2012年04月26日 第180回 通常国会 議院運営委員会 【677】 - 発言
議員歳費削減法案を可決 議運で意見表明
2012年4月26日、衆院本会議で、国会議員歳費削減のための特例法案を賛成多数で可決しました。日本共産党は賛成しました。
この法案は、民主、自民、公明の3党「合意」にもとづき、国会議員歳費を5月から2年間12.88%、540万円削減するものです。
佐々木憲昭議員は本会議に先立つ議院運営委員会で発言。
まともな議論もないまま、民自公3党が合意したとして全会派・議員に押し付けるやり方を批判し、その背後に消費税増税の「露払い」と位置づける姿勢がみえると述べました。
議員歳費は、議員の処遇をどう考えるかという問題全体のなかに位置づけて検討すべきものだと強調。ところが今回の削減案は、何の合理的説明もないと指摘しました。
佐々木議員は、日本共産党が主張してきた特権的な役員手当の廃止や「文書通信交通滞在費」の見直し、「政党助成金」の削減・廃止についても実施すべきだと主張。そのうえで「国民感情も考慮し、歳費削減には賛成する」と述べました。
議事録
○小平委員長 次に、国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律案起草の件につきまして、私から御説明いたします。
本件は、我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み、一層の歳出の削減が不可欠であることから、本年5月1日から平成26年4月30日までの間、各議院の議長、副議長及び議員の受ける歳費及び期末手当をおのおの12・88%減額するものであります。
以上であります。
○小平委員長 この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 議員歳費は、憲法44条や49条に立脚し、国会法35条で原則を定めてきたものであります。そのあり方は、議員の位置づけ、議会のあり方そのものに深くかかわる問題であり、各党参加のもとで丁寧に議論すべき課題であります。
ところが、今回の議員歳費削減案は、議院運営委員会において何らまともな議論をしないまま提案されたのであります。民自公三党だけで協議し合意したということで全会派・議員に押しつけるやり方は、余りにも強引であります。
しかも、重大なのは、与党などが議員歳費削減を消費税増税の露払いと位置づけ、まず身を切ることから始めるなどと言っていることであります。よこしまな意図が見え見えであり、公務員給与の削減に合わせるという理屈も到底成り立つものではありません。
議員歳費のあり方については、議員の処遇をどう考えるかという問題全体の中に位置づけ、検討すべきものでありますが、それが行われた形跡が全くありません。
日本国憲法第44条には、議員の資格を「財産又は収入によつて差別してはならない」と明記されており、49条には「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける」と規定されています。これは、何人も国民の代表として国会議員の活動ができるよう、経済的保障を明確にしたものであります。国会議員の処遇については、この憲法の精神に従って、国民の理解が得られる合理的なものにすべきであります。
ところが、今回の削減額を見ると、公明が提案した、2年間、2割削減840万円から、昨年の震災復興のために削減した300万円を差し引いて、540万円、12・88%という計算があるだけです。これは、余りにも御都合主義であり、全く説明にもなっておりません。
しかも、我々が常々主張してきた特権的な役員手当の廃止、文書通信交通滞在費の見直し、政党助成金の削減、廃止については完全に無視され、今回も何の議論もなかったのであります。このようなやり方は容認できるものではありません。
今なすべきことは、国民の声に正面から応え、公約違反の消費税増税を撤回し、政治不信を払拭する道に踏み出すことであります。
以上の諸点を率直に指摘した上で、国民感情も考慮し、歳費削減には賛成することといたします。
以上であります。
○小平委員長 それでは、国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。
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○小平委員長 次に、ただいま本委員会提出とするに決定いたしました国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律案は、本日の本会議において緊急上程するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。