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税制(庶民増税・徴税) (強権的徴税)

2011年11月18日 第179回 臨時国会 財務金融委員会 【640】 - 質問

国税通則法案 民自公の修正で納税者権利の後退

 2011年11月18日、佐々木憲昭議員は、財務委金融委員会で、国税通則法案が民主・自民・公明の「3党合意」を受けて、改悪修正された問題について質問しました。
 佐々木議員は「民主党の選挙公約に違反し、内容のうえでも大きな後退がある」と批判しました。

 通則法案は、国税の納付・徴収手続などを定めたものです。
 政府が通常国会に提出しましたが、3党によってさらに修正がおこなわれました。
 佐々木議員は、民主党が選挙公約した「納税者権利憲章」作成を削除するなど、「国民・納税者の権利保護に資する条項は削除し、逆に義務を強化する条項を加えている」と指摘しました。

 税務調査は、任意調査であるにもかかわらず、もとの政府案にあった「文書による事前通知義務」を削除しています。
 福岡県で税務署員が突然、調査に訪れ追徴課税したものの、不服審判で取り消された事例を紹介し、このままでは強権的調査がまかり通ることになるとただしました。
 国税庁の岡本榮一次長は「同意がないと調査はできない」と述べ、「事前通知は調査開始まで相当の時間の余裕をおいておこなう」と答弁しました。

 さらに佐々木議員は、任意調査にもかかわらず帳簿・資料の提出について「罰則」が盛り込まれ、帳簿の留め置き措置まであると指摘し是正を求めました。
 岡本次長は「(罰則は)正当な理由なく提出に応じない場合で、決して税務署が強権的に提示・提出させることはしない」「(預かった帳簿は)返還する」と述べました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 復興増税については、次回の委員会で総理がおみえだということで、そのときにただすといたしまして、きょうは、これまで議論してきたことを踏まえまして、国税通則法の問題についてただしておきたいと思います。
 まず、安住大臣に確認をしたいと思いますが、財務省が採用しております税務運営方針というのがあるんですね。この中には、こういうふうに書いてあります。「納税者に対して親切な態度で接し、不便を掛けないように努めるとともに、納税者の苦情あるいは不満は積極的に解決するよう努めなければならない。また、納税者の主張に十分耳を傾け、いやしくも一方的であるという批判を受けることがないよう、細心の注意を払わなければならない。」。
 ほかにもいろいろ書いてありますけれども、これは税務署の税務調査等に関する基本姿勢を示したものでありますが、大臣はこの立場で職員を教育、指導する立場にあります。初めに、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
○安住財務大臣 税務運営方針は、昭和51年に国税庁長官が税務行政を遂行する上での原則論を職員に対する訓示として示したものであると。
 現在、新規採用職員及び税務大学校で実施する研修において周知を図っているというふうに聞いておりますので、今先生からお話のあったような趣旨に沿って、個々には違う例もあるかもしれませんけれども、今から御指摘いただくのかもしれませんが、全体ではこれをしっかり守ってやっていただけるものだと思っております。
○佐々木(憲)委員 これは基本方針ですから、きちっとやっていただかなければ、例外があってはならないというふうに思います。
 大臣、この文章はどうですか。「これまでの税制は為政者の立場に立ったものであった。それは税務行政にも表れている。」「税制の中身のみならず、税務行政についても納税者の立場に立ち、根本から改革を進める。」「納税者の権利を明確にするために「納税者権利憲章」を制定する。」。
 大臣、これはどこから引用した文章かわかりますか。
○安住財務大臣 もしかしたら、納税者権利憲章の、我が党がやろうと思っていた法案の中の一部かなと思っております。
○佐々木(憲)委員 民主党税調が2008年12月に出した民主党税制抜本改革アクションプログラムの中にある文章であります。基本的には、前回の総選挙で民主党が掲げた政策集の中にも示されております。
 納税者権利憲章がなぜ必要かということについては、内閣官房参与の峰崎さんが、「納税者権利憲章で税制が変わる!」、こういう表題の本でありますが、この本の中でこういうふうに言っているんです。「今までの税の徴収の仕方、手続きというのは、徴税の側には非常に有利にできているけれども、納税の側は余り考慮されていないという意味で、相当歪んだ仕組みになっている、これは変えていかなければいけない、」と。
