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金権・腐敗政治 (政党助成金)

2007年06月01日 第166回 通常国会 倫理選挙特別委員会 【399】 - 質問

65億円も貯め込んだ政党助成金 各党は返還せよ

 2007年6月1日、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で、佐々木憲昭議員は、政党助成金について質問しました。

 日本共産党以外の各党は、税金を山分けしている政党助成金の一部をため込んでいます。
 総務省の久元選挙部長は、1995年の交付開始から今年4月20日時点までで、各党に配分された政党助成金の総額が、3840億円にのぼり、各党が「基金」としてため込んでいる金額は、本部・支部あわせて65億1000万円(2005年分)と答弁。
 佐々木議員は、総務大臣が使い残した政党助成金の返還を命じることができるとする政党助成法上の規程を示し、「使い残したら、国庫に返すのが当たり前だ。国民には定率減税の廃止などで負担を押しつけながら、わが党を除く各党は毎年約300億円もの政党助成金を受け取り、65億円もため込んでいる。これでは国民は納得しない。返還を命じるべきだ」と述べました。
 これにたいして、菅総務大臣は「積み残しは法的に可能だ。それぞれの政党の判断だ」と拒否しました。

 また、佐々木議員は、5月31日に経済同友会が政党助成金の増額を求める提言を出したことを批判しました。
 法制定の過程で、助成金総額の計算基準が、国民1人当たり335円から250円に引き下げられた経緯を紹介し、「『政党が過度に国家に依存しない』ために減額されたものだ。同友会の提言は法の趣旨に逆行している」と批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうのニュースによりますと、昨日、経済同友会が、国民一人当たり250円負担している政党助成金を少なくとも300円以上に増額するように求める政治改革の提言を発表したというのが伝えられております。きょうは、政党助成金の基礎的なことを確認しておきたいと思います。
 まず、1995年に施行されてからこれまでの間、交付された政党助成金の総額、これは幾らでしょうか。
○久元政府参考人(総務省自治行政局選挙部長) 1995年から2007年4月20日分までの政党交付金の交付総額は、3840億3474万円余となっております。
○佐々木(憲)委員 政党助成金の総額の基準というのは、直近の国勢調査人口に250円乗じた金額となっております。導入当初、政府が提出してきた法案では335円ということでした。それが250円とされたのはどのような理由からだったのでしょうか、大臣。
○菅総務大臣 政党交付金は国民一人当たり250円、委員の御指摘のとおりでありまして、総額319億円ですか、これが政党に交付されています。
 平成5年の当初の政府案の考え方であれば、政党の本部また支部及び国会議員の関係政治団体の純支出額の3分の1を基本にこれは算出されたものであります。その後、衆議院におきまして議員修正によって250円に修正され可決された。こうした案によっても、政党の政治活動のための財政基盤というんですか、それについては充実の効果があるだろうというふうに思っています。
○佐々木(憲)委員 私が聞いたのは、335円だったのが250円に下げられたその理由を聞いたんですね。これは逐条解説によりますと、過度に国家に依存することのないようにということがあって下げられたというふうに聞いております。そういうことですね。
○菅総務大臣 おっしゃるとおりです。
○佐々木(憲)委員 そういうことですので、これを上げるということは、私は趣旨からいうと逆行だと思うんですね。
 そこで、1994年、法制定当時は前年の収入総額の3分の2に相当する額が交付限度額として設けられておりました。しかし、この上限も翌年に廃止されまして上限がなくなる、こういう状況になりました。法の附則には政党交付金の総額について5年後に見直しをするという規定がありましたけれども、これは見直されたのでしょうか。
○久元政府参考人 附則の6条で、法律の施行後5年を経過した場合においては政党交付金の総額の見直しを行うこととされております。現在のところ、総額についての改正は行われていないところでございます。
○佐々木(憲)委員 法には総務大臣は政党交付金の返還を命ずることができるというふうにされておりますが、これはどのような場合でしょうか。また、返還された事実はございますか。
