、取得原価にもろもろの諸経費を上乗せしたものでございます。
○佐々木(憲)委員 要するに、国有地が、容積率700%をベースにした価格でまず都市再生機構に売って、都市再生機構が大手町開発という民間会社に売ったわけです。その価格は原価どおりですから、いわば都市再生機構がトンネルになったわけであります。随意契約で民間の大手町開発に売却されたわけですね。
 問題は、配付資料の1枚目にありますように、「大手町開発の流れ」を見ていただきたい。その土地の容積率が、わずか2カ月の間に700%から1590%に引き上げられているわけであります。その結果、当然地価が上昇いたします。収益価格は上昇する。国土交通省の先ほどの報告書の試算によりますと、概算で収益価格は約倍に上昇するということになるわけです。大まかに言えばそういう傾向にあると考えていいですね。
○加藤政府参考人 お答えいたします。
 個々の土地については、それぞれ土地の形状とか位置とかによって変わりますけれども、今のお話のように一般論として申し上げれば、容積率が増大することによってその土地の有効利用の可能性が高まり、それが収益価格等にも反映される、これが一般的な考え方ではなかろうかと考えております。
○佐々木(憲)委員 低価格で手に入れた国有地が、容積率の引き上げによって地価が倍に上昇し、膨大な利益を生み出すということであります。問題は、この利益がだれの手に入ったのかという点なんです。
 本来、値上がりした価格で売れば、国の財産である国有地は一定の財政的な貢献をするだろう。しかし、そうならなかったわけであります。国家財政には貢献しないばかりか、もともとの低容積率で計算をした価格で売却をした。したがって、2カ月後に莫大な利益が出るにもかかわらず、既にその利益を得ることが不可能であった。つまり、損失が出たと言ってもいいと思うんですね。
 都市再生機構はどうかといいますと、これも3分の2の土地の部分に関してはトンネル機関になっているわけです、仕入れ原価で売ったということですから。
 低価格で手に入れた有限会社大手町開発、これは、容積率700%をベースに計算した950%という価格で手に入れた、その土地を利用して周辺の地権者との間で換地を行っているわけです。容積率何%で換地しておりますか。
○松野参考人 お答えいたします。
 土地区画整理上の換地としては、区画整理の仮換地を決めるとき、その時点では既に1200%になっておりましたから、それは当然、1200%ということを前提に換地しております。
○佐々木(憲)委員 容積率950%で手に入れた土地を1200%で売ったわけであります。換地をしたわけであります。その差は250%。その分、大手町開発に利益が転がり込むわけであります。しかし、実際の容積率は1590%、これは換地した地権者にとっても利益となる、そういう仕掛けになっているんじゃありませんか。
○松野参考人 今、大手町開発、直ちにその利益につながっているのではないかというお話がございましたが、これは必ずしもそういうふうな評価はできないと考えております。
 というのは、1200に上がるとか、あるいは市況がタイトになってきてかなり値上がりした、その時点で売ることができれば、確かにそういうことはあるかもしれません。しかし、この私どもと大手町開発が保有するという事業は、ほぼ10年間にわたって売ることができない、保有し続けなければいけない、こういう事業でございまして、単純に、途中で値上がりしたから売る、あるいはこれから値下がりしそうだから売る、そういうことができない、非常に厳しいリスクを伴っているわけです。
 したがいまして、これはできるだけ、当初のその時点の容積率を前提に取得する、その上で10年間保有しなければいけない、こういう事業の背景を御理解いただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 その説明は全く納得できませんね。大体、国土交通省は、この報告書で書かれておりますように、容積率が上がるということを前提に試算をして、どこの会社に幾らの利益が上がるかという計算までしているわけです。
 お配りした資料を見ていただければ、先ほどの、最後から2枚目それから最後のページ、これも真っ黒に塗られておりますけれども、ケース2・第1ステップ、第2ステップというふうにありまして、結果的に土地の値上がりがどこに幾ら貢献するか、この計算がここで行われているわけであります。当然数字を出すべきだと私は思います。