 安住大臣、この問題意識に変わりはありませんか。
○安住財務大臣 はい。峰崎先生の教えを守っております。
○佐々木(憲)委員 そうなっているのかどうかということを、今回の法案の内容についてお聞きをしたいと思います。
 ことし初めに出された法案では、納税者権利憲章を作成し、公表するとなっておりました。今度の政府修正法案で、これはどうなりましたか。
○五十嵐財務副大臣 御指摘のとおり、ことし1月に国会に提出した23年度税制改正法案の中の通則法改正案においては、納税者権利憲章の策定というのが盛り込まれておりました。
 この改正案については、本年6月の三党合意において、各党間で引き続き協議を行い成案を得るとされておりましたが、その後の協議の中で、野党側の感触を踏まえて、与党より、この納税者権利憲章の策定という文言については見送るよう要請があったことから、政府としては、この要請を踏まえた修正案を提出したところでございます。
○佐々木(憲)委員 大臣、峰崎さんの言うとおりになっていないじゃないですか。
 野党側の感触と言いますけれども、野党というのはどの党ですか。
○安住財務大臣 どの党とは申し上げられませんが、成立がなかなか難しいという判断だというふうに党から連絡をいただいて、残念ですけれども、今回そういう形になったということなんです。
○佐々木(憲)委員 私が聞いている限りは、これは自民党だと聞いておりますけれども。要するに、自民党の言いなりになったということじゃないんですか。
 第1条では、「国税に関する国民の権利利益の保護を図りつつ」という法文になっておりましたが、政府修正案はどうなりましたか。
○五十嵐財務副大臣 御指摘のとおり、本年1月の改正案においては、第1条に「国税に関する国民の権利利益の保護を図りつつ」という文言を追加してあったところでございますが、先ほど申しましたように、6月の三党合意において、引き続き協議をするということになりましたが、この部分についても、与党側から、野党等との協議の間での感触を踏まえて、見送るように要請があり、政府としてこの要請を受け入れたところでございます。
○佐々木(憲)委員 これも自民党が要請して削ってしまったんですよね。
 こう見てきますと、納税者の権利保護に資する条項というものはすべて削除されている。逆に、義務を強化する条項だけ残したということになるんじゃありませんか。納税者の権利を守る、こういう民主党の基本方針は一体どこに行ったのか。これでは、国民の権利保護というのはどうでもよい、こういうことになってしまうんじゃありませんか。大臣、どういう感想をお持ちですか。
○安住財務大臣 更正の請求期間の延長とか理由の付記とか、そういう点では、権利の具現化をする事項の早期実現ということに関しては図られる方向ではあるんですが、先生がおっしゃったように、原案どおりではないな、骨のところがだめじゃないかという御指摘だと思いますが、本当に、今11月ですけれども、出してから半年以上、粘って粘ってやってきたんですが、なかなかコンセンサスを得られなかったというのは事実でございます。
 ただ、あきらめたわけではなくて、今後とも、納税者の皆さんの側から立った視点での考え方というのをできるだけ法律に入れていけるよう、コンセンサスを得られる努力はしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 骨が抜かれちゃったら骨抜きになってしまうわけであります。
 具体的に聞きますけれども、税務調査の問題なんですが、税務調査というのは任意調査のことであります。これは、大口、悪質な脱税などを摘発する査察調査とは本質的に違うわけであります。国税庁にこの違いを説明していただきたい。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答え申し上げます。
 一般論で申し上げれば、いわゆる査察調査とは、脱税事件として検察官に告発し、刑事訴追を求めることを目的として、国税犯則取締法に規定されている権限に基づいて実施しているものでございます。
 これに対しまして、通常の税務調査は、適正公平な課税を行うことを目的といたしまして実施するものでありまして、各税法に規定されている権限、いわゆる質問検査権に基づいて実施しているものであります。
○佐々木(憲)委員 任意調査ですから、これは犯罪調査ではないんです。つまり、適正な課税を行うに当たって事実関係を確認する、こういう調査ですから、相手の同意を得て行う、これが基本なんですね。したがって、税務署は、事前に納税者に対して調査を行いたい旨を通知しまして、日程、場所について相手の都合を聞いて調整を行う、こういうことになるわけです。
