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税制(庶民増税・徴税) (法人税, 大企業減税, 証券優遇税制, 災害支援)

2011年11月30日 第179回 臨時国会 財務金融委員会 【646】 - 質問

「法人税減税必要なし」巨額の内部留保がある

 2011年11月30日、佐々木憲昭議員は、財務金融委員会で、財政危機のもとで大企業に法人税減税を行う政府の対応について、「代替の財源もないのに、巨額の内部留保を抱える大企業に減税する必要はない」と指摘しました。

 佐々木議員は、法人税減税の財源として、財務省が大企業優遇措置の廃止など課税ベースの拡大で2兆円以上が確保できるとしていたにも関わらず、経団連に反対され実施されていないことを指摘しました。
 特に「「代替財源なしに減税しないという政府の『ペイ・アズ・ユー・ゴー原則』はどうなったのか。赤字国債を発行するのか」とただしました。
 安住淳財務大臣は「証券優遇税制の延長は考えない。さらに財源を探さなければいけない」と答弁。佐々木議員は「消費税の税率を上げてつじつまを合わせるのか」と批判しました。

 この日の委員会では、被災地免税法案が全会一致で可決されました。
 佐々木議員は、免税などを行う特区に進出した企業に対し、身勝手な撤退と防ぐことや、区域外にあって努力している被災事業者への対応を求めました。
 安住財務大臣は「悪用する企業を出さないようよう目を光らせる。(特区の)外に出ている企業には法人税の還付など特例措置でケアしていく」と答えました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 提案されている法案について言えば、震災対策として国税上の減免措置をとるというものでありまして、住宅ローン控除の特例など、主に復旧復興の際に必要な税制上の措置が盛り込まれております。
 また、事業継承税制の要件を緩和し、自動車関連の特例措置の対象に新たに二輪車を加え、原発警戒区域内に所在する住宅家屋に対する贈与税の特例措置、こういう被災者に一定程度役立つ措置というのが盛り込まれていると思います。これらは、ある程度評価できるものであります。
 確認しておきたいのは、復興特区の中の税制上の措置の問題です。
 一つ心配があるのは、この優遇措置を受けるために特区に進出をするけれども、ちょっと都合が悪いということで、ぱっと出ていく、こういうような、簡単に言えば食い逃げのようなことを許すようなことがあってはならないというふうに思いますので、それを抑えるためにどういう措置が講じられているのか、この点を確認したいと思います。
○五十嵐財務副大臣 私もそういう点を心配いたしまして、いろいろな歯どめをかけているつもりでございます。
 新規立地促進税制におきましては、本店を集積地域内に置かなければいけない、積み立てを行う事業年度において復興産業集積区域外に事業所等を保有しないといった要件を課しています。これは、先ほども議論がありましたけれども、課税の繰り延べでございますので、再投資をその地域内にしない場合には益金算入するということになっています。また、認定地方公共団体の指定を取り消された場合にも、当然、準備金は益金算入になりますので、こうした措置で担保できる、こう思っております。
○安住財務大臣 御指摘のように、雇用を継続しないで優遇措置だけの適用を受けるような、これは、あえて言わせてもらえば、この制度を悪用するような企業を絶対出さないようにするためにも、この繰越控除の適用だけは絶対しないように、我々も目を光らせていきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 本店を置くということを条件としているということ、それから、特区の中で再投資を行う、被災者の雇用を維持し拡充する、これを条件として優遇措置を受けることができる、簡単に言うとこういうことで理解してよろしいんでしょうか。
○五十嵐財務副大臣 そのとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 二つ目は、この特区の中での優遇措置というのはわかりますが、被災地は特区の外側にもあるわけでありまして、特区の設定の仕方もさっき議論がありましたけれども、これは被災地全体を覆うということが私は必要だと思っております。特区の外でも、中小零細業者が必死になって被災から立ち直り、地域経済、雇用を守って頑張っている、そういう事業者は多いわけであります。
 被災地全体についても、特区外のそういう中小零細業者に対しても、やはり同じような税制措置をやってくれないか、こういう要望もありますが、それにはちゃんとおこたえいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安住財務大臣 特区は、先ほど申し上げましたように、市町村がそのエリアをきちっと決めていくということですから、まず市町村で、外にはみ出さないようなきちっとした対応をぜひしてもらえばと思うんですね、まずそのエリアを決める場合において。
