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2012年06月15日 第180回 通常国会 議院運営委員会 【685】 - 発言

再稼働の条件づくりの原子力規制委設置法案が可決 反対表明

 2012年6月15日、民主・自民・公明3党がまとめた「原子力規制委員会設置法案」が衆院本会議で賛成多数で可決されました。日本共産党、みんな、社民両党は反対しました。政府は原子力規制庁設置法案を取り下げました。

 これに先立つ議院運営委員会で意見表明した佐々木憲昭議員は、福島原発事故の責任と教訓を明らかにして議論すべきなのに、民主・自民・公明3党がこの日提出した法案を即日審議、採決するやり方は議会制民主主義に反する暴挙だと批判。
 原発再稼働と原発輸出の条件づくりを狙う法案であり、容認できないと強調しました。
 佐々木議員は、この法案は福島原発事故の教訓を踏まえず、老朽化原発の半永久的稼働を容認していると批判。規制委員会を原発推進機関の環境省のもとに置くもので、推進と規制の分離、独立性の確保もされていないと強調しました。
 佐々木議員は、原子力基本法を改定し、原子力利用の目的について「安全保障に資する」としたことは、政府がいう原子力平和利用3原則にも抵触するとも述べました。

議事録

○小平委員長 次に、本日環境委員会から提出された原子力規制委員会設置法案、同委員会の審査を終了した地方自治法第156条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件(承認第五号)の両案件について、委員長から緊急上程の申し出があります。
 この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 原子力規制委員会設置法案に対して、意見表明をいたします。
 この法案は、民主、自民、公明の三党によって緊急上程されようとしておりますが、断固反対です。
 法案は、昨夜19時の時点で、でき上がっていなかったのであります。示されたのは、A4の紙一枚の、未定稿の要綱のみであります。きょうになって法案が示され、それを、まともな審議もせず、どうして採択できるでしょうか。しかも、本会議での討論も行わないなど、到底認められません。
 もともと、法案は、環境省の所管を超える広範な領域を含む原子力行政全般にかかわるものであり、全ての政党が参加し、充実した審議を行うにふさわしい委員会に付託すべきでありました。本会議では、重要広範議案として扱われ、総理も出席して質疑が行われたのであります。
 ところが、三党は、特定の範囲しか扱わない環境委員会に原子力規制委員会設置法案を付託するという暴挙を行ったのであります。
 私たちが抗議すると、与党は、議運理事会で、環境委員会に付託するかわり、審議には日本共産党、社民党、みんなの党などを常時出席させて審議を行わせ、理事会にも出席させるという言明がありました。
 しかし、審議時間は極めて短く、きょうを入れてわずか二回しか行われず、連合審査は一回だけでありました。理事会では、陪席さえ許されず、単なる傍聴扱いでありました。委員会での総理出席の審議も行われておりません。なぜ、これほど拙速な形で法案を通さなければならないのでしょうか。
 この法案には重大な問題が含まれております。
 第一は、昨年の3月11日福島第一原発の事故原因と教訓を全面的に踏まえた法案となっていないのであります。
 特に、原子炉等規制法で、根拠も実証試験もなく、老朽原発の40年、例外60年制限としていたところ、本法案で、さらに、事実上、青天井とし、半永久的稼働を容認したことは、政府案を一層改悪するものであります。
 第二は、原子力規制組織について、推進と規制の分離、独立性を確保すべき規制委員会を環境省のもとに置くこととしていることであります。
 環境省は、歴史的にも、基本政策の上でも、原発推進の一翼を担ってきた官庁であり、今国会に提案している地球温暖化対策基本法案で、温室効果ガスの排出抑制のため、原発推進を条文上も明記したままであります。この削除と抜本的反省なしに、真の独立性は担保されません。
 第三に、原子力基本法を改め、原子力利用の目的について、「我が国の安全保障に資する」としたことは、いわゆる原子力平和利用三原則にも抵触するものであります。
 最後に、我が国の原発政策の根幹をなす日米原子力協定と電源三法のもとで、安全神話をつくり上げ、地域住民の反対を押し切って原発を推進してきた歴代政権の政財官学の構造そのものにメスを入れることが必要であります。原発再稼働など論外であります。
 このことを指摘し、意見表明といたします。
○小平委員長 それでは、両案件は、本日の本会議において緊急上程するに賛成の諸君の挙手を求めます。
    〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

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