 事前通知、これがなぜ必要か、理由を説明していただきたいと思います。
○岡本政府参考人(国税庁次長) 現在、実地調査に際しましては、調査を適正かつ円滑に進めるために、さらに調査対象者における調査の準備等に資するよう、原則として調査の日時をあらかじめ電話等により通知しておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 この日でよろしいかと事前に相手の都合を聞いて、日程上、例えば、その日は困るということで、都合が悪ければ断ることもできる、こういうことでよろしいですね。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答えを申し上げます。
 事前通知の際には、納税者等の都合を伺って、必要に応じて調査の日時の調整を行っているところでございます。
○佐々木(憲)委員 事前にこの日は都合が悪いと言えば断ることもできるということです。
 本来なら、文書によって事前通知をするというのが当たり前だと思いますが、なぜ文書にしなかったのか、この理由は何でしょうか。
○五十嵐財務副大臣 これも同じ理由でございます。
 1月の法案においては、これを文書で行うとしてきたところでございますけれども、やはり、各党間で引き続き協議を行い成案を得るという、その協議を続けていた中から、新たな税務調査手続の追加については見送るよう与党から要請がございまして、この要請を踏まえて、文書で行うことについては外したということでございます。
○佐々木(憲)委員 相手の都合を聞くわけですから、いついつこの時間にお願いをしたいと、税務署の側が納税者に対してそれを事前に文書で通知する、もともとの法案がそうなっていたんですから。私は当然だと思っていたんですよ。
 ところが、今度はこれを削除して、例えば、口頭でもよろしいとなりますと、その納税者の店の前まで来て、今から調査に行きますよと携帯で通告してぱっと入ってしまう。事前通知とこれでも言えるんですか。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答え申し上げます。
 事前通知は、法令上、あらかじめ行うこととされますので、何日前までに行うという規定はございませんが、調査手続の透明性と納税者の予見可能性を高めるという制度の仕組みをかんがみれば、調査開始日までの相当の時間の余裕を置いて行うことになると考えております。
 したがいまして、事前通知の実施に当たりまして、委員御指摘のような、納税者の家の前で事前通知の電話をして往訪するというふうな運用は考えておらないところでございます。
○佐々木(憲)委員 例えばこんな例があるんですよ。福岡で実際にあった例なんです。
 中華料理店を営んでいる業者Aさんの場合なんですが、税務署の担当職員が、朝、電話をしてきた、確定申告の内容を調査したいのでよろしくと。当日は、その日は妻の帰りが夜10時過ぎになるということで、次の日に、あしたにしてくれと。それで、翌日の3時に税務調査を実施することで約束をしていたんです。
 ところが、この職員は、その約束をほごにして、もう一人の税務職員と二人でその日の午後3時半ごろにAさんの自宅を訪問して、Aさんが承諾していないにもかかわらず自宅に上がり込んだ。小学生の三女が風邪を引いて寝ているという状況だったそうですけれども、この子供部屋をのぞき見る、寝室をのぞき見る、こういうことをやった上に、無断で台所の引き出しをあける。とんでもない話であります。承諾もなく家に入り込んだ上、プライバシーの侵害行為が行われたということなんです。
 一度帰ったそうなんです。ところが、また6時ごろ来て、今度は、レジをあけて現金を数え始めた、収納扉をあけた、こういうことをやったというんですね。お客さんがいても、無断で、Aさんが承諾していないのに調査を継続して、どうかお引き取りをいただきたい、お帰りくださいと言ってもやめなかった。最終的には、過去の売り上げが調査の対象だったんですけれども、関係のない、最近の伝票を持って帰ったというんですね。
 約束した人も違う、勝手に上がり込む、プライバシーの侵害をする、レジをあける、こんなやり方は私は任意調査と言えないんじゃないかと思うんですが、大臣、どうお考えですか。どう思いますか。
○安住財務大臣 勝手がわからないものですから、今聞かせていただきましたけれども、それぞれの事情が、どこの税務署かもわかりませんので申し上げられませんけれども、適切な対応をそれぞれやっていただければとは思っていますけれども、個別のことはぜひまた個別にそれぞれの税務署で話し合っていただければと思っております。
