2013年10月15日 第185回 臨時国会 議院運営委員会 【745】 - 発言
特別委員会の設置について発言
2013年10月15日、議院運営委員会で、佐々木憲昭議員は、特別委員会の設置について発言しました。自民党がこの国会で狙う「国家安全保障に関する特別委員会」の設置について、反対意見を表明しました。
自民党は、国家安全保障会議(NSC)を設置するための法案や秘密保護法案を議論するために、特別委員会の設置を狙っています。
佐々木議員は、NSCの創設は、「新たな『国家安全保障』の名のもとに、わが国の外交・安全保障の体制を根幹からつくりかえようとするものだ」と指摘。
秘密保護法案は、「防衛・外交をはじめ国政の重要問題で、国民の目と耳、口をふさぎ、とくに日米同盟の実態を国民に隠し、その危険性を指摘し批判するものを封殺するものだ」と述べました。
そのうえで、「国家安全保障」のいきつく先は、集団的自衛権の行使で、日本をアメリカと一体で「戦争する国家」につくりかえることになると指摘。
この特別委員会の設置は、「立法によって憲法9条を壊すための特別委員会と言わざるをえず、断じてみとめられない」と反対しました。
議事録
○逢沢委員長代理 次に、特別委員会設置の件についてでありますが、委員おのおの40人よりなる災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会、委員おのおの25人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会、青少年問題に関する特別委員会、委員45人よりなる海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会、委員25人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、委員おのおの40人よりなる消費者問題に関する特別委員会、科学技術・イノベーション推進特別委員会、委員45人よりなる東日本大震災復興特別委員会、委員40人よりなる原子力問題調査特別委員会の設置についてお諮りいたします。
この際、発言を求められておりますので、順次これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 特別委員会の設置について発言いたします。
与党は、海賊・テロ特を廃止してTPP特を設置すべきという野党側の要求に応ずることなく、従来どおりの特別委員会設置を提案しました。
しかし、同時に、与党は、早急に別途国家安全保障に関する特別委員会、国家安保特を設置すると提案しております。また、テロ特を再編し、国家安保特を設置するという案もあります。
いずれにしても、日本共産党は、国家安保特の設置には断固反対であります。
その設置目的は、国家安全保障に関する諸法案を審議するためとされていますが、国家安全保障とは何か、また、国家安全保障に関する諸法案とは何か、どのような法案を指すのでしょうか。
現在、安全保障会議設置法の一部改正案として、国家安全保障会議を創設する法案が既に内閣委員会に提出されております。
それは、内閣総理大臣を頂点とし、外交、安全保障の司令塔をつくり、トップダウンで危機管理に当たるとしていますが、新たな国家安全保障の名のもとに、我が国の外交、安全保障の体制を根幹からつくりかえようとするものであります。
さらに、今準備されている秘密保護法案は、新たな国家安保特で審議すると説明されていますが、その内容は極めて重大です。
防衛、外交を初め国政の重要問題で、国民の目と耳、口を塞ぎ、特に日米同盟の実態を国民に隠し、その危険性を指摘し批判するものを封殺するものであります。そのため、言論、表現の自由、報道の自由、国民の知る権利を侵害するとして、大問題になっているのであります。
そういう法案を審議する委員会の設置は、断じて認められません。
自民党が、昨年、2012年7月公表した国家安全保障基本法案(概要)によれば、集団的自衛権の行使を前提に、米国との安全保障政策上の緊密な連携を図るための国家組織として国家安全保障会議を位置づけ、それと一体で秘密保護法の制定を明記しています。
国家安全保障の行き着く先は、集団的自衛権の行使で、日本をアメリカと一体で戦争する国家につくりかえることにほかなりません。
これでは、立法によって憲法九条を壊すための特別委員会と言わざるを得ず、断じて認められません。
テロ特の問題に関連して発言をさせていただきました。
以上であります。
○逢沢委員長代理 小宮山泰子君。
○小宮山委員 特別委員会設置に関しまして発言をさせていただきます。
まず、海賊・テロ対策特別委員会でございますが、近年は大変開会数も少なくなってきております。
また、先国会におきまして、関連すると思われます海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法につきましても既に国土交通委員会に付託をされているということも鑑みまして、審議をする内容というものは、常任委員会であります国交委員会でできることであると思っております。
また、近年、国会改革、また特別委員会などで、審議の充実ということもあり、十委員会以内におさめるという努力を議運理事等でされていたかと思いますが、今回、その十委員会以内ということを鑑みましても、特別委員会での審議という所期の目的は、海賊・テロ特別委員会は、終了したと思われるものでもございます。
海賊・テロ特別委員会は廃止をし、また、それとともに、昨年来、環太平洋パートナーシップ協定、TPP交渉の参加に関する決議案、これは衆参の農水委員会でも決議がされておりますが、この中に、「交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること」という決議文もございます。国会といたしましては、衆議院といたしましても、このことを実現するべく、TPPの特別委員会、議運理事会でも再三要望しておりましたが、こちらに関して、この特別委員会の設置の方が先であると考えてもおります。
以上を理由といたしまして、特別委員会の設置に関しましては、海賊・テロの設置をする必要はない、また、TPP特別委員会の設置を早急に衆議院においてするべきであるということを申させていただきます。
以上です。
○逢沢委員長代理 それでは、まず、海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会を設置することとし、本日の本会議において議決するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○逢沢委員長代理 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。
次に、ただいま決定いたしました特別委員会を除く九特別委員会につきましては、理事会で合意いたしましたとおり設置することとし、本日の本会議において議決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○逢沢委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
なお、各特別委員会の委員の各会派割り当て数は、お手元の印刷物のとおりであります。
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