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平和・憲法 (秘密保護法)

2013年10月17日 第185回 臨時国会 議院運営委員会 【746】 - 発言

国家安全保障に関する特別委員会の設置に反対

 2013年10月17日、衆院本会議は、国家安全保障特別委員会の設置を、自民、公明、民主、みんな、維新などの各党の賛成多数で可決しました。日本共産党、生活、社民の各党は反対しました。

 国家安全保障特別委員会は「国家安全保障に関連する諸法案を審査する」とされ、政府・与党は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案と秘密保護法案を同特別委に付託しスピード審議を狙っています。

 佐々木憲昭議員は本会議に先立つ議院運営委員会で、環太平洋連携協定(TPP)について議論するための特別委員会設置など野党側の要求をことごとく無視した与党側の姿勢を批判。前国会ですでに内閣委員会に付託されているNSC設置法案を国家安保委に付託替えすることも暴挙だと指摘しました。
 佐々木議員は、日本版NSCは、集団的自衛権の行使を前提に米国との安全保障上の緊密な連携を図るための組織であり、秘密保護法案は、軍事・外交をはじめ国政の重要課題を国民に隠し、その危険性を指摘し批判する言論を封殺するものだと強調。「『知る権利』や『取材・報道の自由』を書き込んだとしても、法案の危険性は払拭(ふっしょく)できるものではない」と批判しました。

 民主党は、自民党が民主党提出の情報公開法案を国家安保特別委員会で審議することを確約したことを理由に、国家安全保障特別委員会の設置に賛成しました。

議事録

○逢沢委員長 これより会議を開きます。
 まず、特別委員会設置の件についてでありますが、国家安全保障に関連する諸法案を審査するため委員40人よりなる国家安全保障に関する特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 この際、発言を求められておりますので、順次これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 国家安全保障に関する特別委員会の設置に反対の意見表明を行います。
 本来なら、海賊・テロ特別委員会を廃止し、焦点となっているTPPに関する特別委員会を設置すべきであります。にもかかわらず、与党は、野党側の要求に応ずることなく、一昨日、従来どおり、十の特別委員会を強引に設置しました。その上、さらに国家安保特までつくろうとしていることは、断じて容認できません。
 国家安全保障会議設置法案は、前国会、内閣委員会に付託されております。その法案を内閣委員会から取り上げて、新設の国家安保特につけかえようとしているのも、乱暴であります。
 自民党が昨年7月に公表した国家安全保障基本法案(概要)によれば、集団的自衛権の行使を前提に、米国との安全保障政策上の緊密な連携を図るための国家組織として国家安全保障会議を位置づけ、それと一体で秘密保護法の制定を明記しています。
 秘密保護法案は、外交、防衛を初め国家の重要問題、とりわけ日米同盟の実態を国民に隠し、その危険性を指摘し批判するものを封殺するものであります。
 特定秘密保護法案に知る権利や取材、報道の自由を書き込めばよいという議論もありますが、それで法案の危険性が払拭できるものではありません。
 幾ら知る権利などの文言を書き込んでも、秘密の範囲は政府の判断で決められること、秘密を漏らした者や秘密を入手した国民、メディアも重罪の対象とされること、国会で質問しても秘密を理由に答弁を拒否したり秘密会でしか扱えないなど、国政調査権が著しく制約されること、この基本は、何ら変わるわけではありません。
 だからこそ、言論、表現の自由、報道の自由、国民の知る権利を侵害するとして、日本弁護士連合会、日本新聞協会、日本ペンクラブなど、各界から反対の声が巻き起こっているのであります。
 その行き着く先は、集団的自衛権を容認した上で、国民の目、耳、口を塞ぎ、日本をアメリカと一体で戦争できる国家につくりかえることにほかなりません。
 このような法案を審議する国家安全保障に関する特別委員会の設置には、日本共産党は断固反対であります。
 以上です。
○逢沢委員長 小宮山泰子君。
○小宮山委員 国家安全保障に関する特別委員会の設置には反対の立場から発言をさせていただきます。
 まず、先般海賊・テロ委員会のときも申しましたのと同様の理由ではございますが、今回提案をされておりますこの法案の審議というものでありますが、安全保障会議設置法の一部を改正する法律案、これは既に内閣委員会の方に付託をされているものであり、常任委員会で引き続き審議をすればいいと考えているものでもございます。
 また、今回与党からの提案の中では、今まだ決定をされていない法案など、どの法案をきちんと審議するのかという部分では、しっかりと書面で提出されることもなく、早急に設置をして特別委員会で審議をするというには余りにも乱暴な手続をとっていると言わざるを得ません。
 また、先般から私どもは主張しておりますが、委員会数、十委員会の中におさめること、今回、特に国会改革が叫ばれている中で委員長ポストをさらにふやすような、こういうような特別委員会の設置というのは、時期尚早であり、この点に関してもしっかり整理をした上でやるべきであり、その中では、現在国際会議等も進んでおりますTPPに関する特別委員会、これは、昨年来各党審議をし、そして設置の方向で定まっている、これを国会が、衆議院での委員会決議も踏まえ、早急に、情報開示を含め、することが必要だと考えているからでもございます。
 さらには、少数会派、無所属などの委員外発言の機会など、この点のルールづくりも明確になっておりません。
 今回、特定秘密保護法案に関しましては、多くの団体、また個人も含め、心配をされているところでもあります。戦前のような、委員会質疑というものが、多数によって省略される、また粗雑にされるということなく、結果ありきのような審議をしないためにも、きちんと、今回の案件は常任委員会での審議に値するものだと考えております。
 よって、今回の国家安全保障に関する特別委員会の設置には反対をさせていただきたいということを発言させていただきます。
 以上です。
○逢沢委員長 それでは、国家安全保障に関する特別委員会を設置することとし、本日の本会議において議決するに賛成の諸君の挙手を求めます。
    〔賛成者挙手〕
○逢沢委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。
 なお、本特別委員会委員の各会派割り当て数は、自由民主党25人、民主党・無所属クラブ5人、日本維新の会4人、公明党3人、みんなの党1人、日本共産党1人、生活の党1人となります。

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