○佐々木(憲)委員 こういうことが事実で、これは、国税の不服審判所ですか、そこにも問題が提起されまして、この税のかけ方は間違っているという結論だった。税務署のこの課税の仕方は取り消されたんですよ。
 つまり、やり方についてはいろいろ、税務署の言い分もあるだろうし、当事者の言い分もあるかもしれない。しかし、これは事実として、任意調査ですから、大体、承諾なく家の中に上がり込むこと自体、家宅侵入、犯罪になりますよ。そんなことを税務署がやっていいのか。レジをあけて現金を数える、お客さんがいる前で。そんなことは常識からいっておかしいんじゃないですか。大臣、どう思いますか。
○安住財務大臣 先生の御指摘のように、法律上もそれで見直されたということであれば、それが事実であれば、適正な執行をするよう私の方からも指導してまいりたいと思います。
○佐々木(憲)委員 次に、任意調査に行って、相手の同意を得ながらやる、そのとき、帳簿書類をちょっと貸してくださいと言って税務署が持ち帰る場合があるわけです。これは当然、同意がなきゃ持って帰れないと思うんですが、そのとおりでよろしいですね。
○五十嵐財務副大臣 御指摘のとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 そのときに、その帳簿を今持っていかれたらきょうの商売ができないからちょっと待ってくれと断るということはできますか。
○五十嵐財務副大臣 強制的に行使することはできません。あくまでも納税者の承諾のもとで行われるということになります。
○佐々木(憲)委員 ところが、項目に罰則というのがあって、同意を前提として、帳簿をちょっと貸してくれ、これが同意を前提としたやり方ですけれども、そのときに何か罰則があるというんですけれども、何のためにこんなものをつけたんですか。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答え申し上げます。
 現行の運用上、帳簿の書類その他の物件の提示、提出については、調査の過程で多くの納税者の協力を得て実施してきているところでございますけれども、条文上不明確だとして一部の納税者の方々から協力が得られないケースもあり、課税の公平上の問題もあったところであります。
 こうしたところも踏まえまして、今般、調査の事前通知が法律上明確化されることとあわせて、税務当局が物件の提示、提出を求めることができることについても法律上明確化されるものと承知しております。
 今回の見直しによりまして、正当な理由がなく提示、提出に応じない場合には罰則の適用があり得ることとされておりますけれども、この罰則をもって強権的に提示、提出要求をすることは考えておりません。あくまでも、納税者の方々の御理解、御協力が得られるように努めまして、その承諾のもとに行うという従来の運用を変更することは考えておりません。
○佐々木(憲)委員 だったら罰則は要らないじゃないですか、こんなもの。
 罰則というのは、どういうときに発動されるんですか。
○古谷政府参考人(財務省主税局長) 新しく設けました条文では、正当な理由がなくこれに応じない場合に罰則が発動されることがあり得るということでございます。
○佐々木(憲)委員 だから、正当な理由がなくというのは、例えばどんなことですか。税務署がそれを判断するんですか。あなた、帳簿を貸してくれと言って、いや、ちょっと困るよと言って、正当な理由がなくあなたは言ったから持って帰るんだ、それを拒否したら罰則だぞ、こういう話になるんですか。そんな勝手な税務署の判断で、罰則つきで、帳簿も持っていくというようなことはおかしいんじゃないですか。
 大臣、こんな罰則は外しなさいよ。相手の同意を得て初めて成り立つんですよ、この調査なんというのは。先ほどもあったように、都合が悪ければ拒否もできると言っているわけですね。だったら罰則なんて要らないんですよ。これは外してください。
○安住財務大臣 これを外すのはなかなか難しいとは思うんですね。ただ、正当な理由がなく提示、提出に応じない場合の正当な理由がもう少しわかりやすくあればいいんだとは思いますけれども。逆に、正当な理由がない場合には罰則の適用があり得るとされていますけれども、しかし、この罰則をもって、先ほども国税庁の次長が報告していましたけれども、強権的に行使することは考えていませんということになっているんですね。