○菅総務大臣 総務大臣による政党交付金の返還命令についてでありますけれども、三点ありまして、一つは政党が法律に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、二つはその年の政党交付金または支部政党交付金について残余を生じた場合、そして三つ目は政党やその支部が解散などを行って残余が生じている場合、この三点について交付を受けた政党交付金の全部または一部の返還を命ずることができる、このようになっております。
 なお、これまで政党交付金の返還命令を行ったことはありません。
○佐々木(憲)委員 この三点の事由の二点目ですけれども、支出に充てられなくて残った部分については返還を命ずることができると。私は、これは使い残したんだから返すのは当たり前だ、国民の税金ですからね、そう思うんです。
 使い残したものを現在政党の基金あるいは支部基金としてため込んでいるようですけれども、これはどれだけ積み上げられているのか。直近の政党基金と支部基金、その総額、それから6つの政党のそれぞれの金額を示していただきたいと思います。
○久元政府参考人 まず、総額について申し上げますが、本部が43億6779万円余、支部が21億4830万円余、合計65億1609万円余となっております。
 それから、各政党ごとでありますけれども、自由民主党が合計で18億1953万円余、民主党が合計で28億683万円余、公明党が15億6552万円余、社会民主党は合計2億9952万円余、国民新党はゼロ、新党日本が支部だけでありますが464万円余、自由連合がゼロ、第二院クラブが2002万円余というふうになっております。
○佐々木(憲)委員 この基金というのは、使っていない、ため込んでいるものなんですね。ですから、これが65億円以上あるというのは、余りにも巨額の金額で、これは国民は納得しないと思いますね。
 1993年に自民党が下野して細川政権が誕生した、このときの政治改革の中心課題は政治家個人への企業・団体献金の禁止、それと引きかえに国民の税金を政党に配分する政党助成金の制度、それから小選挙区制、こういうものをつくったわけです。その後、企業・団体献金はなくなるどころか、経団連による政策買収とも言えるような状況が生まれている。
 一方で、高齢者、障害者、こういうところに国民負担が非常にふえてきておりまして、ことしも定率減税の全廃、所得税からの税源移譲等々がありまして、この6月、今月からどんと上がってくるわけです。そういう形で1.7兆円の増税が押しつけられる。こういう中で、毎年300億円以上の政党助成金が政党に配分される、そしてそのうちの既に65億円が使われないでため込まれている。これは国民感情からいって非常に納得し得ないのではないかというふうに私は感じております。
 この二番目の事由の使い残し分は国庫に返還する、これは私は当然のことじゃないかと思うんです。当然、総務大臣は返還してくださいという要請をすべきだと私は思います。私ども日本共産党は、政党助成金はもらいませんし、企業・団体献金ももらっておりません。すべて個人の献金、これがやはり法の趣旨であると思っております。
 したがって、私はそういう政党助成金の廃止というのは当然のことだと思っておりますが、まずは、少なくとも余っているものは返す、これは当然ではないかと思いますが、総務大臣、その決意はありませんか。
○菅総務大臣 法律で積みおくことも可能になっておりますので、それについてはそれぞれの政党の判断にゆだねたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 政党の判断だけではなくて、返還命令ができるというのがこの法の中に書いてあるわけですからね。使い残して、ためて、しかもそれを運用して運用利益まで出ているんですよ。これはちょっとやり過ぎじゃないんですか。
 私は、政党助成金についてはそれぞれ考え方があると思いますけれども、少なくとも、これだけ国民負担をどんどん強めて、住民税がふえたとか介護だとか医療だとか次から次へと負担ばかりふえてという声を皆さん聞いていると思うんですね、そういうときに、税金をもらって、ため込んでおいて、それを運用して利益を上げるなどという、これは余りにもひど過ぎる、それは是正すべきだという点を主張して、時間が参りましたので、きょうはこれで終わりたいと思います。

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