 しかし、それでも外に出ている企業というのは当然出てきます。それに対しては、第一弾の措置の中でも、震災損失の繰り戻しによる法人税額の還付、それから、被災代替資産等の特別償却、特定の資産の買いかえの場合の課税の特例といった、これはオーソドックスではございますけれども、特例措置は講じておりますので、こうしたことでケアをしていきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 それでは、ちょっと話題をかえますが、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則というのがありますが、この考え方はどういうものなのか、それから、閣議決定されていると聞いておりますが、いつどのように行われたか、説明をしていただきたいと思います。
○五十嵐財務副大臣 後の方からお答えしますけれども、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則は、平成22年6月22日に閣議決定された財政運営戦略の中で、財政運営の基本ルールの一つとして定められております。
 この原則は、歳出増または歳入減を伴う施策の新たな導入や拡充を行う際には、原則として、恒久的な歳出削減または恒久的な歳入確保措置をとって、それに見合う安定的な財源を確保するという内容でございます。
○佐々木(憲)委員 この原則はすべての減税措置に当てはまるのか。大臣、いかがでしょうか。
○安住財務大臣 これは、税制改正、各年度において、歳入減を伴う施策を新たに導入、拡充しようとする場合には、恒久的な歳出削減または恒久的な歳入確保措置により、それに見合う安定的財源を確保するというのが原則でございます。
○佐々木(憲)委員 すべての減税措置に当てはまると。簡単に言いますと、代替財源なしに減税はしない、簡単に言うとこういうことですね。
 では、今回提案されている法案はどのようにその点が貫かれているか、説明をいただきたいと思います。
○五十嵐財務副大臣 今回の税制措置につきましては、臨時異例の事態に対して緊急に対応するものでございます。恒久的な性質のものではない、恒久措置ではございませんので、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則を厳格に適用せずに提案をさせていただいているものでございます。
○佐々木(憲)委員 それでは、法人税の減税、さきに可決された国税法案ですが、これは恒久減税ですね。課税ベースの拡大は別として、5%の恒久減税を行う。平年度ベースで1兆2500億円の減税というふうになると思いますが、間違いありませんか。
○五十嵐財務副大臣 法人実効税率5%引き下げということは、恒久措置でございます。これによる平年度の見込み額は1兆2499億円でございます。
○佐々木(憲)委員 それでは、この代替財源というのは一体どうなっているのか。課税ベースの拡大、これで幾ら確保できるようになっていますか。
○五十嵐財務副大臣 課税ベースの拡大によりまして、5849億円となっております。
○佐々木(憲)委員 代替財源は5800億円強。しかし、これは1兆2500億円の減税ですから、全然足りないわけですね。
 この表を見ていただきたいんですけれども、この二枚目を見ますと、法人税引き下げの財源措置の例ということで、これは、平成22年11月に政府税調の会合で法人税率を5%下げた場合の税収減を穴埋めする代替財源案として財務省が提出した内容だと思いますが、これを合計しますと幾らになりますか。
○五十嵐財務副大臣 財務省が仮にということで出した数字でございますが、2兆1千億円ぐらいですか、強でございます。(発言する者あり)
○海江田委員長 ちょっと待って。もう一度正確に答弁させます。
○五十嵐財務副大臣 2兆1600億円から2兆8200億円、幅がございます。
○佐々木(憲)委員 2兆数千億円、そういう試算も財務省は出していたわけであります。しかし、今回の課税ベースの拡大で、先ほど確認したように、5800億円程度しか確保されない。6700億円が足りないわけですね。
 そうすると、これは、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則、先ほどの説明から完全に逸脱しているんじゃありませんか。恒久減税を実行する場合、これは被災地の臨時的な減税と違います。恒久減税を実行するわけです。しかし、代替財源として、課税ベースの拡大で5800億円しかない、半分。これでは、全く原則がどこかへ行ってしまった。法人税、これは別格なんですか。