 こういう形で容積率が上がれば、当然その土地が上がり、その上がった土地をもとにして再開発を行い、膨大な利益が入ってくる、こういうことがもう明確なんですよ。その時点で売ればそうなるとおっしゃいましたけれども、現実にこのように進行しているわけであります。国の財産をこういう形で無駄に使っていいのか。私は、焦点は容積率が上がることを前提とした再開発にあるというふうに思うんです。
 そこで、財務省にお聞きしますけれども、容積率が引き上げられるということ、これはいつ知りましたか。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、私どもは、不動産鑑定士の方に鑑定を依頼いたしまして、鑑定結果を受領いたしましたのが平成17年1月14日です。その後、売却時期は平成17年3月3日でございます。
 それで、先生今お尋ねの、容積率が引き上げられたことについて財務省はいつ知ったかということでございますが、私どもが最初に動きとして知りましたのは、平成17年9月1日に東京都から、地権者向けの地元説明会がございまして、その中で容積率の引き上げを検討する用意があるという説明をお伺いいたしました。その後、10月26日に、東京都が都市計画審議会に対し、本件土地に係る都市計画を変更し容積率を1200%に引き上げることについて付議され、さらに、先生御指摘のように、審議結果を踏まえて、11月25日に正式に容積率を1200%に引き上げる旨の告示がされた、こういった経緯で私どもは承知しております。
○佐々木(憲)委員 それは事実経過からいうとそういう説明になるんでしょうが、容積率が引き上げられ、土地が上がるということの想定を当然その以前からしているわけでありますが、それはいつごろから知りましたか。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。
 私ども、国有財産の売却に当たりましては、不動産鑑定士の方に評価を依頼いたしまして、その評価の結果に基づきまして時価で売却することとしております。
 それで、評価の前提となる容積率につきましては、国交省の制定いたしました評価基準に基づきまして、土地の価格に最も精通し、客観的に土地の評価を行う公正中立な立場にある鑑定士の方が、その時点での合法性等の観点から評価されるわけでございます。
 したがいまして、私ども財務省といたしましては、こうした前提に基づきまして不動産鑑定士の行った鑑定結果を判断して尊重し、それについて、いただいた時価に基づいて売却するということで、売却した時点では、先ほど申し上げましたように、700%に総合設計での250%を上乗せしたものをいただいたところでございます。
○佐々木(憲)委員 質問に答えていないんです。
 この全体のスキームはずっと以前からできているわけです。2003年に内閣の都市再生プロジェクトとして認定をされているわけですね。したがって、当然その時点から、この再開発はどういう手順でどのような容積率の変更があり得るのか、そういうことを想定した上でこの売却を行っているはずなんです。2004年6月ごろにはその認識はありませんでしたか。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。
 繰り返しでございますが、私どもは、不動産鑑定士の方に鑑定を依頼する、不動産鑑定士の方はその時点における容積率等を前提にするということでございます。
 それから、先ほど申し上げましたように、容積率の引き上げについて私どもが承知いたしましたのは、平成17年9月1日に東京都が地元の説明会において引き上げについて検討するという話を伺ったときでございます。
○佐々木(憲)委員 配付資料を見ていただきたいんですが、2003年1月に小泉総理を本部長とする都市再生本部、その第五次決定で大手町再開発が国家プロジェクトとして位置づけられております。既にこのころには大手町再開発の構想が明らかになっていたはずであります。
 明確な形で記録があるのは、2004年6月18日に開かれました第218回国有財産関東地方審議会の議事録であります。その議事録は今この手元にありますが、ここではこういうふうに書いているんですよ。このスキームでは、一たん機構が、つまり都市再生機構ですね、国から合同庁舎跡地を購入して、その後に民間の事業会社に対して持ち分の一部、3分の2を譲渡するという形をとるわけでございますと。もうはっきりと構想が示されているじゃありませんか。だれが説明したんですか、これは。財務省じゃないんですか。