 ですから、できれば、先生が言うように外せというのはなかなか、はい、そうですとは言えないんですけれども、正当な理由については、比較的何かわかりやすい説明をきちっとできるようにはしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 罰則なんというのはよっぽどのことがないと、こんなものを任意調査で入れるなんということ自体が私はおかしいと思っているんですよ。
 それから、提出した帳簿を税務署にとめ置くことができる、こうなっているんですね。とめ置くということはどういうことですか。本人が、これはちょっと、営業上、税務署に置いたままだと困るんだ、返してもらいたいと言ったら、すぐ返しますか。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答え申し上げます。
 物品の預かり、とめ置きにつきましては、これまでも税務調査におきまして運用上行われてまいりましたけれども、今般、手続の明確化を図る観点から法定化されると承知しております。
 現行の運用におきましても、とめ置いた物件については、とめ置く必要がなくなったときには遅滞なくこれを返還しているところでありまして、御指摘のように、納税者からの返還の求めがあった場合にも、特段の支障がない限り返還することとしております。法定化後においても同様の運用になるものと考えております。
○佐々木(憲)委員 何かちょっと、若干あいまいなんですけれども。
 特段の支障がない限り、それは一体何なんですか。帳簿を返してくれといったら、例えばコピーしてすぐ返せば済む話でしょう。返してくれといったら、返しますというのが当たり前じゃないんですか。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答え申し上げます。
 先ほどの特段の事情につきましては、まさに個別事案に応じて適切に判断しておるところでございますけれども、御指摘のように、コピーをとるなどして、できる限り納税者の方に早期に返すよう努めておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 では、返してくれといったらすぐ返す、こういうことでよろしいですね。確認をちゃんとしておきたいと思います。
○岡本政府参考人(国税庁次長) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、個別事案に基づいて適切に判断させていただきますけれども、納税者の返還の求めがあったときには、できる限り、コピーをとるなど、そういう方法を講じてお返ししたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 今まで質疑をやってまいりましたけれども、どうも民主党が最初に掲げていた納税者権利憲章は、言葉がなくなった。内容は何とか生かしたいというような話をしておりましたけれども、幾つかことしの初めに提案されていた中身が後退しているんですよ。これは三党で協議をしたというけれども、我々は、その後退より、もっと前進させなさいという質問をしていたんです。自民党は後退させろという質問をしていたかもしれない。それで何で自民党の方に行っちゃうんですか。野党の声を聞いてというなら、もっと幅広く聞いてくださいよ。
 我々は、野党のとき、民主党と共闘していたんだけれども、いつの間にか、与党になってどうも立場がおかしくなってきた。納税者の立場に立つというあなた方が掲げた政策を実行する、一時的にこういうふうに後退しても、さらに前進するんだ、そういう決意が、そういう腹づもりが本当にあるのかどうか、その辺を確認しておきたいと思います。
○安住財務大臣 政権交代の前には、納税者権利憲章とか通則法の改正とか、そういうことは出てこなかったわけですから、ようやく納税者の側からも、納税する側の人たちの立場に立った考え方というものをこの法律に入れ込んでいく努力というのは、そうは言ってもやはり政権交代の成果だったと私は思います。
 先生が御指摘のような考え方は、我々と近いところもありますが、しかし、目下の国会情勢の中で、なかなか、そうは言ってもすっきりとその法案が通るわけではないので、軍隊用語になりますが、匍匐前進しながら頑張っていきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 以上で終わりますけれども、本当に納税者一人一人の権利というのは、民主党が言っていたように、日本の場合は非常におくれているわけですよ。
 したがって、我々は引き続き財務大臣とはこの問題について徹底的に議論をし続けていくということを宣言いたしまして、終わらせていただきます。

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