○安住財務大臣 別格というよりも、国際競争力を確保していくために、新成長戦略の一環として、デフレの脱却や雇用の拡大を優先して、もちろん、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則から見ると、先生御指摘のように、財源確保はまだ十分なものとは言えておりません、率直に申し上げまして。しかし、まず先行してこの5%を引き下げるという思い切った措置をとったということでございます。
○佐々木(憲)委員 結局、自分が決めた原則を、先ほどの説明で、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則、これは恒久減税の場合には代替財源がない限りはやってはならないと決めていながら、恒久減税はどんとやって1兆2500億円、しかし代替財源は半分しかありませんと。こういうことをやって当然であるというのは、自分で自分を否定するようなものじゃありませんか。これは、先ほどの財務省の試算でも2兆円台あるわけだから、十分出てくる。出てくるという試算をやっておきながら、実際にはそういうことを実行しない。
 私、何でこうなるのかなと思ったら、どうもまた経団連の会長がこういうことを言っているんですよ。平成22年11月8日の記者会見で、税率引き下げと引きかえに課税ベースを拡大するなら、法人税率の引き下げはもう結構と言わざるを得ないと。原則を崩したのは、こういうふうに経団連から言われたからじゃないんですか。
○安住財務大臣 そうではございません。
○佐々木(憲)委員 口で否定しても、経団連が言っているとおりしかやっていないんだから。幾らそうでないと言ったって、先日もやりましたけれども、経団連が言うことは何でも素直に聞いて、我々の言うことは全く聞かない、国民の言うことも聞かない、これではだれのための内閣なのか、よくわからない。
 この原則が崩れると、どこから財源を持ってくるか、この足りない分。これはどうなるんですか。
○安住財務大臣 先ほど五十嵐副大臣から申し上げましたように、2兆8千億から2兆1600のこの試算というのは22年に出しているわけですね。この中で、まだ5800しか埋め合わせはできていない、つまり、単純に考えればマイナス7千億あるじゃないかということなんですね。
 これから本格的な税制改正をやっていかなければなりません。昨日、総理も、証券優遇税制等の延長についてはこの先はもう考えないと、いろいろなことを話しておられますので、総合的な判断の中で、ペイ・アズ・ユー・ゴー原則を完全に守れるとなれば7千億の見合い財源を探さなければいけませんけれども、近づけていく努力というものはしたいというふうに思っています。
○佐々木(憲)委員 そうすると、その努力の過程は、赤字国債の発行、こういう形になりますか。
○五十嵐財務副大臣 所得税や資産税の見直しを含めまして、大分、その間の赤字幅は減っている。それからまた、金融・証券税制の見直しを、26年からですけれども、一応、約束をとった形になっておりまして、それが入れば1300億円が埋められるというようなこともあって、不十分でございますけれども、多年度の税収中立には近づけられているというふうに思っておりまして、国債の増発は厳に慎んでいるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 これだけ下げると、当然、赤字国債で最初やらざるを得ない。財務省が計算をしたこの財源については、やる気があるのかないのか、2兆円台の代替財源があるにもかかわらず、一部しか手をつけていない。そうすると、赤字国債を発行して当面乗り切って、また財政赤字が大きくなる。消費税の税率を上げるということで、そのつじつまを合わせようというんじゃないんですか。
 一部は確かに証券優遇税制、大体、これは日本が低過ぎるんですよ、10%なんというのは。アメリカやヨーロッパは20%、30%、40%。それなのに、こういうものをことしずっと続けてきたわけです。とんでもない話です。
 だから、法人税の減税なんというものは、実際は私はやるべきじゃないと思うんですよ、こんなの。こんなのをやらないで続けていけばいいじゃないですか、そんな複雑なことをしないで。何もわざわざ財務省、財務大臣が、与党が、穴をあけるようなことをやるべきじゃないですよ。代替財源がないならやめる、それでいいじゃないですか。何でそういう決断をしないのか。私は、何も力の強い経済団体の言いなりになる必要はないというふうに思うわけです。
 まあ、これに対しては、答弁を求めてもまた同じようなことしか言わないので、私はそのことを断固として主張するということで、引き続きこの問題については消費税とあわせて徹底追及をしていくという宣言をしまして、きょうはこれで終わりたいと思います。

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