 これを説明しているのは財務省の国有財産業務課長であります。こういうふうに言っているんです。要は、入札をせず、今回機構に随意契約で売るわけです、この認定事業者になりますと、認定事業者といいますのは大手町開発のことです、直接国がこの事業会社に随意契約で売ることもできます、合同庁舎の3分の2の保有、信託の受益権という形で譲渡を行うことにしております、これは地元地権者が設立する事業会社の資金調達に配慮したものでありますと。
 容積率についてはこう言っているんですね。これは委員からの質問がありました。いわゆる何階建てというイメージはどういうふうになるんでしょうか、例えば40階とか50階とか60階とか、大体高さはそろうと思いますが、そのイメージはどんな感じになるんでしょうかと。これに対して管財第二部長がこう答えているんです、財務省ですよ。今の跡地のところは商業地域でございまして、建ぺい率が80%、それから容積率が700%となっております、日比谷通りの向こう側は容積率が1000%ということになっておりまして、いずれ丸の内方面の先行的に再開発されているエリアと同様に、30階とかそういった百メートルを標準としたようなイメージを踏まえ、今後具体的な計画をつくっていくというようなことになろうかと思いますと。
 このようにして、容積率が上がる、もう既にこのときにそういう構想になっているということを財務省が自分で説明しているじゃないですか。財務省が自分で容積率が上がるということを前提に、しかもトンネルとして都市再生機構を使うということまで言って、3分の2はそちらで売るんだ、それは何のためだ、いや、それは地権者のためだ、こういうことを説明して、国有財産売却はよろしいでしょうか、賛成ですという形でここで決まっているんですよ、審議会で。もう既に2004年6月にこういうことをやっているんじゃないですか。2005年の9月になって初めて知ったとかという話じゃないでしょう。私は、この背後に、これで利益を得る大手企業の要望があったのではないか。
 資料を見ていただきたいんです。この資料をあけていただきますと、「大手町都市再生に向けた要請事項」というのがあります。これは、私は先日ここで質問をして、都市再生機構から出していただきました。ただ、これは、その要請文全文ではなくて、こういうものがありましたという説明文であります。これは二の資料に出ております。
 「地権者側から出席者全員に資料として「大手町都市再生に向けた要請事項」が配布された。」というふうに説明がありますね。これはいつ行われた会議でしょうか。
○松野参考人 この会議は平成15年8月というふうに聞いております。
○佐々木(憲)委員 2003年、平成15年の8月でありました。つまり、もう既にその時点で、ここには「正式な要請文書ではない。」と書いていますけれども、会議の席上で配付されたんですよ。これが正式ではないということは、言い逃れにもなっていないと思いますね。
 それで、以下の三点について記載されていると。「都市基盤整備公団は合同庁舎跡地を取得し、連鎖的再開発を確たるものにするため換地対象地を継続的に保有。併せて、都市基盤及び建築敷地の整備を目的にした区画整理事業を行う。また、再開発地での建築物整備は、大手町まちづくり会社等民間が行うことを基本形とする」「大手町での連鎖的再開発を安定的に実現するため、合同庁舎跡地の取得に当たっては現行容積率700%を前提とした評価をもとに交渉を行う」と。もう既に売り渡す1年前にこういう要望を地元地権者の側から出されている。
 しかも、次のページをあけていただきますと、「新経団連会館建設について」。2004年5月27日の日本経済団体連合会第3回定時総会、これの2ページのところをあけていただきますと、「日本経団連では、当初より、次の項目が満たされることを本計画への参画の条件としてきた。」と。三つ挙がっていまして、一つは「新たな資金拠出なしで、日比谷通り沿いに現会館と同等の床面積が確保できる。」「(二)リスクを負わない。」「(三)近年のリニューアル投資を現会館の資産価値に含める。」実に勝手な言い分を、損はしない、もうけが上がるようにしてくれと。こういう形で、結局、財界、大企業の言いなりになっているんじゃありませんか。だれがこういうものをやれと言ったかといえば、明確じゃないんですか。
 政府が決定したその背後にあったのが、日本経団連あるいはその地域の財界の大手企業ということになるということは極めて明確であります。この点については、もう時間がなくなりましたので、私は、さらに引き続き追及をするつもりでおります。
 以上できょうは終わっておきます。

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