2011年12月09日 第179回 臨時国会 議院運営委員会 【651】 - 発言
ペルー・メキシコEPA可決 緊急上程に反対を表明
2011年12月9日、衆院本会議でペルー・メキシコとの経済連携協定(EPA)が承認されました。
この日、外務委員会では、開催の合意もないまま、強行に採決を行った民主党の賛成で可決。与党は、この後開かれた本会議に緊急上程を強行しました。
本会議に先立つ議院運営委員会で、佐々木憲昭議員は「与党だけで強行するなら、議会制民主主義は壊されてしまう」とのべ、緊急上程に反対の意見表明を行いました。
議事録
○小平委員長 これより会議を開きます。
開会に先立ち、自由民主党・無所属の会、公明党、社会民主党・市民連合の所属委員に理事をして出席を要請いたしましたが、いまだ出席されておりません。やむを得ず議事を進めます。
まず、本日外務委員会の審査を終了した経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の両件について、委員長から緊急上程の申し出があります。
この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 私は、日本・ペルー、日本・メキシコのEPA、経済連携協定改正議定書の両案を緊急上程することに反対の意見表明を行います。
けさ10時12分に外務委員長から緊急上程の申し出があったと言われましたが、現場ではそうなっておりません。本日の外務委員会は、臨時国会の最終日に、理事会において最終的に与野党の合意もなく、タイムテーブルも合意されていない中で、開催が強行されたのであります。このことに厳しく抗議するものです。
10月20日に召集された臨時国会の会期は51日間もあったのであります。政府・与党がそれほど重要な案件というなら、落ちついた状況のもとでしっかりした審議を行う機会は、これまでに幾らでもあったではありませんか。
ところが、会期末のどさくさに、与党内からも異論が出て採決を欠席する議員が相次ぐような原発輸出のための四つの原子力協定を強行した上、またも、会期末処理のための各委員会が一斉に開かれ、日程が窮屈で、与党の委員すら差しかえを繰り返さなければならない状況のもとで、どうしてしっかりした審議ができるでしょうか。
しかも、外務委員会で、各党の質疑時間の割り振り、時間割りも提示されないまま、質疑しようにもできない状況をつくったのは、挙げて与党の責任と言わなければなりません。けさの開会について、合意がないもとで、質疑通告のしようもなく、しっかりした答弁、質疑もできない状況だったのであります。
相手国がある、国益を損なうなどと言って、こんなやり方で強行しようとすることこそ、対外的な信用も、国民の利益も損なうものと言わなければなりません。与党だけで強行するなら、議会制民主主義は壊されてしまいます。
今からでも遅くはありません。緊急上程の強行はきっぱり断念することを強く求めるものであります。
○小平委員長 両件は、本日の本会議において緊急上程するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。